コーエーテクモゲームスは、オープンワールドアクションRPG『Rise of the Ronin』のPC(Steam)版を、2025年3月11日にリリース予定です。
本作は『仁王』や『NINJA GAIDEN』などの作品でお馴染みのTeam NINJAが手がける作品。米国の「黒船」来航によって大きく揺れる幕末の日本を舞台に、プレイヤーは名もなき浪人となって、己自身と歴史の運命を描き出していきます。多彩な武器や流派による戦闘スタイル、自由な世界探索などが楽しめます。
PC版では、ウルトラワイドモニターに対応するほか、8K解像度、120fps、3Dオーディオ、キーボード/マウス操作など、環境に合わせたさまざまなオプション設定を追加。より美しくなった世界で、没入感の高い体験を楽しめます。

本稿では、間もなく発売される『Rise of the Ronin』Steam版のプレイレポートをお届けしていきます!なお、プレイにはコーエーテクモゲームスから提供を受けたコードを使用しています。
動乱の幕末に翻弄される人々
本作の舞台は徳川幕府が開かれておよそ300年後、諸国は幕府による監視と重い加役によって苦しみ、謀反の種火が日本中に燻っている時代です。物語は、幕府に対抗すべく武器を製造していた“黒洲藩”の村が襲撃されるシーンから始まり、生き残った2人の子供が、藩の特別な兵士である“隠し刀”として育てられていきます。
ゲーム内ではまず、物語の中心となる2人の“隠し刀”をキャラメイクしていきます。キャラメイクは性別や顔、色、声など細かく設定が可能で、便利なプリセットや保存機能も用意されています。最後に武勇や知力などのプレイスタイル“研ぎ方”を決定後、まずは基本操作や戦闘のチュートリアルを行っていきます。





稽古後に“隠し刀”の2人は、横浜に停泊している「黒船」に忍び込んで密書を奪い取るという仕事を命じられます。このミッションでステルス時の暗殺などのテクニックを覚えつつ、最初のボスであるペリーとの戦闘へ。ペリーと戦えるゲームってなかなかないですよね。しかもかなり強いので要注意です!
なんとか強敵ペリーを退けたものの、増援により“隠し刀”の2人はピンチに陥り、どちらか片方が密書を持って逃げることに。ここで選んだ方が今後の主人公となり、もう一人は片腕を斬りおとされてしまいます。相方を失った主人公は、それでも生きている事を信じて、黒洲藩の脱藩を決意するのです。




ここから主人公は、最初に向かう横浜の地での出会いやイベントを通じて、変わりゆく世界に身を投じていくことになります。導入はチュートリアルを含めて、非常に丁寧です。




求められるのは主人公の「生き様」
メインストーリーでは坂本龍馬や桂小五郎、勝海舟、近藤勇、土方歳三、井伊直弼などの歴史上の人物が次々と登場し、動乱の幕末でそれぞれの正義を信じて行動していきます。主人公が「倒幕」「佐幕」の勢力に与するかによって、イベントや人との関係が変化していくのです。
本作で重要なのが「因縁」という項目です。因縁はプレイヤーと人・土地・勢力などとの関連性を示すもので、誰かを喜ばせたり、誰かを助けたりなど、さまざまな要因で変化していきます。因縁を深めていくことで、物語の進行に役立つ多彩な報酬やメリットを獲得できます。





人物との因縁を得ることの最大のメリットは、ミッションで「徒党」を組めることです。ゲーム内では徒党が一緒に戦ってくれるだけでなく、プレイアブルキャラの交代や、倒れた仲間を復活させることもできます。もちろん因縁を深めることで、さまざまなイベントも発生します。
多くのイベントでは、主人公にさまざまな選択が訪れます。スキルを得ることで相手を説得したり、威圧したり、嘘をついたり、さまざまな搦め手も使用が可能。その選択によって相手との好感度や展開が変わることもあります。プレイスタイルは実に多彩なので、自分の「生き様」としてしっかり選びましょう。





強敵との緊張感抜群の戦闘!
動乱の時代を描く『Rise of the Ronin』の世界は決して安全ではありません。倒幕派と佐幕派の争いはもちろん、各地では賊や浪人が村を占拠していたり、お尋ね者が隠れていたりと、あちこちで戦闘が発生します。
ゲーム内では刀や槍、大太刀といった近接武器から弓、手裏剣などの遠距離武器など多彩な武器種が存在しています。近接武器には複数の「流派」があり、それぞれに天地人の属性が設定されています。この属性は三すくみになっているので、同じ武器でも流派を使い分けることで戦闘を有利に展開できます。

敵の攻撃を弾く「石火」、体制を崩した敵に大ダメージを与える「追い打ち」などのアクションも使用可能。また、各種技の発動にはスタミナ管理も必須です。戦闘中に使用できる回復アイテムは限られているので、いかにして相手の攻撃を受けずに戦っていくのかが重要です。
本作の戦闘は歯ごたえがあり、油断すればすぐに大ダメージを受けることも。拠点攻略などでは鉤縄や地形を利用して隠れながら戦ったりもできますが、ボス戦では真っ向から戦うことになるので、得意な武器の使用や強化、プレイヤーレベルアップなどを行ってしっかりと備えていきましょう。



一瞬の判断が肝となる緊張感抜群の戦闘は、もし負けてしまってもすぐに再戦できるので、何度も戦って回避や「石火」のタイミングを学ぶことも大切です。筆者は苦手な相手にはひたすら回避を考えて立ち回り、少しずつ削って勝利を目指しました。どうしても勝てない相手には難易度変更もできますよ!


探索・発見・交流。オープンワールドの楽しさ
プロローグ終了後、主人公はオープンワールドを舞台に自由な行動が可能になります。フィールド上ではメイン目標やサイドクエストのほか、土地ごとのさまざまなアクティビティが登場し、ストーリーの進行とともに楽しめる項目も増えていきます。
ゲーム内ではとても快適な移動手段が複数用意されています。代表的なものがグライダー「阿鼻機流(あびきる)」で、鉤縄を使った移動とあわせてかなり遠い距離まで移動可能です。さらに上空から暗殺攻撃も出せるので、移動だけでなく攻略にも役立ちます。




オープンワールドではお馴染みの馬も序盤から取得でき、目的地を設定すればオートランで移動してくれます。本作のマップ内には丘や山も多く、かなり広範囲にアクティビティが隠されているのですが、こういった移動方法やファストトラベルにより、ストレスフリーの探索も行えます。
探索やサイドクエストをこなせば経験値やお金、強力な装備も獲得できます。敵が強い『Rise of the Ronin』では、少しでも主人公を強くすることで戦いやすくなるので「探索が楽しい」ということは、ゲームのプレイ体験を大きく引き上げることに貢献しています。



街道で商人が賊に襲われているなどの突発イベントもあり、助けることで少し安くアイテムが購入できるなどのサービスも。こういったイベントのちょっとした会話もバラエティ豊かなので、じっくりと浪人生活を楽しみましょう!



『Rise of the Ronin』は、Team NINJAらしいアクション性を楽しめるだけでなく、作り込まれたマップでの自由な探索を楽しめる工夫に満ちています。戦闘も単純に難しいだけでなく、石火による爽快感や豊富な武器によるアプローチの多彩さも感じられます。探索でじっくりとレベルを上げて挑むなど、やりごたえと遊びの懐の深さ、遊びやすさを見事に両立させています。
もちろん、坂本龍馬をはじめとする幕末でおなじみの人物が続々と登場するのも大きな魅力。時代の流れとともにプレイヤーが選択し、彼らと交流しながら因縁を深めていけるのも嬉しいところです。探索や戦闘、交流と、さまざまな要素がバランスよく融合しているので、“幕末”で“オープンワールド”な自由なアクションRPGを遊びたい人にはオススメの一本です。



ちなみにSteam版では、欠損表現なども選択できるバージョンが採用されています。PC向けのグラフィック機能を始め、ゲーム内の各種オプション設定も豊富なので、自分だけの環境で歴史ストーリーを堪能できますよ!
¥8,980
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