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いよいよ奇跡のグランドフィナーレまで残り約1ヶ月となったスマートフォン向けアプリ『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』。1月31日14時のサービス終了と同時に発表されたオフライン版リリースも決定してはいますが、やはり寂しさを覚えている適合者も少なくないことでしょう。
今回、ステージの閉幕を前に今一度あらためてその6年半の軌跡を振り返ってみたいと思います。
■シンフォニックバトルRPG『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』とは
『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』(ブシロード、キングポーン/ポケラボ)は、2017年6月26日にリリースされたスマートフォン用ゲームアプリです。大人気TVアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズを原作とした、シンフォニックバトルRPGと銘打たれており、原作のストーリーを本編さながらの迫力で追体験することができます。
基本的には原作を再現したストーリーが進行するのですが、本作にはアニメ各シーズンを繋ぐ「3.5」や「4.5」といった本編の補完的ストーリーも収録。さらに、本編から分岐したIFのストーリーを描くイベントシナリオなどもあり、ファンにはたまらない要素が満載でした。
戦闘は、スキル発動以外はオート進行となるリアルタイムシミュレーション方式。原作でおなじみの必殺技を再現したド派手な演出も魅力で、原作さながらに歌って戦う装者達のバトルを楽しむことができました。楽曲は各装者の専用曲はもちろん、シリーズの各主題歌や本作のために書き下ろされた楽曲も多数収録。ゲームオリジナル楽曲は本編とは別にCDアルバム化もされており、リリースの度に描かれた特殊なジャケットイラストも人気を博していました。
ストーリーモード以外にも、プレイヤー同士でランキングを競い合うバトルアリーナや、チャレンジカップ、剛敵イベントなど、度重なるアップデートで搭載された多数のコンテンツが用意されていました。
■IFストーリーとギャラルホルン
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本作のシナリオに収録されているIFストーリー。要所々々で挿入されているので一見複雑なのですが、基本的に本筋はアニメ3期である「GX」まで同一の歴史を辿ります。しかし、この魔法少女事変後にストーリーが分岐。本作を象徴付けるアイテムである「ギャラルホルン」を中心とした物語が展開していきます。
ギャラルホルンは劇中のキーパーソンである櫻井了子によって発掘された完全聖遺物。発見時には既に起動状態であり、その特性は「並行世界をこちらの世界と繋ぐ」というものでした。並行世界とは「こぼれ落ちた可能性の世界」のこと。IFストーリーを紡ぐものとしてはこれ以上にないアイテムなのです。
そんなギャラルホルンが最初に繋いだのは、「天羽奏ではなく風鳴翼が死んだ世界」。アニメ1期1話の冒頭で死亡したキャラクターがもし生きていたら?という、あり得たかもしれないストーリー展開を並行世界として描いたのです。適合者として、これはもう涙なしには読み進められないシナリオでした。この他にも、本作にはアニメ本編とは違った可能性のストーリーが無数に存在。数多の並行世界の消滅危機を救うというオリジナルシナリオを軸に、さまざまな装者の姿が描かれました。
こうした本作のオリジナルストーリーは、ギャラルホルン編以外にも存在。本編とは性格や姿がまるで違う「並行世界の装者」にまつわるLOST SONG編など、アニメとはまた違ったスケールの壮大なストーリーが楽しめました。
ちなみに、数多の並行世界の中には「シンフォギアシステムが実用化されなかった世界」という、番組タイトルまでひっくり返すようなIFストーリーも存在しました。こちらはイベントシナリオ「竜姫咆哮メックヴァラヌス」として、主人公の友人である安藤創世、寺島詩織、板場弓美が変身して戦うというなんとも驚きのストーリーが展開。新収録された専用曲「友達以上、ヒーロー未満」がなんともまたカッコいいのです、これが。
■コラボイベントも満載
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こうして、シンフォギアの世界観を拡張してきたギャラルホルンの「並行世界をつなぐ」という性質。この世界をつなげる手は、次第にその外へと向かうようになっていきました。そう……他作品コラボです。
御存知の通り、『シンフォギアXDU』はさまざまな別タイトルとコラボを展開していました。設定的にはコラボ先の作品世界とシンフォギアの世界がギャラルホルンによって繋がった、という形です。ソシャゲによくある別作品とのコラボイベントでしょ?とお思いの方も、いらっしゃるかもしれません。が、侮るなかれ。本作のコラボ群はとにかく異質なのです。
『戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED』コラボ作品リスト
バンドリ! ガールズバンドパーティ!
進撃の巨人
テイルズオブシンフォニア
魔進戦隊キラメイジャー
少女☆歌劇 レヴュースタァライト
聖闘士星矢
ガメラ
ゴジラ
ULTRAMAN
アサルトリリィ BOUQUET
結城友奈は勇者である
SSSS.DYNAZENON
SSSS.GRIDMAN
魔法少女リリカルなのは
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
スターダム
グリッドマン ユニバース
仮面ライダー555
戦う女の子アニメである「リリカルなのは」や「ゆゆゆ」などシンフォギアとの共通点を見いだせる作品から、「仮面ライダー」や「スーパー戦隊」、「ゴジラ」といった特撮作品、往年の名作ゲームに実在のプロレス団体……などなど、ちょっと幅が広すぎます。
なんかこう、ロボットに乗らない『スーパーロボット大戦』感というか、とにかく節操なく好きなものをコラボさせた!感があります。あるのですが、そのコラボシナリオの質がとにかく高いことも相まって、妙に納得感があるのです。これはやってみないことにはどうしても伝えづらいのが惜しいところ。
特に「ガメラ」コラボなんかはかなり評判が高く、「なぜ平成ガメラの完結編がシンフォギアでやっているんだ」と困惑の声があがるほどでした。これらの評価はひとえに、コラボ先のファンを唸らせるほどに原作への理解度が高いシナリオのおかげだったように思います。なにせ、「仮面ライダー555」コラボシナリオの脚本に井上敏樹氏を呼んでくる拘りようなもので……。おみそれいたしました。
■次なるステージは
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数多の並行世界としてIFストーリーを展開してきた「ギャラルホルン」の存在。そのおかげで、原作では見られなかった登場キャラクターの一面から、破天荒な作品群とのコラボなど、さまざまな「シンフォギア」を見せてくれた『XDU』もそろそろ閉幕の時間です。今後、オフライン版のリリースがあるとはいえ、やはり新たな可能性が見られなくなるというのは寂しさが募ります。
しかし、まだ「シンフォギア」という作品自体が終わったわけではありません。新たに制作が発表された劇場版、そして「PROJECT SYMPHOGEAR -next-」。まだまだ戦姫たちの歌は紡がれていきます。進むこと以外に、答えなんてあるわけがないのですから。
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