3月23日と24日の2日間、東京ビッグサイトで世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2024」が開催。2日間の総来場者数は前年比132%となる13万2557人の来場者がありました。
キャッチコピーの「アニメ、新時代。」にふさわしく、春から放送される新アニメを中心に過去最大規模となる、のべ110の出展社による出展ブース、全44プログラムを実施したAJステージ、5年ぶりの復活となったプロダクションワークスギャラリー、ファミリーアニメフェスタ、毎年恒例のコスプレイヤーズワールドから新企画のクリエイションステージなど、盛りだくさんの展開でした。
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同イベントには、中東地域におけるコンテンツ制作業界のパイオニアであるサウジアラビアのアニメ制作・配給会社マンガプロダクションズが出展。同社は2017年から日本のアニメ・ゲーム会社とコンテンツの共同制作を行う傍ら、サウジの若者達にコンテンツのスタートから完成までの過程を勉強・体得させるインターンシップを組んでいます。
日本企業でコンテンツ制作のノウハウを勉強することで、サウジの若者は将来コンテンツ制作に携わる機会が生まれました。2019年に開催された「サウジアラビア・コンテンツセミナー」において、CEOブカーリ・イサム氏は、「サウジは今まで石油の発掘・貿易を中心としてきましたが、今後国を強くするにはメディア・教育分野が欠かせません。ミスク財団の主な目的は若者の人材育成ですが、この一環としてマンガプロダクションズも活動しています。私の夢は30年後に日本人から『サウジアラビアのアニメが好きだ』と聞けるようになることです。」と述べています。
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サウジアラビアマンガプロダクションズのブースでは、東映アニメーション株式会社と共同制作した長編アニメ映画「ジャーニー」、ダイナミック企画株式会社とIPライセンスに関する戦略的パートナーシップを契約して新アニメシリーズとして復活させ、同社が世界中に配信をする『グレンダイザーU』、2023年に中東地域での放映権を獲得した「キャプテン翼」「キャプテン翼ジュニアユース編」などの展示をしていました。
キャプテン翼に関しては、サッカー漫画「キャプテン翼」の主人公・大空翼が所属するチームと同名の葛飾区および東京都全域をホームタウンとするサッカークラブ「南葛SC」とも、外資系企業として初のユニフォームパートナーを結んでいます。
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放映権を獲得するだけでなく、日本アニメへのリスペクトはもちろん、技術習得、文化や背景など根深いところからアニメ制作を学ぼうという姿勢が感じられました。今後は日本の名作が中東から世界に配信されることはもっと増えそうですし、日本のクリエイターにとっての活躍の場にもなるかもしれません。