『ポケモンカードゲーム(ポケカ)』における汎用カード、「バトルVIPパス」が高騰。Twitterでトレンド入りするほど話題になっています。
昨今、その金額に注目される『ポケカ』ですが、高値が付くのはいわゆるレアカードが中心。「バトルVIPパス」のような、レアリティの低い汎用カードが高騰するのは珍しいケースです。なぜ、このようなことになっているのか。その背景を探ります。
◆序盤の展開をグッと楽にする!汎用カード「バトルVIPパス」とは

「バトルVIPパス」は、「最初の自分の番にしか使えない」という制限はあるものの、山札から好きなたねポケモンを2枚まで選んでベンチに出せるという強力な効果を持っています。基本的に『ポケカ』は、ポケモンを数多くベンチに展開するほど有利になるため、ゲーム最序盤に使えると非常に嬉しい一枚といえるでしょう。

また、次の番以降は使えないという制約があるものの、大抵のデッキに入る「ハイパーボール」のコストになったり、「キルリアの特性リファインで捨てる」「ロストゾーンに送る」等々の使い道が多々あったりするため、無駄になりません。
こういった背景もあり、「バトルVIPパス」は多くのデッキで採用される人気カードとなっています。
◆再録が期待されるも、収録は拡張パック「フュージョンアーツ」のみ

「バトルVIPパス」は、2021年9月24日発売の拡張パック「フュージョンアーツ」に収録。当時の相場は、1枚700円前後だったと記憶しています。その後、2022年12月発売のハイクラスパック「VSTARユニバース」にて再録が期待されましたが、カードリスト公開で「バトルVIPパス」が収録されないことが明らかに。
このタイミングから需要に供給が追いつかず、高騰傾向(1枚1,500円前後)になります。特に現在は「サーナイトex」を筆頭に2進化ポケモンが数多く登場しているため、より多くたねポケモンを並べる手段として「バトルVIPパス」が重宝されており、その傾向が強くなっていると考えられます。
上記理由から、「バトルVIPパス」については再録を求める声が多く上がっています。しかし『ポケカ』は毎年レギュレーション変更が行われており、例年通りであれば2024年の早い時期には「バトルVIPパス」を含む「E」レギュレーションのカードが、スタンダードレギュレーションから使えなくなる可能性が高いでしょう。
レギュレーション変更を考慮すると、残り約8ヶ月という短い期間しか使えない「バトルVIPパス」を何らかの形で再録することは難しいのではという見方が大半。つまり「需要はあれど再録は期待薄」という状況であり、汎用カードでありながら高騰が止まらないという事態になっているのです。
◆汎用カードが高騰するのは、プレイ人口が増えたからという見方も

これまでも『ポケカ』は、「バトルサーチャー」「カプ・テテフGX」「シロナ」「グズマ」といった一部の汎用カードが高騰し、話題になりました。こうしたケースは決して歓迎できないものですが、それだけ純粋なプレイ人口が増えているという見方もできます。
また転売問題により、『ポケカ』全体の適切な生産量をメーカー側が掴みにくくなっているという事情もあるかもしれません。
新シリーズにおいて「ネストボール」「ボウルタウン」といった、たねポケモンに繋がるカードが続々と追加されてはいるものの、大切な初動を支える「バトルVIPパス」の人気は、今しばらく続きそうです。