本日11月14日、“伝説”として語り継がれるJRPGの金字塔リメイク作『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』がPS5/Xbox Series X|S/ニンテンドースイッチ向けに発売されました（※Steam版は11月15日）。
1988年のファミコン版発売当時は、人気すぎて家電量販店などで大きな行列を作ったという伝説も語られる本作。では、令和の今生まれ変わる本作の店頭の様子はどうなっているのでしょうか？今回Game*Sparkでは、当時のニュース映像なども話題となっているビックカメラ池袋本店さんに直撃取材！現地の様子や、お客さん・販売員さんへのインタビューをお届けします。
特別に朝9時30分開店！売り場の様子やいかに
ビックカメラは全店午前10時開店で統一されていますが、今日は『ドラクエIII』のため特別に30分早い9時30分に開店。Game*Spark編集部は午前9時少し前に伺いましたが、すでに数人のお客さんが列を作っていました。
お店の前では、販売員さんたちが大声をあげ、「ドラクエですよ～！」と積極的に声掛けを行っており、開店前から『ドラクエIII』というタイトルの強さを感じさせます。声掛けに惹かれて新たに並ぶ人も見られました。
1階入口は『ドラクエIII』一色で、ゲームだけでなくグッズ類も販売されています。
各職業のイラストが描かれたパネルも設置されており、勇ましいまもの使いから美しい賢者まで、思わず写真を撮りたくなります。
店頭には、1988年当時の池袋本店の様子を写した写真が展示されています。道路を埋め尽くすほどの人が並んでいる様は衝撃的です。テレビカメラも大きい……。
そして今回の目玉として、TGS2024などイベントで展示されていた“ロトの装備”が展示され、かなり間近で見ることができます。特徴的な模様の盾や高級感のある青い鎧、鋭く勇ましい剣など、思わず見惚れる造形です。ゲーム内で手に入れるのも楽しみですね。
お客さんにインタビュー！リメイク版の楽しみなところは？
並んでいるお客さんにお話をうかがってみました。1人目は、先頭から2番目に立っていた方です。
――『ドラクエIII』は当時から遊ばれていましたか？
お客さんはい。昔から『ドラクエ』は大好きです。『ドラクエIII』発売当時、自分は中学生だったので、学校休んで買いに行く……なんてことはできませんでした。でも親に買ってきてもらって、すぐにプレイしたという思い出がありますね。
――今回のリメイクで楽しみな点を教えて下さい。
お客さん素晴らしい映像はもちろんなんですが、すぎやまこういち先生や鳥山明先生が亡くなられたとき、「リメイク出すのは無理なんじゃないかな」と諦めかけていました。でも、こうして出せるとわかって、涙がボロボロ出てしまって……。すごく嬉しいし、感慨深いです。
もう1人、別の方にもお訊きしました。
――平日の朝ですが、お仕事は有給休暇などを取られてきたのでしょうか。
お客さんはい、そうですね。
――本作を遊ぶ理由は理由は何でしょうか。
お客さんファミコン版当時のプレイヤーだった先輩がいるのですが、大量の行列ができていたという逸話をたくさん聞かされていました。自分は初代PSの『ドラクエVII』から入った身なので、ロトシリーズは遊んでおらず、これを機に遊んでみようと思ったんです。
――他の『ドラクエ』は遊ばれていますか？
お客さん『VII』以外だと外伝モノばかり遊んでいて、『スライムもりもり』や『ドラゴンクエストモンスターズ』などを遊んでいました。ナンバリングを遊ぶのは本当に久しぶりです。
お客さんからは、当時のお話や『ドラクエ歴』を交えたお話をうかがえました。皆さん楽しそうにしていらっしゃいました。
最終的に列に並んでいたのは13人ほどで、その後も10時までの間に何人かが購入に訪れていました。流石に当時ほどの大行列……というわけではありませんでしたが、DL版や通販が当たり前の今、こうしてわざわざ店頭販売に並びに来る人がいる。その事実だけでなんだか胸が熱くなりますね……！
販売員さんが『ドラクエIII』にかける情熱！
最後に、このイベントを仕掛けた販売員さんにお話をうかがいましょう。今回答えてくれたのは、販売員の杢師直也さんです。
――ファミコン版当時の印象をお聞かせください。
杢師さん私は子供だったのですが、当時は家電量販店のようなポジションのお店が少なく、買う場所は限られていた気がします。町のゲーム屋さんは数が少なく、池袋のビックカメラのような大きなところに行かないと買えなかったような印象です。
――今回のイベントは、当時の雰囲気を踏襲しているのでしょうか。
杢師さんそうです！今回販売するにあたって、当時の雰囲気を再現しています。例えばこのポップなんかは、ちょっとダサいフォントや白地に文字だけというシンプルさで、あえて時代を感じるデザインにしています。この右の「10%オフ！」とか、古臭いでしょう？（笑）
――こういったポップは今は使わないんですね。
杢師さんこんなの使ったら怒られちゃいます（笑）。でも、当時は本当にこんな感じだったんですよ。そういった当時の我々の売り方も含めて蘇らせるというのが今回のイベントのコンセプトでした。
――後ろのロトの装備はかなり気合が入っていますよね。
杢師さんこちらはスクウェア・エニックスさんにご協力をいただき、お借りしています。どうにか池袋で盛り上げたいということでご相談したところ、11月17日までの4日間限定でお貸しいただけたんです。今はウチでしか見られませんよ！
――行列ができていましたが、盛り上がりはいかがでしょうか。
杢師さんたくさんの方に並んでいただけて光栄です。早い方では8時半くらいから並んでいただいていました。また今日ではないのですが、昨日の段階で駆け込み予約される方がすごく多かったです。
本来ならゲーム売り場は7階なのですが、我々としては一番短い導線でお買い求めいただけるように特設レジを設置しました。加えて、期間限定ですがどのレジでも『ドラクエIII』をお買い求めいただけるようになっています。
――ゲームソフトをこうして先行販売するのはやはり珍しいことなのでしょうか。
杢師さんそうですね、通常タイトルではまず考えられないです。予約の段階で我々も手応えを感じていたことから、先行販売を直近で決定させていただきました。そのため、もしかしたら先行販売があることを知らないお客様もいらっしゃったかもしれません。
――今はダウンロード販売や通販がメジャーになりましたが、このイベントはどういった思いを込めて開催しているのでしょうか。
杢師さんダウンロードが悪いわけではないですが、やはり店頭に買いに行くというのはひとつの思い出になるのではないかなと思っています。デジタルなものではなく、パッケージという“モノ”として手にとってほしいですし、来ていただいたらとても嬉しいです。
――今回のイベントはどういった方に来ていただきたいですか？
杢師さん私のように、当時子供だった4、50代の方にぜひ来ていただきたいですね。「昔、池袋でドラクエ買ったんだよね～」というような思い出話と共に、ぜひ売り場を楽しんでもらいたいです。
――ありがとうございました。
ビックカメラ池袋本店では、11月17日まで『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に特化した特別なイベントを開催中。DLで買うのも良いですが、思い出づくりに訪れてみてはいかがでしょうか。
