■人気シリーズの魅力に迫る振り返りがアツい!
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35年の歩みを綴った後は、アトラスの代表作に迫る「エポックメイキングタイトル」のページに移ります。その先陣を切るのは、もちろん『真・女神転生』シリーズ。歴代ナンバリング主人公が並ぶ姿は、シリーズファンにとって感慨深いばかりです。作品の魅力も、4ページという枠組みにぎゅっと詰め込まれています。
もうひとりの自分と向き合う少年少女たちの、葛藤と成長を描く『ペルソナ』シリーズも、アトラスを語る上で外せない看板的な作品です。ナンバリング最新作の『5』や、現行機でも遊べるようになった『3』や『4』は今もお馴染みですが、原点である初代やシリーズ展開を決定づけた『ペルソナ2 罪/罰』も紙面を彩っています。
こちらも歴代主人公が一堂に会していますが、周防達哉と天野舞耶がそれぞれ並んでいたり、『ペルソナ3』は男女の主人公が揃っていたりと、その構成も心憎いポイントです。
3つ目のシリーズとして取り上げられたのは、『デビルサマナー』シリーズです。作品ごとに雰囲気は異なりますが、硬派でハードボイルドな展開も多く、『真・女神転生』や『ペルソナ』とも異なる魅力が4ページにわたって綴られています。
また、ダンジョンRPGに特化した『世界樹の迷宮』シリーズも、外すことができないタイトルです。前述の各シリーズとは異なり、物語を雄弁に語る作風ではなく、冒険の過程──プレイヤーの戦略や判断が手応えに直結し、その体験が思い出となります。
近年は動きがなく新展開が待望されている『カドゥケウス』シリーズも、この項目でしっかりと取り上げられています。医療をゲームに落とし込む手法、同一性の高い操作方法、厚みのある人間ドラマと、いずれも本シリーズだからこその魅力に溢れているシリーズです。
このヒストリーブックで5番目に上がるシリーズとして取り上げられている点は、いちファンとしても嬉しいところ。新作やリメイクといった『カドゥケウス』シリーズの新展開に期待する気持ちが、このヒストリーブックを見て改めて高まるばかりです。
そして、項目の締めくくりを飾るのは、なんと『キャサリン』。追加要素を加えた「フルボディ」が後にリリースされたとはいえ、シリーズ展開していない作品で唯一この「エポックメイキングタイトル」にその名を連ねました。
気持ちがかみ合わない恋人、奔放で魅惑的な浮気相手、その狭間で揺れ動く主人公という三角関係を描く『キャサリン』は、“アトラスの大問題作”というフレーズも飛び交うほどの異色作。しかも「フルボディ」では、純真無垢な3人目も登場し、さらに混迷を極めます。
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この「エポックメイキングタイトル」では、シリーズや作品をキーワードから紐解きつつ、それぞれ4ページずつで構成。『真・女神転生』と『キャサリン』も、同じページ数で取り上げられています。長い付き合いのあるファンほど、感慨深さもひとしおでしょう。