1月26日をもって配信活動を終了する沙花叉クロヱさん。配信では「ギャルっぽい」と言われることが多いものの、根は真面目で優しく、その性格の良さから多くのホロライブメンバーからも愛されていました。
そんな沙花叉クロヱさんの活動の中で、特に関わりの多かったのが、最推しである紫咲シオンさんとの「塩シャチ」、天音かなたさんとAZKiさんを含めた3人グループの「かなけん」。そして今回注目するのが、同期の中でも強い絆を結んでいた博衣こよりさんとの「こよクロ」です。
多くのリスナーに愛される深い関係でありながら、顔を合わせれば「相手が自分のことを好きすぎる」「こよクロ解散だ!」と言い合う何とも不思議な2人。この関係性はどのように生み出されていったのでしょうか。
◆初めての「解散」―協力脱出ゲームコラボ
同時期にデビューしながら、実は4ヶ月間1対1でのコラボが無かった2人。初めてのコラボは2022年4月18日に行われた、『We Were Here Too』でした。
それぞれの視点で全く違うものを見ながら、お互いに協力して脱出を目指す本ゲーム。このゲームを選んだのは沙花叉クロヱさんの方だとか。
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初めてのタイマンコラボとは思えないチームワークを見せ、難しいときにはフォローし合いつつクライマックスまで来た2人。しかし、ここで沙花叉クロヱさんが抜け駆けをしたことにより、博衣こよりさんだけが取り残される形でエンディングを迎えます。
このとき博衣こよりさんが口にした「こよクロ解散だぁ!」という言葉が、この先の2人の関係にも深く関わる形となりました。
◆解散という言葉とは裏腹に関係の深まった2022年
喧嘩別れのような形で終わった初コラボ。しかしながら、ゴールデンウィークに行われた大会では、同じチームで夜通し練習を行ったり、初めて同期5人で3D配信を行った後には翌朝までオフで話したりと、関係が深まっていきます。
2022年後半には、「同期の中で付き合うなら?」と聞かれ際にお互いの名前を出したり、『ポケモンSV』の発売直後に並走バトルで久々のタイマンコラボを果たしたりと、こよクロの仲は急接近。
年末には、2人による歌ってみた動画も公開されました。後に「収録したとき、レベル差を感じた」と語った博衣こよりさん。同期であるからこそ、刺激を受け合うライバルのような関係性でもあったのかもしれません。
◆2023年には2人での案件配信も
仲の良さは変わらず、オフでの晩酌コラボから始まった2023年。3月に行われた博衣こよりさんの生誕祭では2人でデュエットをしたり、年に一度の大型イベント「hololive SUPER EXPO」前日に一緒に会場を周ったりと、同期の中でも特別なエピソードが増えていきます。
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そんな2人の仲の良さに目を惹かれたのか……分かりませんが、2023年には2人への案件も舞い込みます。
『Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)』では2人のコラボカードが登場し、配信でお互いのデッキを使ってリアルで戦う珍しい光景も見られました。配信後には、一緒に博衣こよりさんの家でご飯を食べたのだとか。
2023年後半には、サマーライブ、Blue journey、holoX2周年、クリスマスライブ、Hoshimatic Project(カウントダウンライブ)と立て続けにライブイベントがありました。
2人にとってもかなり忙しい時期だったと推測されますが、そんな時期を駆け抜けた2人の間には戦友のような絆があったのかもしれません。
◆2024年には2人きりで泊りがけのお出かけへ
年初めに行われた関係図を書く配信では「解散してる 一番連絡を取る」と、博衣こよりさんから2行で矛盾するカミングアウトが。
さらに4月には沙花叉クロヱさんから「こよクロで一緒に狩りがしたい」と声をかけ、お互い『モンハンワールド』をスタート。約束は無事果たされ、いつものように煽りあいながらも仲良くマルチプレイを満喫していました。
5月に行われた沙花叉クロヱさんの生誕祭では、2度目となる2人のデュエットを披露。
同期5人で歌った後に、博衣こよりさんと共にもう1曲を歌うという珍しいゲスト構成。これは頼む方もOKする方も「相手が自分を好き」と言われても仕方ない気がしてきます。
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6月には、初めて2人で泊りがけでディズニーリゾートへのお出かけに。暇さえあれば毎日配信をすることで有名な博衣こよりさんが、休暇を取って誰かと旅行に行ってきたという事実に、リスナー間にも衝撃が走りました。
2024年に行われた「ハードコアマイクラ」や「ホロARK」といった箱企画でも、濃厚な絡みを見せます。博衣こよりさんが「大好きなクロたんの釣り竿握ってみたいな?」と口走った際には、川に突き落とされる一幕もありました。
◆大切なお知らせ、そして……
迎えた2024年11月29日。沙花叉クロヱさんの口から配信活動終了のお知らせが行われた日。沙花叉クロヱさんの記念配信本編が終わった直後、博衣こよりさんはすぐに配信を始めました。
少し鼻声になりながら語られたのは、沙花叉クロヱさんとの思い出。「クロたんは一番の理解者だった」「歌の成長のきっかけになったのは沙花叉クロヱ」「自分のわがままで引き止めちゃった」と、素直な気持ちをリスナーに向けて話しました。
その2日後には、過去に約束していた2人での歌枠オフコラボが実施。打上花火を歌った直後、博衣こよりさんは今の自分たちの状況を重ね「もう少しだけ終わらないで欲しかったですけどね!」と漏らしていました。
それに対し、沙花叉クロヱさんも「いっぱい引き止めてくれたもんね」と返答。お互いの良いところを褒め合い、沙花叉クロヱさんの配信活動終了を前に、正直な想いを伝え合いました。
2025年には、なんと1月1日の午前2時からコラボ配信。博衣こよりさんから「新年を一緒に迎えられるのは最後だから」と声をかけたとのこと。
今回は、歌枠コラボの時とは打って変わって未来の話が多めに。「卒業後も仲良くしてくれますか?」という問いに、沙花叉クロヱさんは「もちろん!」と解答。
「やめた後も連絡取ったり遊んだりしたい」と語り、2人でハワイにも行きたいとこの先の計画を楽しそうに話し合っていました。
そんな2人が最後に選んだコラボは『違う冬のぼくら』。初めてコラボした時と同じ、全く違う視点で進む協力型謎解きゲームです。
時にからかったり、お互いに文句を言いながらも、息ピッタリで進んでいく2人。最後にどちらが残るか決断を迫られる場面では、「クロたんは行くんだろ?」と博衣こよりさんが沙花叉クロヱさんを送り出す選択を取りました。
エンディングでは、疎遠になる主人公たちを見ながらも「これからも解散しては結成していきますか」と、自分たちは疎遠にならない未来に向かう気持ちを再確認していました。
◆仕事仲間じゃなくなったからこそ作れる関係性
配信活動終了後、今後2人がゲームしたり、同じステージで歌う姿を見ることは無くなってしまいますが……それと同時に2人の関係性まで消滅するわけではありません。事実、沙花叉クロヱさんも「仕事仲間じゃなくなったらもっと仲良くなれる」と語っており、むしろ2人の友人としての関係性はより強固になっていくことが想像できます。
また、沙花叉クロヱさんはホロライブJP初の「配信活動終了」という形態。これは推測と筆者の希望を含んでいますが……カバーの公式noteにもあるように、いつか偶然タイミングが合う日も来るかもしれません。
博衣こよりさんは2025年1月19日に行われたholoXの3周年ライブで、「holoXのライブがしたい!会場でしたいです。その時にはクロたんを引きずり出します!」と新たな夢を語りました。
進む道が分かれても、友人として、理解者として。今後も2人の関係が続くと信じて、そしていつか奇跡が起きることを願って、沙花叉クロヱさんの門出を笑顔で送り出したいですね。