日本からも目が離せない中国ロリータ・ファッション市場の勢い!人気モデルやトレンド、注目ブランドを業界トップカメラマンに聞いた

中国最大級の同人イベント「上海CP」開催迫る!服飾ブランドが軒並み出展する中で、中国ロリータにスポットを当てました。

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日本からも目が離せない中国ロリータ・ファッション市場の勢い!人気モデルやトレンド、注目ブランドを業界トップカメラマンに聞いた
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中国最大級の同人イベント 「上海Comicup 29」が5月2日・3日の2日間、上海で開催されます。中国内の同人サークルから企業ブースまでが集結するイベントでは、全体の1/3を占める服飾系ブランドにも大きな注目は集まっています。中国ではロリータ服・JK服・漢服が若い女性の間で流行しており、ロリータ服やJK服はIPとのコラボアイテムも多く登場してきました。

とくに日本発のロリータ服は1980年代に原宿のストリートファッションとして生まれ、大きなリボンやレースにフリル、ふんわり膨らんだスカートが「お姫様」を連想させます。しかし、中国では中華風、ミリタリー、アイドル、メイドなどデザインが多様化して独自の文化を築きました。今では市場規模は日本を超えており、日本ブランドも多く進出しています。さらには逆輸入の形で中国ロリータ服を扱うセレクトショップが増え、創作衣装として着るコスプレイヤーも増加しています。

そんな中国ロリータ服を宣伝する上で欠かせないのが、中国のロリータ・ファッションモデル。まさに百花繚乱の美しさを放つ彼女達は「上海Comicup」を盛り上げたり、ブランド周知したりと大活躍で、若い女性にとってロールモデルとなりつつあります。

待ちに待った、「上海Comicup 29」開催直前に、中国におけるロリータ文化黎明期から最前線で宣材写真を撮り続けてきた写真家・睿瑶さんに2022年の中国ロリータ市場を振り返ってもらいつつ、2023年の動向をお聞きしました。


――2022年は何着撮影しましたか?ロケーションはどのあたりが多かったのでしょうか?

睿瑶:230件ほどです。撮影した場所は、上海や杭州がメインで、それ以外は東北や青島、大理にも行きました。

――2022年は「上海COMICUP」も開催中止になりました。他のイベントはどうだったのでしょう?

睿瑶:新型コロナウイルス感染症の影響で、大型のオフラインイベントの開催は非常に難しかったですね。ただ、11月下旬に杭州で開催された「中国国際動漫節」(CICAF)くらいですね。ただ、開催時は地元の方以外は入場条件が大変厳しかったです。

――2022年はどんなデザインが流行りましたか?印象に残っているものはありますか?

睿瑶:2022年は比較的シンプルなデザインですね。とくに「Ozz On Japan」の夏薔薇シリーズから始まって、ウエストスカートが流行っていました。それ以外では日常使いしやすいカジュアルなデザインが流行っていました。

――2022年の中国ロリータ・ファッション市場はどうでしょうか?

睿瑶:2022年もコロナ禍の影響が長引き、全てのブランドさんの売り上げが落ちています。しかし徐々に規制が緩和されているので、2023年の新作予約には反動がありそうですね。

――現在、中国で日本ブランドの知名度はどれくらいでしょうか?

睿瑶:日本ブランドの影響力は落ちています。大きな原因はコロナ禍による景気後退による消費の落ち込みでしょう。比較的高価でゴージャスな日本ブランドの売上は下がっています。ただし、現在の中国では個性的なOzz On Japanやピンクハウスのロリータ服がマーケティングに成功し、熱烈なファンを獲得しています。学生や若い人はおそらく中国ブランドからロリータ服に入門していますね。

――中国ではロリータモデルは増えましたか?期待の新人などいたら教えてください。

睿瑶:モデルは多少増えました。ただし、静止画では特別印象的な新人モデルは見かけません。コロナ禍による経済への打撃はあまりに大きく、カメラマンを起用しての宣材写真よりも、ギャラが安く済むモデルの自撮り写真がブランドに好まれたからです。TikTokなど動画で活躍するモデルでは、南北芝麻糊さんの影響力が高くなっていますね。

――中国ロリータ服の宣材写真で撮り方に変化はありましたか?

睿瑶:従来の撮影では、複数のモデルを使った多人数の併せ撮影が流行しました。比較的大きなブランドでは自社スタジオで撮影を行ったり、先進的な実写スタジオを使用したりすることも一般的です。

しかし近年は、スマートフォンやカメラを使って自撮りをするモデルが大きく増えました。顔を映さないで洋服だけを見せることもあります。より低コストであることがブランドに歓迎されるからです。

また、TikTokの流行によって、自撮り動画をするモデルも大きく増えました。

――中国ではどんな時にロリータ服を着ていくのでしょうか?

睿瑶:一般的に街道、ショッピング、パーティー、旅行、お茶会やアニメ・ゲームイベントなどに参加する時ですね。

――2022年でお気に入りの写真ベスト3を教えてください。

睿瑶:動きの一瞬を捉えた写真です。電車の中ではLEDライトを使って擬似的な照明演出をしました。場面とポージングのバランスに気をつけましたが、あくまでも自然な動きに見せています。

睿瑶:こちらは上海のロックダウンが解除された後に撮影した写真です。多くの人に評価され、特に大変だった時間が思い出されます。

睿瑶:モデルさんたちにまだ撮影を続けていると告げずに撮影した一枚です。談笑している様子が自然で非常に美しい写真です。

撮影:睿瑶爸爸

<睿瑶爸爸SNS情報>

《乃木章》

現場に足を運びたい 乃木章

フリーランスのライター・カメラマン。アニメ・ゲームを中心に、親和性のあるコスプレやロリータ・ファッションまで取材。主に中国市場を中心に取り上げています。

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