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7月11日(木)より、人気を博した『ポケモンメザスタ』の後継機となるキッズアミューズメントマシン『ポケモンフレンダ』が全国で稼動開始となりました。
前作『ポケモンメザスタ』の楽しさはそのままに、タッチパネルによる新鮮で直感的な操作や、デザインが一新され、よりポケモンの魅力を感じられる「フレンダピック」など、新たな魅力が加わっています。
そんな『ポケモンフレンダ』は、どのような思いで作られたのでしょうか? 本作を共同開発で手がけるマーベラスの大林武尊氏(ゲーム事業本部 アミューズメント事業部 AM開発部マネージャー)と、タカラトミーアーツの杉山拓朗氏(アミューズメント事業部 プロデュース1部 企画課課長)にお話をうかがいました。
『ポケモンメザスタ』の楽しさはそのままに正統進化!
――まずはお二人の自己紹介をお願いします。
大林武尊氏(以下、大林)前作の『ポケモンメザスタ』に続き、『ポケモンフレンダ』でもディレクターを務めているマーベラスの大林です。具体的には筐体の開発、フレンダピックの開発、ゲーム部分の開発全般を担当しています。
杉山拓朗氏(以下、杉山)タカラトミーアーツの杉山です。『ポケモンフレンダ』の運営やプロモーションを担当しています。
――『ポケモンフレンダ』の企画はいつ頃から動き始めたのでしょうか。
大林『ポケモンメザスタ』スーパータッグ5弾の頃でしたので、もう2年以上前ですね。
※編注:『ポケモンメザスタ』スーパータッグ5弾は2022年4月稼動開始。
『ポケモンメザスタ』がご好評をいただいていたので、正当進化させつつ「タッチパネル採用」という新要素を取り入れ、より多くの方に楽しんでいただけるタイトルを目指すというところからスタートしました。
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タッチパネルに触れる「センス・オブ・ワンダー」を大切に
――『ポケモンフレンダ』でタッチパネルを採用した狙いを教えてください。
大林私には4歳と2歳の子どもがいますが、もうスマホを操作できますし、上の子はYouTubeで動画を検索することもできます。そういうデジタルネイティブの子どもたちに向けて、タッチパネルとゲームを組み合わせれば新しい遊びを届けられるのではと考えました。
――そのくらいの年齢の子たちは、スマホやタブレットの液晶画面と同じようにテレビの画面もぺたぺたと触ったりしますよね。
大林確かにそうですね(笑)。実は、そうした一幕も『ポケモンフレンダ』のコンセプトに絡んでいます。もし、家で我が子がテレビの画面を触っていたら、多くの親御さんは「汚れるからやめて」、「危ないよ」、「触っても反応しないよ」などと、何らかの注意をするかもしれません。
しかし、テレビの画面に触れた時の少し暖かな感触は子どもにとって貴重な「センス・オブ・ワンダー」の一つであるとも思いますので、「このゲームでなら、大きな画面を思う存分さわって遊んでいいよ」という思いも込めて制作しました。
また、「テレビの画面をペタペタ触る子はどうしても注意はしなくちゃいけないよね」というテーマは、開発時に子どもがいるスタッフの間でも話題になりました。
だから本作ではプレイ冒頭で「フレンダーズ」の一員になるとき、手形を押すようにタッチパネルに触れる操作を用意しました。「このゲームはタッチパネルに触れていいんだよ」「そうやって楽しむゲームなんだよ」というのを最初にしっかり伝えてあげるのが大切だと考えたからです。
杉山そこで手形を押すと、キャプテンがほめてくれるのがまたいいですよね。
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――『ポケモンフレンダ』の操作はボタンとタッチの2通りが用意されていますが、ボタン操作よりタッチ操作の方が多いと感じました。2通りの入力の配分はどのように決めたのでしょうか。
大林ボタン操作とタッチ操作で行ったり来たりが多いとプレイヤーさんを悩ませてしまうので、分かりやすさを重視してタッチ操作を基準にしました。そこに『ポケモンメザスタ』でも好評だったボタン連打をいかに挟んでいくか……というコンセプトで考えています。
また、バトルで前に出す(バトルする)ポケモンを選ぶときや、回るルーレットを止めるときなどはタッチ操作だけでなくボタンでも操作できるようになっています。「ここで決めるぜ!」という思いがともなう操作は、やはりボタンをバシッと押してキメたいだろうなと思いまして。
杉山ゲーム内では分かりやすさを優先してタッチ操作で決定するようガイドされますが、タッチとボタンのハイブリッドで入力を受け付けてくれるところも多く用意されています。
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YouTubeの動画配信でコロナ禍をはねのけた『ポケモンメザスタ』
――前作『ポケモンメザスタ』からの流れについて教えてください。お二人は『ポケモンメザスタ』のヒットの理由をどのように分析・認識しているのでしょうか。
杉山2020年9月に稼動が始まった『ポケモンメザスタ』は、スタート時に非常に苦労したタイトルでした。コロナ禍によるステイホームのムードがとても強く、アミューズメントパークなどに足を運ぶ方がとても少なくなっていたからです。
――おっしゃる通り、不運なタイミングでした。子どもたちに『ポケモンメザスタ』というゲームの存在や魅力を知ってもらうのに効果的な取り組みは何だったと思いますか?
杉山やはりYouTubeですね。「メザスタTV【公式】」(編注:2024年7月現在の名称は「ポケモンフレンダTV【公式】」)で、「ゲームメーカーの人ではないお兄さんやお姉さんが、ゲームの魅力や攻略情報を教えてくれる」という切り口で動画を展開したところ、何万回と再生されるようになり、認知が広がっていきました。
積極的に店舗へ誘導できるタイミングではありませんでしたが、1台で2名が遊べる筐体の、左右のプレイヤーの間に飛沫感染対策のパーテーションを設けるなど、安心・安全にも配慮してなんとか遊んでいただけるように様々な手を打ちました。
――たしかにパーテーションでも仕切られていて、ちゃんと対応を考えているんだという印象を持ちました。
大林やがてコロナ禍が少し落ち着いてくると「まだ本格的なレジャーに行くのは少し不安だけど、近場に出かけるくらいならいいよね」とショッピングモールなどに出かけるご家庭が少しずつ増えていったように思います。
家族みんなで買い物をして、ご飯を食べて、『ポケモンメザスタ』を遊んで帰る……そんな風に楽しんでいただけたのではないでしょうか。
――まさに私はターゲットそのものの行動をしていました(笑)。 ゲームコーナーだけではなくおもちゃ屋さんにも筐体があって、子どもと歩く導線のどこかには『ポケモンメザスタ』があったようにも思います。
杉山まさに玩具メーカーである我々の強みでもあるのですが、商業施設のさまざまな場所にタッチポイントを準備できていたことも遊びやすさにつながっていたと思います。
大林コロナ禍が落ち着きを見せてからの『ポケモンメザスタ』はとても好調で、稼動終了までほとんど勢いが落ちませんでした。やりきったと思えましたし、「ポケモン」ファンのみなさんについてきていただけたことに、本当に感謝しています。
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『ポケモンフレンダ』のタッチ操作は親子で一緒に楽しめる!
――『ポケモンフレンダ』ならではの魅力、注目ポイントも教えてください。
大林やせいのポケモンをタッチパネルで“なでなで”できる「フレンドチャンス」ですね。たんけん(プレイ)の最後には大きな扉を開けるのですが、その先でバトルが発生しなかった場合も、タッチパネルでポケモンと触れあっている実感を楽しめます。
『ポケモンメザスタ』よりもさらに「いい体験ができたな」と感じていただけるように、「プレイ感の向上」は強く意識しました。
杉山タイミングよくタッチパネルに触れて入力するパートでも、難しすぎないほどよい難度を目指しました。お子さんが遊んでいるのを後ろから見守っている親御さんが「そこはこうやってみたら?」と一度お手本を見せれば、お子さんもすぐマネできるようなイメージです。
本作は「フレンダーズ」のキャプテンに見守られながらポケモンとの出会いを含む「探検」を楽しむゲームですので、お子さんと親御さんが一緒に探検している気持ちになれるプレイ感を意識しています。もちろん、お友達同士や兄弟姉妹で楽しんでいただきたいです。
スペシャルフレンダピック「ルカリオ」は数量限定!
――すでに発表されていることではありますが、『ポケモンメザスタ』からの引き継ぎ要素についてあらためて教えてください。
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大林まずは、タグです。『ポケモンメザスタ』ゴージャススター5弾の一部にある「ながれぼしマーク」が付いているタグは『ポケモンフレンダ』でもバトル時に読み込めるようになっており、サポートポケモンとしてバトルを手伝ってくれます。
さらにゴージャススター1弾~4弾のスターポケモンを読み込ませるとピカチュウが、スーパースターポケモンを読み込ませるとカイリューがサポートとしてバトルに登場します。
また、本作でトレーナーピックを購入するときに『ポケモンメザスタ』で遊んだ「メモリータグ」のデータを引き継ぐと、連動特典として「ルカリオ」のスペシャルフレンダピックを100円でご購入いただけます。
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――数量限定だとアナウンスされている特典ですね。先行プレイでルカリオを使わせてもらったときは、テラスタルも楽しめました。
杉山7月11日に「超連動!ポケモンテラスタルオーブ」が発売されておりますが、『ポケモンメザスタ』用のグッズ「ポケモン テラスタルオーブ」も引き続きご使用いただけます。
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――うちの子どももとにかく早く遊びたいと言っていますが、遂に稼動を開始するということで、「ポケモン」ファンのお子さんを持つ全国の親御さんや、長くシリーズを楽しんでいる方へのメッセージをお願いします。
杉山7月12日から「JR東日本 ポケモンスタンプラリー2024」が、7月13日から本作の設置店舗で「スペシャルフレンダピック「ピカチュウ」の店頭配布」が、そして7月14日から8月25日にかけては各地の会場で「『ポケモンとどこいく!?』プレゼンツ“ポケだちとポケっす祭り”」が開催されています。
夏は『ポケモンフレンダ』の関連イベントが盛りだくさんです! お子様とご一緒に楽しんでいただければ幸いです。
大林「ポケモン」を題材としたアミューズメントゲームは、2007年の『ポケモンバトリオ』から始まりました。シリーズ当初の作品はやや複雑な面もあり、6~8歳くらいのお子さんを中心に楽しんでいただけました。
そして前作『ポケモンメザスタ』はより幅広い層に楽しんでいただくためにシンプルな楽しさが詰まったゲームであることを突き詰め、3~4歳の子にも楽しんでいただけるようになりました。
普段はゲームを遊ばないお母さんからも、お子さんと一緒にプレイを楽しんでいるという声が明確に届くようになったのも『ポケモンメザスタ』からで、その分かりやすさ・遊びやすさは『ポケモンフレンダ』でも大切にしています。今後も、ファミリーで一緒に楽しんでいただけるゲームをお届けします!
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