『グラブル』格ゲー最新作、『GBVSR』福原Dにインタビュー!バトルシステム大幅変更の狙いや、βテストを通した今後の調整方針を訊く

最新作『グランブルーファンタジー ヴァーサス』について、福原Dにインタビュー!

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『グラブル』格ゲー最新作、『GBVSR』福原Dにインタビュー!バトルシステム大幅変更の狙いや、βテストを通した今後の調整方針を訊く
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大人気スマートフォンアプリ『グランブルーファンタジー(以下、グラブル)』の世界観を、対戦格闘ゲームという新たなジャンルで表現した『グランブルーファンタジー ヴァーサス(以下、GBVS)』。その完成度は非常に高く、本家『グラブル』ファンはもちろん、これまで『グラブル』に触れてこなかった格ゲーマーをも巻き込んで、大きな盛り上がりを見せました。

そんな同シリーズの最新作となる、『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-(以下、GBVSR』が、2023年11月30日に全世界同時発売決定!インサイド編集部はCygamesにて行われたプレスイベントに参加し、クリエイティブディレクターである福原哲也氏にお話を伺いました。

なお同イベントでは、『グランブルーファンタジー リリンク』の紹介も。こちらについてはまた後日、別記事にてお届けします!

◆『グラブル』キャラを、格ゲーで爽快感たっぷりに表現!『GBVS』とは

まずは改めて、本シリーズをおさらい。『GBVS』は、美麗なグラフィック&迫力に満ちたサウンドと共に、『グラブル』キャラクターたちを爽快感たっぷりに操作できる対戦格闘ゲームです。

開発は『ギルティギア』『ブレイブルー』シリーズといった人気対戦格闘ゲームを数多く手掛けるアークシステムワークスが担当しているため、クオリティは随一。特に各キャラクターが持つ奥義(解放奥義)の演出は非常にド派手であり、どれも一見の価値アリです。

また、格闘ゲームを遊んだことがない『グラブル』ファンでもスムーズに遊べるよう、方向キーとアビリティボタンを同時に押すだけで固有の必殺技が簡単に出せるクイック入力も用意されています。

このクイック入力は、前作では従来の格闘ゲームのようなコマンドを必要とするテクニカル入力と比較して、アビリティ再使用までのクールタイムが長くなるというデメリットがありました。しかし『GBVSR』ではその差がなくなり、さらに設定次第で、テクニカル入力も無効にできます(もちろん、これまで通りテクニカル入力で遊ぶことも可能)。

『GBVSR』には新バトルシステムが追加されたほか、その美しさで注目を集めたグラフィックもさらにパワーアップ。登場キャラクターは前作24キャラのほか、新たに「アニラ」「ジークフリート」「ニーア」「グリームニル」が加わっています。

『GBVSR』ならではの物語が展開するストーリーモードは、全3部構成。前作分も全て収録されており、全編フルボイスという豪華仕様です。

対戦面に目を向けると、特に海外からの要望が大きかったというロールバックネットコード&クロスプレイに対応。孤独になりがちなプレイヤーを各キャラクターが応援・鼓舞・アドバイスしてくれる「パートナー」システムというユニークな機能も実装されました。

そして、前作で好評だったオンラインロビーも大幅進化!その舞台が広大な島に拡大したほか、大人数でワイワイ盛り上がれるパーティーゲーム「ぐらぶるレジェンドばとるっ!(ぐらばとっ!)」が追加されています。

『GBVSR』は製品版に加え、無料の「フリーエディション」も配信予定。そのプレイ範囲は「4キャラクター使用可能」「ストーリー第1部まで全てプレイ可能」等と一部に限られていますが、製品版と一緒にオンライン対戦や、ロビー上のミニゲーム「ぐらばとっ!」が楽しめる太っ腹っぷり。

「ゲーム自体は気になるけど、格ゲーはちょっと…」と悩んでいる方は、このフリーエディションから試してみるのも良いでしょう。

◆新作『GBVSR』は、奥義ゲージ周りのシステムがガラリと変化!

ここからは主に、前作からの違いを紹介。新作『GBVSR』は、前作で猛威をふるった「オーバーヘッドアタック」や、前作バージョン後期で追加された新アクション(タクティカルムーブやオーバードライブ)が軒並み削除されました。

そのぶん、特に奥義ゲージを消費してできるアクションが非常に増えています。一つずつ見ていきましょう。なおこの内容は7月に行われたβテストの仕様であり、今後変更される場合があります。

【奥義(解放奥義)】

奥義ゲージ100%を消費して、各キャラ固有の奥義(解放奥義)が放てるというもの。これは前作と全く同じです。『GBVSR』では後述する他のアクションでも奥義ゲージを消費するため、相対的に対戦で使用する機会は少なくなるでしょう。

その分、βテストでは全体的にダメージが高く設定されているようでした。相手に当てれば、前作以上に大きく体力を奪えます。

【アルティメットアビリティ】

前作のアビリティは、通常版とキャラクターの身体が黄色く光る強化版の2種類がありました。『GBVSR』では、そのさらに上をいく「アルティメットアビリティ」が登場。“アルティメット”の名に恥じない、トンデモ性能が持ち味です。

使用時には、奥義ゲージ50%を消費。無敵技などの一部を除き、相手に当てさえすれば消費ゲージの25%が戻ってくるため、割と気軽に打てそう。通常技からはキャンセルできず、主に立ち回りからぶっ放すor一部コンボに組み込むことが多いでしょう。

【レイジングストライク / レイジングチェイン】

※画像はオープンβテストにて撮影

前作の「オーバーヘッドアタック」に変わる、新たな崩し手段が「レイジングストライク」です。その性能は奥義ゲージ25%を消費し、相手をガードクラッシュ状態にして「ブレイブリーポイント(以下BP、詳細は後述)を1減少させるというもの。相手が画面端であれば、ここから容易にコンボが繋がります。

この「レイジングストライク」発動時、さらに奥義ゲージ25%消費で出せるのが「レイジングチェイン」。合計で奥義ゲージを50%消費しますが、画面中央でもコンボまで発展します。

βテストでは、このシステムが非常に強いという印象を受けました。相手に触ることさえできれば、そこからレイジングストライク( レイジングチェイン)で強引にコンボを決める…というのが勝ちパターンになっていた印象でした。

【ブレイブカウンター】

「ブレイブカウンター」は、相手の攻撃をガードしている時や、ガードクラッシュしてしまった時に出せる共通システム。いわゆる“ガーキャン”といわれるもので、相手の攻めを強制的に中断させられます。

しかし、発動には奥義ゲージ50%&BP1が必要と消費が重め。前述した「レイジングストライク」が消費25%なので、ガードクラッシュしているたびにブレイブカウンターを使うと、奥義ゲージが足りなくなります。

特にラウンド後半は、“奥義ゲージ50%未満で相手に触られたら、ガードクラッシュ狙われて詰み”なんて状況も頻発するため、使用タイミングは見計らいましょう。

以上が奥義ゲージに関わる共通システムです。端的に表現すると、“奥義ゲージ1つに、大ダメージを与える奥義、超強いアビリティ、ガード崩し、切り返しという4つの役割がある”といったところ。奥義ゲージの運用こそ、『GBVSR』を遊ぶうえでのキモと言えます。

奥義ゲージ以外の変更点は、ダッシュ状態から出せる「ダッシュ攻撃」や、連続攻撃の最終部分が下段or中段に派生できるようになった「新トリプルアタック」などが挙げられます。

※画像はオープンβテストにて撮影

また、これまでの説明に何度か出てきたBPについて。BPは互いにラウンド開始時に3つもっており、各ラウンドごとに回復。BPが0の状態で「レイジングストライク」を受けてしまうと、ガードクラッシュ時の硬直がより伸びます。

ここら辺の読み合いも楽しみたいところではあるものの、βテストではBPが尽きる前にラウンドが終了してしまうことがほとんど。システムにプレイヤーが慣れるまで、しばらく時間が必要なのかもしれません。

◆本作のクリエイティブディレクター、福原哲也氏にインタビュー!

βテスト後にあたる8月初旬、前述のプレスイベントにて本作のクリエイティブディレクター・福原哲也氏への合同インタビューを実施。各メディアからの質問に、福原氏が回答しています。

―本作を遊ぶうえで、『グラブル』の知識はどれくらい必要になりますか?

福原D:『GBVS』シリーズは『グラブル』を知らない方でも楽しめるよう意識はしています。ただ、シナリオやキャラクターの数が膨大なタイトルではあるので、どうしても原作を知っていただいたほうがより楽しめる部分は出てきます。

主人公とルリアがなぜ旅立ったのかといった冒頭だけでも押さえてもらえると色々と理解が深まりますので、そこを描いたアニメの第1~2話、合わせて40分ほどを見ていただけると嬉しいなと。それ以外は、ゲーム内で分かるようにしています。

※画像はオープンβテストにて撮影

―βテストについて、色々な反響がありました。改善したい部分や所感等あれば教えてください。

福原D:Webやフォームから送っていただいたご意見は全て見ています。まだ集計しきれていませんが、みなさん同じ方向性のことを言っていただいているのかなと感じており、アークシステムワークスさんのバトル班とも相談していきます。

なお、2回目のβテストを秋頃に予定しており、今回いただいた意見を鑑みつつ変える部分もあるかなと。基本的にはより多くの人に、シンプルで楽しいと思ってもらえるよう突き詰めていきます。

―前作からのフィードバックを得て対戦部分で注力した点や、オンラインロビーの拡張についてどんな狙いがあったのか教えてください。

福原D:前作はガードが強いというか、お互いが硬直状態になりやすいという印象があり、『GBVSR』ではより攻めが強く、何かしたら試合が動き、さらにもっと派手にしたいと考えていました。その方向性は我々Cygames側もアークシステムワークスさんも合致していて、そこを軸に色々システム面をリニューアルしています。ただ先日のβテストでは、主に前作からの変更部分などで様々なフィードバックをいただいたので、それを踏まえてどう調整していくか検討していきます。

オンラインロビーは、純粋に前作のロビーアバターなどが好評だったので、素直にパワーアップさせようと思いました。そこから格闘だけじゃなく、アバターを使ったパーティーバトルやサッカーなどができたらなと思い、広げています。あとは腹が立っても嬉しくても使えるような無言のコミュニケーションとして、ジャンプもできるようにしています。

―前作は格闘ゲームとして完全新規タイトルでありながら、多くの格ゲーファン・プロを巻き込み大きく盛り上がりました。さらに現状は他社タイトルの影響もあって、格ゲーというジャンル自体が勢いを増しています。『GBVSR』は現状をどのように見ているのか、またスタートダッシュを決めるためにどのような仕掛けを用意しているのか教えてください。

福原D:格闘ゲーム全体については、盛り上がっていて嬉しいですね。スタートダッシュの施策としては、製品版と一緒に遊べるフリーエディション版がその切っ掛けになればと思っています。新しい試みですし、いろんな方に触っていただく機会になるのではと考えています。

前作がシリーズ1作目でCygamesとしても開発のノウハウがそこまで多くなかったということもあって、タイトルを運用するうえで苦労したり想定してなかった問題が起きたりしていましたが、今回は長期の運用に耐えられるよう設計・開発しています。

やはり、格闘ゲームは長期で遊んでほしいジャンルですから、フリーエディション版を交えつつ、大会であったりコミュニティ向けのイベントだったりに挑戦していきたいです。

―Xbox版がない理由と、今後対応する予定があれば教えてください。

福原D:まずはプレイステーションとSteamに出すという形です。昨今、より多くの方に遊んでもらうためにXboxやニンテンドースイッチを含めた全ハードマルチプラットフォーム対応というタイトルも多くなってきていますので、常に考えるべき部分かなと思います。

―オンラインロビーのパーティーゲーム「ぐらばとっ!」について、報酬やランキングといった遊ぶモチベーションに繋がるものはありますか?

福原D:順位に応じて経験値がもらえ、一定レベルに達すると称号やゲーム内通貨、新しいロビーアバターといった報酬がもらえます。また、キャラクターごとのレベルもあり、対戦格闘を遊ぶたびにEXカラーや武器スキンが手に入ります。こういった報酬の要素は、「ぐらばとっ!」と格闘部分の両方に用意しています。

―前作からのデータ引き継ぎ等はありますか?また、前作の上位プレイヤーと本作からの新規プレイヤーの間にかなり実力の差がありますが、どのように区分けするのでしょう。

福原D:前作で貰えた特別な称号や大会参加で入手したEXカラー、バトルパスで入手した武器スキン/カラー、ストーリーの進行度は引き継ぎます。ストーリーの前作収録部分は、スキップできるようにもしています。

また『GBVSR』は新作となるため、オンラインでのランクは全員最初からです。ただゲームを始める際に「初心者ですか?」「格ゲーに自信がありますか?」といった設問があり、その回答に応じて初期段位が変わります。なのでここは正直に答えてほしいなと…。ランクマッチの仕組みもちょっとだけ変わるので、こちらは続報をお待ちください。

―『GBVSR』では前作に登場した24名に、新規4名を加えた全28名が初期参戦となります。キャラクターを選出する際に気をつけていること、性能やバランス取りの面で気をつけていることはなんでしょう?

福原D:キャラクター選出は、格闘ゲームとして全員並び立ったときのシルエットやバトルスタイルのバランス、原作の人気や立ち位置など考慮する要素が多く、毎回悩み抜いて決めています。『GBVSR』からは、原作人気をより重視するようにはしていますね。

バランスについては、コンセプトレベルでバトルスタイルとあわせて、「アニラ」ならシンプルな操作に加えて、特殊なジャンプができるというポイントを入れるようにしています。同様に「ジークフリート」なら、見た目通りリーチを生かして武器をブンブン振って豪快に戦う。「ニーア」なら他キャラ操作というか、格ゲーによくあるフォーマットをベースに波状攻撃を楽しめるようにするという形です。

―DLCによるキャラクター追加はどのように行われますか?また、自社ブランドのコラボとして、『プリコネ』や『シャドバ』キャラ参戦の可能性はありますか?

福原D:DLCについては、「キャラクターパス パート1」にて6キャラが追加されます。リリース時期なども既に決まっており、スケジュールに沿って順次お伝えしていきます。コラボは常に検討しています。確約はできませんが、期待していただいていいんじゃないかなと。

なおコラボキャラについては先日の「Anime Expo 2023」でも同じ質問を受けまして。「誰が来たら嬉しい?」と聞いたら、『グラブル』本編で前にコラボしたことのある作品の名前が一番よく聞こえまして…それは『GBVSR』でいきなりはちょっと厳しいなとは思いつつ、色々な要望があるのは認識しているので、基本的には添えるようにしたいです。

※画像はオープンβテストにて撮影

―今回からの主な要素として、新アクションが多数追加されましたが、どんな体験を作りたかったのか意図を教えてください。

福原D:まず、純粋に崩しの手段が多くなりすぎているという理由で、前作にあった「オーバーヘッドアタック」が消えました。それに置き換える形で「レイジングストライク」を追加し、“投げよりさらに強い”、“初心者でもボタン同時押しで出せて、ガードされても試合が動く”という考えを軸にしています。

ただ、βテストの反響を見ていると奥義ゲージの使い道が多すぎたかなという気もしています。奥義ゲージが50%ないとレイジングストライクに対処できないという部分が、「常に50%抱えておかないと押し切られる」「50%貯まるまでは動きづらい」といった状況につながり、逆に戦い方の幅を狭めてしまっていたため、ここは皆さんのフィードバックを踏まえて調整していければと考えています。

―最後に、発売を楽しみにしているファンに向けてコメントをお願いします。

福原D:いよいよ発売日が決まりました。前作のアップデートから期間をあけての再出発となりますが、普通のアップデートでは実現できないレベルで追加要素を盛り込み、新作として発売します。

前作を遊んでいただいた方には、より満足してもらえるようギリギリまで調整します。格闘ゲームというジャンル自体が今注目されていることもあり、特に格闘ゲームとコミュニティの関係は特別なものだと思っているので、前作以上に長期に渡って盛り上げていければと思っています。ぜひ、ご期待ください。

キャラクターはもちろん、コスチュームスキンも目玉になると思っています。前作からグラフィックが非常に好評をいただいている部分で、コスチュームが変わると華やかになり、全体的にパワーアップしています。前作を触ったことがない方でも、製品版と対戦できるフリー版を用意しているので、ぜひ手にとってもらえたらと思っています。

※画面は開発中のものです。

© Cygames, Inc. Developed by ARC SYSTEM WORKS


《ねんね太郎》

また、お会いしましたね ねんね太郎

ゲームセンターとテレホーダイが生み出す濁流に、満面の笑みで身投げした雑食系ゲーマー。油断すると余裕で半日は寝てしまうため、スヌーズ機能が欠かせない。ゲーム以外の趣味は、モノを捨てること。

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