「ナイスセーヌ!」がトレンド入り!「RTA in Japan」でパリを走るレースゲームに大爆笑

リアルタイムアタックの一大イベント、「RTA in Japan Summer 2022」が開催。有名タイトルも多数ありますが、今回ご紹介したいのは、おそらくほとんどの人が知らないであろう海外のレースゲーム『Paris Chase』。しかしこれが、腹を抱えるほど面白い爆笑RTAでした。

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「ナイスセーヌ!」がトレンド入り!「RTA in Japan」でパリを走るレースゲームに大爆笑
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Paris Chase - RTA in Japan Summer 2022

ゲームスタートからクリアまでにかかる実時間を競う“リアルタイムアタック”、略してRTAの一大イベント「RTA in Japan Summer 2022」が8月11日から15日に開催。目隠しで『大乱闘スマッシュブラザーズDX』、『エルデンリング』をバグなし1時間16分クリアなど、今年も注目企画が目白押しでした。そんな有名タイトルもある中、あえて今回オススメしたいのは走者・kamia氏、解説・アジーン氏による『Paris Chase』のRTAです。

このタイトル、ほとんどの人が名前も聞いたことがないと思います。2006年に海外で発売されたレースゲームで、動画の解説によると、日本未発売かつsteam版もないため、今回のRTAも走者のkamia氏が輸入したものを使っているとのこと。

日本で発売されていない、しかも16年も前のゲームですから、タイトルだけだとなかなか興味がわかないかもしれません。しかし、本当にオススメのRTAで、筆者はこれを観て、笑いすぎて窒息しそうになりました。

■レースゲームなのに基本的にゴールしない方針

街灯をなぎ倒して進みます(画像は「Paris Chase - RTA in Japan Summer 2022」より)

『Paris Chase』はパリの街をコースにしたレースゲームなのですが、今回のkamia氏のプレイではグリッチ(バグを利用したテクニック)を使っていることもあり、走り始めると挙動がもう、ちょっとおかしいんですね。最初のレースはライバル車が登場せず、1台でゴールを目指すだけなのですが、スタート時点でなぜか車はボコボコ。街灯をなぎ倒し、ドリフト状態で真横にカッ飛んでいったかと思うと、ガソリンスタンドに突っ込んで大爆発しながらゴールします。何を言っているのか分からないかもしれませんが、忠実に動画の内容をお話するとこうなるのです。

しかし、おかしいのはむしろここから。次のレースからはライバル車が登場します。いよいよレースが始まるかと思いきや、なんとこのゲーム、ゴールを目指して走らずとも、ライバル車を走行不能にするとその時点でステージクリアとなります。真面目に走るより相手を壊した方が早いので、RTAにおいてはいくつかの例外を除いて、基本的にゴールを目指しません。

■セーヌ川を駆使して戦う 決まり手は「押し出し」

ライバル車をセーヌ川にたたき落として勝利!(画像は「Paris Chase - RTA in Japan Summer 2022」より)

どうやってライバル車を走行不能にするのか、ここで大活躍するのが世界的に有名なパリの名所、セーヌ川です。例えば、まっすぐ進むと目の前にセーヌ川があり、橋が架かっているコース。まずスタートする前、自分の車が橋側、そしてライバル車が川側になるようにこっそり移動。

加速タイミングをあわせて、車体をこすりつけるように走ります。橋に行こうとするライバル車に対してゴリゴリと車体を押しつけ、火花を散らしながら走る両車両。最後は進路を妨害されたライバル車がそのまま勢いよくセーヌ川につっこんで、「決まり手は押し出しですね」とまるで相撲のような実況が流れます。

もちろんこれは1例で、あらゆる方法でセーヌ川を駆使して、ライバル車を走行不能にしていきます。

■ノリノリの観客 チャット欄は「ナイスセーヌ!」

NPCの動きにあわせてノリノリで両手を挙げる会場の観客(画像は「Paris Chase - RTA in Japan Summer 2022」より)

ゲームの最初の方は「?」も多かったチャット欄も、卑怯な手段と華麗なテクニックで次々とライバル車をセーヌ川に沈めていくうち「ナイスセーヌ!」であふれるようになります。この「ナイスセーヌ」は、動画の解説によると海外最大級と言われるRTAイベント「Summer Games Done Quick 2021 Online」の日本語ストリーム放送で誕生した言葉ということで、首尾よくライバル車をセーヌ川にドボンさせるたびに飛び交います。走者のkamia氏は配信後、自身のTwitterアカウントにて、「ナイスセーヌ」がTwitterトレンド入りしたことを完走の喜びとともに伝えました。

会場では、観客がゲームに登場するNPCの動きを真似て、両手を挙げて応援している様子がうかがえ、ほとんどのレースで起こる大事故の模様に笑い声があがります。チャット欄や会場など、観ているみんなが笑いながら楽しんでいる雰囲気が伝わるのも、『Paris Chase』RTAの魅力と言えるでしょう。

アーカイブは、Twitchの他、YouTubeでも公開されていますが、配信当時のチャットが一緒に見れるTwitchの方がよりオススメです。23分と短い時間で、大笑いして気分爽快になれます。ぜひご覧ください。

RTA in Japan Summer 2022: Paris Chase(Twitch)

Paris Chase - RTA in Japan Summer 2022(YouTube)


《田下広夢》

毎週金曜ゲームイベントしてます 田下広夢

1984年5月、埼玉県生まれ。2006年からゲームを専門とするライターに。毎週金曜、ゲームを持ち寄って遊ぶイベント「ゲームルーム」開催、2022年で10周年を迎える。メギド72攻略ブログ「メギド部!」運営。イシイジロウ氏主催のゲームクリエイター人狼会所属。たまにゲーム業界解説でテレビやラジオなどに出演したり、YouTubeなどの人狼ゲーム配信にも登場。2021年からインサイドで執筆。

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