VTuber・天開司、誹謗中傷のIPアドレス開示に成功するも裁判に進めず…現行制度とSNS企業の対応に苦言

IPアドレス開示請求に成功するも、アクセスプロバイダのログ保存期間を過ぎていたことにより、訴訟や示談などに進むことができなかったと報告しています。

配信者 VTuber
VTuber・天開司、誹謗中傷のIPアドレス開示に成功するも裁判に進めず…現行制度とSNS企業の対応に苦言
VTuber・天開司、誹謗中傷のIPアドレス開示に成功するも裁判に進めず…現行制度とSNS企業の対応に苦言 全 3 枚 拡大写真

VTuberの天開司さんが、自身への誹謗中傷に対するIPアドレス開示請求に成功するも、アクセスプロバイダのログ保存期間を過ぎていたことにより、訴訟や示談などに進むことができずに結果として失敗したことをYouTubeチャンネルで報告しています。

◆アクセスログの保存期間を過ぎてしまう

天開司さんは事務所などに所属していない、いわゆる個人勢VTuberのひとりでありながら、オンライン麻雀ゲーム『雀魂』を用いた、プロ雀士とストリーマーによる「神域リーグ」や、『実況パワフルプロ野球』のサクセスモードを採用した大会「VTuber甲子園」を主催するなど、さまざまな活動を精力的に行っています。

今回の動画によると、昨年の「神域リーグ」開催時期に天開司さんを誹謗中傷するアカウントが出現。2ヶ月以上にわたって投稿が続いていたとのこと。6月から始まった誹謗中傷に対し、7月末に弁護士に相談を開始、裁判所に申し立てが受理されたのが8月末でした。

開示請求は認められ、コンテンツプロバイダ(SNSや掲示板などのプラットフォーム提供者)への発信者情報開示請求が実施されるかと思いきや、裁判所の発令からIPアドレスの開示に1ヶ月かかったとのこと。天開司さんは「誰でも聞いたことのあるSNS企業の対応ですよ、ふざけるな」と憤りをみせています。

これでようやく、書き込んだ者が本人であると証明する裁判に移行する…と思いきやここでも大きな落とし穴が。アクセスプロバイダ(インターネットサービスを提供する事業者)のログ保存期間が3ヶ月であり、IPアドレスの開示まで1ヶ月かかったことから、訴訟や示談に進めなかったのです。

なお、2022年10月に施行された新たなプロバイダ責任制限法では、発信者情報開示における新たな裁判手続(非訟手続)が設けられるなどの改正が行われましたが、今回のケースでは必要以上に時間がかかってしまう可能性があるとして担当弁護士が避けたとしています。


動画の最後では「誹謗中傷対策はまだまだ足りていない」と制度の改善を求める一方で、今後も誹謗中傷、名誉毀損行為に対し法的措置を講じていく意思を示しています。


《Okano》

「最高の妥協点で会おう」 Okano

東京在住ゲームメディアライター。プレイレポート・レビュー・コラム・イベント取材・インタビューなどを中心に、コンソールゲーム・PCゲーム・eスポーツについて書きます。好きなモノは『MGS2』と『BF3』と「Official髭男dism」。嫌いなものは湿気とマッチングアプリ。

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