服のすそを中に入れたらスカートが広がった!着せ替えコミュニケーションゲーム『ファッションドリーマー』の徹底したこだわり【プレイレポ】

『ガールズモード』シリーズで知られるシンソフィアの新作『ファッションドリーマー』。その徹底したこだわりをご紹介します。

ゲーム プレイレポート
『ファッションドリーマー』
『ファッションドリーマー』 全 15 枚 拡大写真

2023年11月2日、ニンテンドースイッチ向けにマーベラスより発売された『ファッションドリーマー』は、ファッションを通じてプレイヤー同士がコミュニケーションを楽しむゲームです。開発にあたったのはこのジャンルの人気作『ガールズモード』シリーズで知られるシンソフィア。同シリーズは驚くほど細かいところまで作り込まれているのが特徴ですが、はたして本作はどうなのでしょうか。

筆者は発売に先駆けて本作をプレイする機会に恵まれました。本稿では、実際にプレイして「こんなところにまでこだわっているのか!」と驚いたポイントをピックアップしてお届けします。詳しいゲーム内容は別の記事で紹介しているので、そちらもあわせてお読みください。



【おことわり】
本来発売日に掲載すべきところでしたが、編集部の不手際で大分遅れての掲載となってしまいました。情報鮮度にかける部分もあるかと思いますが、あくまで発売前の限られた時間での事前プレイの模様をまとめたものということでご理解いただければ幸いです。


こだわりポイントその1:アバター

ゲームを開始して最初に行うのは自分の分身となるアバターの作成です。ちなみに、本作ではアバターのことをミューズと呼んでいます。

本作はファッションがテーマだけあって、アバターを作る際に設定できる項目は全部で19種類。しかも、それぞれの項目には驚くほど幅広い選択肢が用意されています。例えば、最初から選べる髪型は84種類、ヘアカラーは40種類、リップカラーは43種類もあり、そのすべてに別々の名前がつけられているこだわりようです。

画面に映っているのは選べるリップカラーのごく一部。そのすべてに名前がついている。

アバターは最初に一度作成して終わりではなく、ゲーム中いつでも何度でも気軽に変更できます。出会った他のアバターのスタイルが気に入ったら、欲しい要素だけをそのまま自分のアバターに移し替えることも可能です。

アバターは好きなだけ変更できる。他のアバターのスタイルを部分的にコピーするのも簡単。

さらに、アバターのアレンジを提案してくれるアドバイザーまで用意されています。このアレンジはタッチアップと呼ばれ、気に入った提案があればワンタッチで自分のアバターに反映することもできるのです。アドバイザーは複数いて、それぞれに提案内容が違います。

アバターをアレンジしてくれるアドバイザーも登場。同時に複数のアレンジが提案される。

こだわりポイントその2:コーディネート

本作の基本はアバターに着せる服のコーディネートですが、その作り込みの細かさには驚きを禁じえません。ちなみに、本作ではコーディネートのことをルカットと呼んでいます。

服の重ね着ができるのは序の口で、履く靴の高さによって見た目の身長まで変わります。例えば、ハイヒールを履けば靴のかかとの分だけアバターの背が高くなるのです。

厚底の靴やかかとの高い靴を履くと、それだけ見た目の身長が高くなる。

さらに、本作では自分のスタイルに合わせて、トップスのすそを外に出すか、ボトムスの中に入れるかどうかまで選べます。なんというこだわりでしょうか。

トップスのすそをスカートの中に入れた状態。スカートはふわりと広がっている。

極めつけのこだわりは、トップスのすそを外に出すか中に入れるかでスカートの広がり具合が変わることです。なにを言っているのかわからないと思いますが、筆者も最初はなにが起きているのかわかりませんでした。

まずは、一つ前の画像と次の画像の画面中央にいるアバターをよく見比べてください。上の画像はトップスのすそを中に入れた状態、下の画像は外に出した状態です。スカートの広がりが微妙に違うのがわかるでしょうか。こんなところまで作り込まれているとは驚きです。

トップスのすそをスカートの外に出した状態。スカートが広がり具合の変化がわかるだろうか。

実は、スカートの広がり具合は服を重ね着しても変わることがあります。ここまで作り込んであると、ゲームを開発するのにとてつもない手間がかかるのではないかと心配になるほどです。

こだわりポイントその3:アイテム作成

本作には服や帽子といったファッションアイテムを自作する機能があります。アイテムの形は固定ですが、各部分の色を自由に指定することで自分だけのオリジナルアイテムが生み出せるのです。作成したアイテムはオンラインプレイを通じて他のプレイヤーと共有できます。

自由に色を指定できると言っても、どんな組み合わせにすれば良いのか迷ってしまう方も少なくないのではないでしょうか。なにを隠そう筆者もその一人です。しかし、本作にはあらかじめバランスの良い配色パターンが何通りも用意されているので、その中から色を組み合わせれば自然と見栄えの良いアイテムができあがります。さらに、自分が選んだ配色パターンの中から自動で色を割り当ててくれる便利な機能まで用意されています。

配色のパターンはゲームの進行とともにどんどん追加されていく。

逆に、こだわりのある方は色のパラメーターを細かく指定できるモードで、とことんオリジナリティを追求することもできます。こちらにも自動で最適な色を提案してくれる便利な機能が用意されていて、プレイヤーの創造性をサポートしたいという深いこだわりが感じられました。

3種類のパラメーターを操作して色を細かく調整することも可能。

自作アイテムには自分だけのロゴをつけることができます。ロゴは3層のレイヤーに背景やパターンを割り当ててデザインしていきますが、あらかじめ用意されているパターンの数はなんと1,000種類以上……!あまりの多さに筆者は途中で数えるのをあきらめました。

これだけ種類があれば、世界に一つだけのロゴをデザインするのも簡単。

こだわりポイントその4:スクリーンショット

本作にはスクリーンショットの撮影機能が2種類あります。個室で撮影するいわゆるプリクラに似た機能と、屋外で撮影する構図の自由度が高い機能です。前者は「フォトエッグ」と呼ばれ、後者は「ドローンカメラ」と呼ばれています。

個室で撮影する機能では、背景やポーズが変えられるのはもちろんのこと、画像に特殊効果を加えるフィルター機能や焦点を変えて遠近感を出すぼかし機能、さらにはアバターにカメラ目線を指示する機能までが用意されています。ポーズは最初から選べるものだけで50種類以上あり、ゲームが進むにつれてさらに数が増えていくようです。撮影後には、これまた豊富に用意されたステッカーや落書きで撮影した画像を装飾できます。

撮影したスクリーンショットは自動的にニンテンドースイッチ本体のアルバムに保存される。

屋外で撮影する機能では、これまでの機能に加えてカメラの位置や角度といった構図が自由に選択可能です。ここでもサポート機能が充実していて、おまかせボタンを押すと自動的にポーズを選んで適度にカメラを傾けた映える構図を用意してくれます。おまかせボタンを押すたびに違う構図が提案されるので、何度かボタンを押して気に入った絵になったところでシャッターを切れば、手軽に見映えの良いスクリーンショットが撮影できます。

おまかせするだけで映える構図を自動的に提案してくれる機能は本当に便利。

さらに驚いたのは、自分のコーディネートやスクリーンショットが自動的に投稿されるゲーム内SNS「イヴログ」です。投稿が自動的に行われるだけでなく、なんと投稿内容にぴったりのハッシュタグまで自動で追加してくれるのです。例えば、アバターの帽子を着替えてオレンジ色の服で揃えたコーディネートでスクリーンショットを撮影したところ、「#おニューのぼうし #オレンジにしてみた」というハッシュタグが自動的に追加されました。恐ろしいまでのこだわりです。

画面の左側がイヴログ。コーディネートやスクリーンショットの投稿を通じてフォロワーが増えていく。

こだわりポイントその5:ショールーム

本作では、自分のコーディネートやファッションアイテムを展示するショールームを作成して他のプレイヤーに公開できます。

ショールームは一つの部屋のようなもので、自由に家具をレイアウトしたり壁や床を取り替えたりして模様替えが楽しめます。家具は最初から用意されているものだけで80種類以上あり、さらにゲーム内のポイントを消費して購入することも可能です。

最初から用意されている家具を並べるだけでもそれなりの見映えに。

家具の中にはマネキンも含まれていて、アバターと同じように自分のアイテムを好きなコーディネートで着せることができます。また、家具は1マスの半分単位で細かく配置できますし、台座のような家具には上にものが置けます。さらに、ショールームにはBGMを流すことまで可能です。

ポイントで購入できる家具の種類も豊富。家具には天井に設置できるものもある。

このように『ファッションドリーマー』は開発者のこだわりが詰まった、細かいところまで丁寧に作り込まれた作品です。発売前のプレイということで今回は確認できませんでしたが、オンラインプレイにもまだまだ同じようなこだわりポイントがありそうです。気になった方はぜひ実際にプレイしてお確かめください。


ファッションドリーマー|オンラインコード版
¥6,578
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《FUN》

遊ぶより創る時間の方が長いかも FUN

元ゲームプログラマー。得意分野はストラテジーゲーム。ゲームライターとして活動する傍ら、Modの制作や有志日本語化に携わっています。代表作は『Crusader Kings III』の戦国Mod「Shogunate」。

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