MyDearestより、『8番出口VR』を発売しました。本作はその名の通りコタケクリエイト氏が制作した人気作『8番出口』をVRゲーム化したもの。多くの人が「VRに向いてそう!」と思っていそうな『8番出口』ですが、実際にVR化してどうなったのかをお届けしていきます。なお、本記事ではMyDearestより提供された先行プレイ版を用いています。
しかし8番出口は非常にネタバレと相性の悪いゲーム……あまりに詳細をレポしすぎれば読者のゲーム体験を損なってしまう危険性がありますし、VRということもスクリーンショットでは伝わりづらい。

それではどうすればいいかというところで、編集者が放り出したアイデアは「VRしてるおっさんを外から撮ろう!」とのこと。なるほど、それならネタバレにはなりません! ふざけんなよ!

かくして、Game*Spark編集部の会議室を使って『8番出口VR』プレイがスタート! 時々「VRをプレイするおっさん」というひたすら虚無な異変を挟みつつ、VRならではの魅力を新たにまとった本作を体感してきました。
◆『8番出口』は想像以上にVRと親和性あり!既プレイでも楽しめる一作だった

さて、プレイを始めるとあの“見慣れた通路”に戻ってきました! そもそもが日常生活でよく見る地下通路を再現したことも話題となった作品です。異変がなくても、リアルなウォーキングシミュレーターのよう。

『8番出口VR』をプレイしてみると、「想像以上にVRと親和性が高い!」と驚かされます。まず、今まであまり拡大して見られなかった部分も簡単に覗き込めるため、非常に楽しい。さらには「首を動かす」という行為ひとつとってもVRならではの“身体的行動”が発生するため、全身を使っての異変探しは新鮮な緊張感をもたらしてくれます。

思わずVRということを忘れ、編集者に「あ、ここおかしいですよ!」と会議室の床を指して虚無の報告をしてしまうほどに没入感は高め。異変を発見したときのテンションはさらに増しますし、逆に見逃した時の「え?ちゃんと見たのに!」感も割り増しです!

実際に視線を向け指さし確認し、「異変無し!ヨシ!」しているのですから“見ていたはずなの気付けない”が肉体的な見落としにまで昇華されているのです。

もちろん見てすぐにわかる異変は、普通にプレッシャー。筆者は「ゲームオーバーも体感せねば」と、スーツ姿のふたり組にあえて接近し「久しぶりやなぁ~!」と肩に手を置いてみました。しかしその後にどういう異変が来るのかまでは覚えていなかったため、普通に叫ぶはめに。これはたとえ覚えていたとしてもぎょっとする要素でしょう!


そして『8番』シリーズで忘れられないのはあの“おじさん”。おじさんともっと近い距離感で接することができると喜び勇んでタッチしに行くとまさかの新モーションが! 派手なモーションではなく、“異変寄り”なおじさんの硬派なイメージが崩れるものでもないのですが、アンタッチャブル気味だった彼にひたすらちょっかいをかけられます。

『8番出口VR』ではおじさんの新モーションだけではなく、従来になかった異変も追加されています。ここではどちらも紹介しませんが、ぶっちゃけ気付けなかったのでネタバレもできません。本稿に掲載されているスクリーンショットには新しい異変は映っていない(らしい)のでご安心を!
今回、VR化を手がけたのはVRゲームでクオリティの高い作品を出し続けているMyDearestとあって、VRにあたって画質が落ちるということはなく、むしろ細かいところまで覗けて世界の解像度が上がっています。
VRに適しているという点でもうひとつ上げたいことは、『8番出口』がプレイ想定時間30分とあって、そこまで長い作品ではない点。派手なアクションも楽しいですが、VRで疲れる前にサクッと遊びたい人にはうってつけです。筆者は既プレイとあって(確実にVR版新規要素は見逃したものの)15分程度でクリアできました。

すでにプレイしたことがある方も、気になっていたけどやったことがないという方も、没入感が増し、新たな要素まで追加された『8版出口VR』を楽しんでみてはどうでしょうか?
『8版出口VR』はMeta Quest 2/Meta Quest 3/Meta Quest Pro向けに7月12日より発売中です。