インサイド読者が選ぶ劇場版アニメ『ポケットモンスター』3選【Amazonプライムビデオですぐ観れる!】

Amazonプライムビデオで、アニメ『ポケットモンスター』シリーズの、歴代映画が2022年2月1日より一挙公開しています。そこで今回は、「あなたが選ぶ最高の『ポケモン』映画は?」でアンケートを実施しましたので、その中でも特に票の多かった3作品をご紹介したいと思います。

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ポケモン映画公式サイト公式サイトより
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先日、娘(9歳)にせがまれ、『劇場版ポケットモンスター ココ』をAmazonプライムビデオで観ました。娘と、一緒に観た4歳の息子は、まあまあ楽しいといった様子なんですが、実は僕が少しウルッと泣いていました。『ココ』は子どもが観てももちろん楽しい映画ですが、お父さんが見るとさらにグッと来る映画なのです。

Amazonが有料会員のAmazonプライム向けサービスとして展開しているAmazonプライムビデオで、アニメ『ポケットモンスター』シリーズの、歴代映画が2022年2月1日より一挙公開しています。その数なんと32作品、どれを観たらいいか、目移りしてしまいますね。

そこで今回は、「あなたが選ぶ最高の『ポケモン』映画は?」でアンケートを実施しましたので、その中でも特に票の多かった3作品をご紹介したいと思います。なお、記事には各映画のあらすじやネタバレが含まれることを、あらかじめご了承ください。


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■ポケモン映画の原点『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』

名作『ポケモン』映画といえば、まず挙がるのが1998年に公開された記念すべき第1作『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』。今日までの『ポケモン』映画の歴史があるのは、この『ミュウツーの逆襲』の成功があるから、とも言えるかもしれません。しかし、その内容は痛快な冒険活劇というよりは、重く、深いテーマの作品でした。大人になってからもう一度観たら、その意味が分かったという声もありました。

物語は、ミュウツーが生まれるところから始まります。世界一珍しいポケモン、ミュウの遺伝子を操作して作られた最強のポケモン、ミュウツー。しかしミュウツーは人工的に生み出された自分の存在を認めることができず、自分を生み出した人間を恨み、そして逆襲を誓います。

ミュウツーは優秀なポケモントレーナー達を集め、彼らが持つポケモンのコピーを作り、そしてコピーとオリジナルの戦いを始めます。そのトレーナーの中には、サトシの姿もありました。ポケモンとは、生命とはなんなのか、なんのために生まれてきたのか、ミュウツーの深い悲しみと怒りにサトシは向き合うことになります。

ゲーム版『ポケットモンスター赤・緑』のミュウツーの説明には「けんきゅうの ために いでんしを どんどん くみかえていった けっか きょうぼうな ポケモンに なった。」と書いてあります。それが本当はどんな意味を持つのか、訴えかけるような映画でした。これがポケモン第1作、そしてこれがヒットして定着し、毎年新しい映画が公開されるようになるのです。最初から難しいテーマに体当たりしているのがすごいですね。

読者コメント

  • 子供の頃はただのポケモン映画として見てた作品、大人になると涙で前が見えない映画

  • ミュウツーが初恋だったので。 また、高校生になって改めて映画を観たら、深い内容に感動したからです

■7日間の切ない物語『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ』

ポケモン映画のなかでも、とびきり切ないのはこの『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ』かもしれません。1000年に1度、7日間だけあらわれるという千年彗星が見れる移動遊園地「ポケモンパーク」に訪れたサトシ一行。

遊園地の夜に行われた「グレートバトラーのマジックショー」で、ハルカの弟マサトは、不思議な声を聞きました。それは、バトラーの恋人であり、マジックショーのアシスタントを務めるダイアンが持っていた“眠り繭”から発せられたもので、千年彗星と共に1000年に1度だけ目覚める幻のポケモン、ジラーチの声だったのです。

マサトはジラーチにパートナーとして選ばれ、7日間を一緒にすごすことになりますが、バトラーはジラーチを利用して伝説のポケモングラードンを復活させようとたくらんでいたのでした。

1000年眠り続けてたった7日間しか活動することができないジラーチ。マサトやサトシ達は、バトラーからジラーチを守り、ジラーチが眠りについていた場所、そしてジラーチが眠りにつく場所でもある、ファウンスへとジラーチを連れていく決意をします。

最初は、願いをかなえてくれるという伝説を聞いてジラーチにおかしが欲しいとねだるようなマサトでしたが、ジラーチと旅をし、友情をはぐくんでいきます。別れが決まっている7日間の旅は、ジラーチとの時間が楽しければ楽しいほど、切ないものに感じられていきます。

2021年11月に発売された『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』では、『ポケットモンスター ソード・シールド』のセーブデータがあるとジラーチを受け取ることができました。この映画を観ておくと、ゲームのジラーチとの旅も、とても大切なものに感じられるかもしれません。

読者コメント

  • テレビ放送を見ているときから、主人公の仲間の一人であるマサトの、小さな子どもなのにあまり騒がず、すごくませてもいなく、遠くを見ているような感じが好きでした。ポケモンへ指示するときも、攻撃系や回復系ではなく、間接系や補助系の技が好きそうなところも気に入っています。この映画は、マサトが話の中心なので、公開前から注目していました。話や絵から感じとれる静的な雰囲気が、マサトの印象に合っています。

■ポケモンと一緒ならできる! 『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』

『ポケモン』映画の中でも珍しい、群像劇になっている『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』。サトシは映画の中の主人公ではありますが、主人公の1人という位置づけです。サトシが訪れた“フウラシティ”は風の力で電気を起こして発展していった街。年に一度の風祭りが開催されます。これは、そのフラウシティに住む人、そして訪れた人々の物語となっています。

しかし、サトシ以外の主人公達は、何かしら秘密を抱えていたり、心に傷を持っていたり、過ちを犯していたりします。弟の為にイーブイをゲットしに来た女子高生のリサは、陸上選手でしたが、足のケガがきっかけで、怖くて走れなくなりました。風祭りでポケモン研究を発表しに来たトリトは、優秀な科学者でありながら、自信が無く、人前で話すこともできません。姪と一緒にお祭りを楽しむカガチは、姪に好かれたくて嘘ばかりついているホラ吹きです。フラウシティに住むおばあさん、ヒスイは、過去に起きた事件をきっかけにポケモン嫌に。そして市長の娘のラルゴは、死んだはずの幻のポケモン、ゼラオラをひそかにかくまっていました。

この物語は、街が壊滅しかねないような大ピンチを救うために、彼らが自らの弱さや、過ちと向き合い、ポケモンの力を借りて乗り越えていく物語になっています。サトシはというと、彼らを奮い立たせる役割を持っています。

この映画のサトシは、『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のサトシとはちょっと違うんですね。『ミュウツーの逆襲』でも、もちろんカッコイイサトシなんですが、『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』はそれから10年が経った2018年公開。アニメの中で様々な大冒険をしてピンチを乗り越えたサトシです。

実際観比べてみるとわかるんですが、つまらないことでカスミとケンカばかりしていたサトシがテレビアニメ『ポケットモンスターサン&ムーン』あたりでは最初からすごく成長した姿を見せています。だからここに出てくるサトシは本当に頼もしいんです。もうどうしようもないぐらいの大ピンチに、「ちくしょう、俺がなんとかしてやる」と言ってガムシャラに立ち向かうだけはないんです。

サトシは街の大ピンチを前に呆然としているみんなの前にでて「俺たちでフウラシティを守るんですよ!」「ひとりでできないことも、ポケモンと一緒ならできる!」と言い切ります。しかも、この時のサトシ、なんと笑顔なんです。街が壊滅しかねない状況なのにですよ。そしてサトシの肩に乗っているピカチュウも「ピッカー!」と言いながら笑顔です。この1人と1匹は、人間とポケモンが力を合わせればなんだってできると、本気で信じているんです。だっていままでそうやってきたから。そしてその言葉通り、フウラシティを救うために、ポケモンの力を借りて、自分たちの弱みや過ちと向き合い、乗り越えていくみんなの姿が描かれます。そう、『みんなの物語』なのです。

今回、この記事を書くにあたってご紹介した映画をもう一度観なおしてみました。劇中、人間は間違いをたびたび起こしています。ポケモンの怒りを買うこともあります。しかしサトシはそのたびにポケモンを信じて、ピカチュウを信じて乗り越えてきました。『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』は、そんなサトシが得た成長を、みんなに伝える物語になっているように思います。ミュウツーが人間に感じた憤りをサトシにぶつけたことも、無駄ではなかったかもしれない、そんな風に思えました。

読者コメント

  • 今までのポケモン映画とは違いゲストキャラが主役でサトシがそれをサポートするというのが面白かった。

冒頭でもお話しましたが、今ちょうどAmazonプライムビデオで劇場版アニメ『ポケットモンスター』の全作品を観ることができます。気になる作品があれば、ぜひ観てみてくださいね。子どもの頃に触れた作品でも、また新たな発見があるかもしれませんよ。


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《田下広夢》

毎週金曜ゲームイベントしてます 田下広夢

1984年5月、埼玉県生まれ。2006年からゲームを専門とするライターに。毎週金曜、ゲームを持ち寄って遊ぶイベント「ゲームルーム」開催、2022年で10周年を迎える。メギド72攻略ブログ「メギド部!」運営。イシイジロウ氏主催のゲームクリエイター人狼会所属。たまにゲーム業界解説でテレビやラジオなどに出演したり、YouTubeなどの人狼ゲーム配信にも登場。2021年からインサイドで執筆。

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