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『ウマ娘 プリティーダービー』と『ポケットモンスター』のファンアート界隈にて、昨今「ヌオダス」という組み合わせが流行しています。ヌオダスとは、『ウマ娘』の登場キャラクター「ダイワスカーレット」と、『ポケモン』の登場ポケモン「ヌオー」による組み合わせのこと。
同じ育成ゲーム、さらにプレイヤーの役割がトレーナーという接点から、以前より『ウマ娘』×『ポケモン』のファンアートは存在。しかし、ダイワスカーレット、ヌオーのピンポイント過ぎる組み合わせはありませんでした。
まったく接点のなかったダイワスカーレット、ヌオーはどうやって関係を持ち、どのようにして流行りだしたのか?本記事では「ヌオダス」誕生までの経緯を紹介します。
◆ヌオダスはどこから生まれたのか?
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ヌオダス誕生のきっかけは、個人ブロガー「ゲムぼく。」氏(@gamebokusan)のブログ記事です。ことの発端は、5月4日に投稿された「超実録!東京→USJ 子連れ2泊3日はけっきょくトータル何円かかるのか?」という記事。
内容は子どもの誕生日を祝い「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」へ旅行するとともに、その旅行でかかった金額を赤裸々に語るというもの。同記事の宣伝ツイートは約12万いいね、約2万RTを記録し、俗に言う“バズりツイート”となりました。
ここで肝心なのが、記事内に登場した「ヌオーのぬいぐるみ」です。お子さんはヌオーのぬいぐるみがないと眠れないらしく、旅行カバンに詰め込む写真を掲載。旅行のほんの一幕ですが、これがヌオダス誕生に大きく関わることとなります。
◆ヌオダス誕生の瞬間
USJ記事がバズったことにより、さまざまなリプライがゲムぼく。氏に寄せられます。それをもとに、ゲムぼく。氏は新たな記事「第1回 バズツイリプライ「それぼくに言うことじゃなくない!?」選手権~!」を投稿しました。
同記事は、USJ記事のリプライから“いちばん「それぼくに言うことじゃなくない!?」的な内容”を決めるという企画。その7位に挙げられたのが「ヌオーよりダイワスカーレットの方が好き」というリプライです。
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ヌオーのぬいぐるみに対してのリプライと思われますが、なぜ旅行内容ではなくヌオーに反応したのか、なぜヌオーに対抗心を抱いたのか、そしてなぜ『ポケモン』ではなく『ウマ娘(※もしくは実在した競走馬)』を引き合いに出したのかなどは不明。
その真相はリプライ者しか知り得ない謎ばかりの発言ですが、ともかくこの「ヌオーよりダイワスカーレットの方が好き」が“すべての始まり”となったのです。
◆拡散するヌオダス
「それぼくに言うことじゃなくない!?選手権」の宣伝ツイートもバズったことにより、多くの人に「ヌオーよりダイワスカーレットの方が好き」が拡散。話題が話題を呼び、サジェストに「ダイワスカーレット ヌオー」と表示されるなどの影響を及ぼしました。
また、宣伝ツイートが投稿されたのは5月12日19時頃。翌13日はダイワスカーレットの誕生日であり、お祝いイラストを見ようとした人にも「ダイワスカーレット ヌオー」が知られる事態に。
こうしてダイワスカーレット、ヌオーの組み合わせはTwitterだけでなく、『ウマ娘』と『ポケモン』の各コミュニティにも波及。さまざまな話題が語られるなかで、組み合わせタグ「ヌオダス」やファンアートが生まれることとなったのです。
◆声優・木村千咲さんも反応
そして5月17日、ヌオダスブームにダイワスカーレット役の声優・木村千咲さんも反応。自身のTwitterで「ヌオ…ダス…」と呟き、翌18日にはヌオーの直筆イラストを投稿。約2.7万いいねを集め、ファンから「ついに本人が(笑)」「ただのヌオーなのに、中の人が描くだけで弱点特攻4倍以上の威力ある」などの反応が寄せられました。
◆ヌオダスの注意点
ヌオダスのきっかけとなったゲムぼく。氏ですが、後日「バズと炎上は紙一重!SNS時代の「引き際」を見極めろ![ラストオリジン]」という記事を投稿し、このブームに「興味がない人にもネタを押しつける人が現れ、「興味ないのにやたら来るから嫌い」と思う人が増えて炎上する」と懸念を示しています。
ヌオダスが流行したのは事実ですが、ダイワスカーレット、ヌオーそれぞれを単体で楽しんでいるファンがいるのも当たり前。ゲムぼく。氏も「普通のダイワスカーレット絵に「ヌオーはどこ?」とリプライが付いている」という旨のツイートをRTし、興味がない人にまで押し付けるのは不幸しか起きない!と注意を促しています。
折り重なったバズりツイート、バズったタイミングなどが生みだした「ヌオダス」というブーム。誕生のきっかけこそゲムぼく。氏ですが、生みだした張本人を問われれば「ヌオーよりダイワスカーレットの方が好き」とリプライした人になります。
ヌオダスにより、元々あった『ウマ娘』×『ポケモン』のファンアートも盛り上がっている昨今、このブームは果たしてどこまで続くのでしょうか。