※本記事は、『ポケモン スカーレット・バイオレット』のストーリー「スターダストストリート」に関するネタバレを含みます。未クリアの方は、ご注意ください。
『ポケモン スカーレット・バイオレット』では、従来シリーズのように各街の「ポケモンジム」を回ってジムリーダーと戦いジムバッジを集めてポケモンリーグに挑む、というルートの他にも様々な楽しみが用意されています。その中の一つが、主人公と対立する組織との戦いです。
初代『ポケットモンスター 赤・緑』における「ロケット団」にはじまり、これまでの過去シリーズでは様々な組織・集団が登場してきました。もちろん本作でも3本のメインストーリーの1本としてその枠は健在。ゲームの舞台であるアカデミーに在籍する不良学生達「スター団」を解散させることを目指して主人公が奔走する、というストーリーが描かれます。
そのスター団。単なるヤンチャ集団とは言え、実はそれなりに規模がある組織です。ポケモンジムのようにタイプ別に「組」が別れており、各組それぞれがアジトを構えているといった構成。その中でも「ほのお組」を束ねるボスがちょっとばかしイカしたキャラをしています。
彼女の名はメロコ。ほのお組「チーム・シェダル」のボスでありながら、チーム内では何でも屋としても活躍しています。問題解決のためであれば強引な手段も厭わないその豪放磊落を絵に描いたような性格で、チームメンバーから高い人気と信頼を集めているのです。
出で立ちはまさしく「ほのお組」のボスたる風格。赤く炎のようになびくショートカットのヘアースタイルに、ファイヤーパターンの装飾品の数々。気づきにくいのですが、スカーレットとバイオレットでメロコの装飾品の一部の色が異なる、というバージョン違いもあったり、オシャレさんなのもポイントが高いですね。
中でも特徴的なのが、同じくスター団のボスである服飾担当シュウメイによるハンドメイドのブーツです。炎モチーフの装飾デザインは、ほのおタイプのわざである「ニトロチャージ」がイメージソースなのだとか。もっとも、デザイン重視なのであまり機能性は考えられていないらしく、多少歩きづらそうにしているのもご愛嬌。メロコ本人としてもこのブーツが特にお気に入りとのことです。
極めつけは一人称が「オレ」。そう、多様性あふれる本作においてもなお珍しいオレっ娘です。このイカつい見た目に、一人称「オレ」から発せられる荒々しい喋り口調。どうみても完璧に不良！
……かに見えるのですが。実はそうでもなく。
ストーリーを進めると、実はスター団が元いじめられっ子達によって結成された学内の「反いじめ集団」であることが明らかになっていきます。ボスの1人であるメロコも元いじめ被害者であり、秀麗な容姿を妬まれた女生徒に詰られた事を気に病み不登校になっていたという過去が判明。その攻撃的なファッションや荒々しい性格も、原因をたどればいじめっ子に対する虚勢で、かつての彼女は思いやりのある心優しい真面目な生徒だったのです。現在のチーム内での評判である「何でも屋」というのも、彼女のそうした世話焼きな性格の優しさが根底にあるのであるとすれば納得です。
そうして、なんやかんやあってスター団の解散命令が撤回された後。本編クリア後に彼女は無事にアカデミーへ復学します。クラブ活動にも積極的に参加することを決め、選んだ部活は……なんと美術部。お気に入りのブーツを作ってくれたシュウメイの影響から美的センスに火がついたメロコは美術室の戸を叩きます。
しかし、不器用な性格の彼女は美術部員達に怖がられてしまい、うまく入部の話が切り出せません。困ったメロコは、同じくスター団のボスであるビワちゃんに付き添いできてもらうのですが……？ここでのやり取りもまた一見の価値アリ。
彼女たちの学生生活はメインストーリー完結後も展開されていますので、もうすでにゲームをクリアした、という方も今一度アカデミーへ戻ってみてはいかがでしょうか？
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