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SONYのゲーミングギアブランドである「INZONE」ブランドにて、新たな製品が発表されています。本稿では、新たなヘッドセットである「INZONE H5」と「INZONE Buds」の製品詳細とインプレッションをお届けします。
ワイヤレスイヤホンに参入!ヘッドセットも軽量に
INZONEとは、ソニーが展開するゲーミングギアブランドです。「DESIGNED TO WIN」をテーマに掲げ、ソニーが他分野で培った技術を活かした製品でプレイヤーに寄り添い、プレイヤーが理想とするゲーミングギアを目指しています。
今回発表された製品のひとつめは、「INZONE H5」です。こちらは昨年7月に発売した「INZONE H7」の後継機となるモデルです。全面的な改善や進化が施されており、音質と快適性を両立した製品となっています。なお、このモデルの登場により、H7は生産完了状態となります。
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H7でも推されていた音質および立体音響はこの製品で進化・改善されています。オーディオ製品でも名高いソニーですが、そこで培った振動板形状を採用することで、高域再生能力と、ハイコンプライアンス化を実現。加えてハウジング上に設けられたダクトで低域再現を最適化し、低域から高域までゲーム内の幅広い音を余すことなく再生できるといいます。また、立体音響による正確な音の定位感も確保しており、方向や距離感を把握することが重要なFPSにおいて優位に立つことができます。
そして、H7でも定評のあった装着感の快適さも向上。全体の重さは325gから260gへと約65グラムの軽量化に成功しており、ヘッドバンド幅のスリム化やハウジングの小型化を実現します。一方で約20%の側圧軽減やH7と同等の耳あて部の空間確保も行われて締めつけ感が低減。安定性もしっかりとカバーしており、快適性が向上しています。
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マイク音質は高性能なワイヤレスイヤホン「WF-100XM5」にも採用されているAI学習によるノイズ除去技術を採用しており、5億個以上の音声データサンプルから機械学習することで環境音などの外音を抑え、クリアな音を実現します。
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接続方法は2.4GHz無線接続が引き続き採用されるものの、Bluetoothは3.5mm有線接続に変更。H7は無線オンリーでの接続でしたが、有線派のユーザーにも訴求できるものになります。これは、ワイヤレスと有線を両立してほしかったというユーザーのアンケートをもとに判断されたものであるといいます。
発売日は10月27日を予定しており、ホワイトとブラックの2色が展開予定。価格は2万5,000円前後を予定しています。
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続いては、ワイヤレスイヤホン「INZONE Buds」です。1万円以上のゲーミング完全ワイヤレス製品市場は2021年度以降拡大傾向にあり、INZONEとしても参入する形となります。業界最長バッテリーライフのゲーミングイヤホンとなっており、性能としてもコアゲーマーが満足できるものを目指して設計されました。
ドライバーは「WF-1000XM5」同様のソニー独自開発8.4mm「ダイナミックドライバーX」を採用しており、従来のワイヤレスイヤホンでは弱かった音の定位・微細音を捉える能力を克服。INZONEヘッドセット並の音質を再現しています。ソニー「1000X」シリーズで定評のあるノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能を搭載しており、屋内ノイズを低減することで音が重要なゲームでも集中してプレイできます。
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INZONE H9に搭載されていた立体音響や外耳の撮影による個人最適化機能に加え、内耳の形による音の最適化も行うことができるため、人それぞれに適した聞こえ方の補正を行います。
接続方式はUSB Type-Cトランシーバーを使用した通信遅延30ms未満の2.4GHzワイヤレス接続と次世代Bluetooth規格・LE Audioに対応しており、PCからスマホ、PS5まで幅広いデバイスに接続できます。
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バッテリーの持ちの長さもひとつの目玉。USBトランシーバー使用時はノイキャンオフで本体バッテリー12時間+充電ケースに12時間、オンのときは11時間+11時間チャージできます。加えてBluetooth LE Audio使用時にはノイキャンオフで24時間+24時間、オンのときは18時間+18時間と長時間駆動します。
長時間の装着性にも着目し、耳内部のデバイスレイアウトは最小限に。3ピース構造を採用することであえて外側にデバイスをレイアウトし、耳株、対株などの凹凸を避けるようにくぼみも追加。耳に引っ掛けるような装着感で圧迫感を減らしています。
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ワイヤレスイヤホンはものによっては取り付け時、ポジション修正時などにタッチセンサーを意図せず押してしまい、音楽が止まってしまう……といったトラブルが起きがちですが、外側に大きく本体が取られている上、タッチ面周囲にエッジ感が設けられており、見えない状態でも誤操作を軽減できます。
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ケースからも取り出しやすいように設計されており、三角形を切り出したようなデザインに。それぞれのパーツに磁石吸着による着脱方式を採用したほか、USBトランシーバーはケースのベース面から段差を設けており、つまんで取り出しやすいようになっています。
発売日は10月27日を予定しており、こちらもホワイトとブラックの2色が展開予定。価格は3万円前後を予定しています。
両製品を試用!H5は音の定位感が抜群、Budsはゲーム用の選択肢として大アリ
ここからは、両製品を試用した際のレポートをお届けします。
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INZONE H5を試用してみると、つけ心地が軽いことに驚きます。筆者は頭が大きいのでヘッドセットの締めつけ感にはよく悩まされるのですが、H5は圧迫感がなく好印象です。その上頭を振っても落ちるどころかズレも起きにくく、しっかりとした安定性も備わっています。
FPS/TPSのゲーム映像を利用した音響具合も確認できましたが、360度どこから足音がしてもくっきりと位置がわかる定位感が素晴らしく、足音と銃声の聞き分けもできます。一般的なヘッドセットはヘッドセット全体でなんとなくの方向を掴むようなイメージですが、本製品は方向に応じてくっきりと音声が分かれているので、位置把握能力は抜群。シューターの立ち回りにおいて優位に立てることは間違いなさそうだと感じました。
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INZONE Budsは、ゲーミング用とはいえワイヤレスイヤホン。正直にいえばワイヤレスイヤホンをゲーミング用途に使うイメージはありませんでしたが、結論としてはたしかに選択肢のひとつとして「アリ」だと感じました。
ふたたびゲーム映像を利用して確認してみたところ、H5よりは少しだけもやのかかった音声ではあるものの、確かな定位感があり、方向を把握できます。何よりヘッドセットより圧倒的に軽いのは大きな利点であり、ヘッドセットが苦手なユーザーは、充分に検討する価値があると思います。タッチパネルの誤操作が圧倒的に少ないのも素晴らしく、ゲームプレイ時から移動時の音楽まで様々な場面で活躍してくれそうです。
驚いたのは、INZONEのソフトウェアを利用することで最適なイヤーピースを判定してくれる機能があること。どのイヤーピースがぴったりなのかはよく悩み、しっくりくるまでに時間がかかりますが、ソフトウェアがデータに基づいてオススメしてくれるため迷わず選ぶことができます。
今回ご紹介した製品の発売に際して、10月30日にFnaticの選手を招いたイベントが開催予定。オフラインではメディアやインフルエンサーのみ入場できますが、一般向けにオンライン中継も行われます。選手への質問コーナーやエキシビションマッチも行われます。10月11日からは、ソニーストアにて今回紹介した2製品の先行体験が可能となっており、抽選でFnaticのユニフォームが当たるキャンペーンも行われます。
また、「INZONEでPlayStationを楽しもう!」キャンペーンも10月11日から2024年1月16日まで開催予定。期間中に対象商品を購入し、応募手続きを行うことで最大6,000円分のPS Storeチケットのコード番号がプレゼントされます。以上のキャンペーンについては、INZONEの公式サイトをご覧ください。