両国国技館の歓声が後押し!『スト6』SFL日本代表G8S優勝インタビュー!逆転のカワノコール、伝説の4連続投げ

国技館で開催されたSFLで日本代表チームG8Sが優勝。会場の応援が力となり、カワノ選手の逆転劇。来年のカプコンカップ出場権も獲得した。

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両国国技館の歓声が後押し!『スト6』SFL日本代表G8S優勝インタビュー!逆転のカワノコール、伝説の4連続投げ
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「CAPCOM CUP 11」の興奮も冷めやらぬ中、その翌日3月9日、再び両国国技館で「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2024(以下、SFL)」が開催されました。リーグを勝ち抜いた各国の最強チームが、次年度の個人戦「CAPCOM CUP 12」の出場、そして『ストリートファイター6』世界最強チームの座を賭けて戦います。

この記事ではイベントや応援に駆けつけたファンの様子、そして見事優勝を勝ち取った日本代表チームGood 8 Squad(以下、G8S)への合同インタビューをお届けします!

◆ジュリイメージのバイク展示、ふもっふのおみせなど。イベントブース目白押し!

SFL当日は試合以外にも楽しいイベントブースがたくさんありました。その中から一部をご紹介。本大会を協賛しているスズキは、ジュリをイメージしたバイク「GSX-8R Tuned by JURI」を展示。

ジュリのカラーリングと蜘蛛ペイント、そしてバッチリアピールされている「風水エンジン」が見事な一体感でした。タイミングが合えば、跨ることもできたそう。是非『スト6』本編のワールドツアーに登場して欲しいです!

ゲーミングデバイスを展開する「ふもっふのおみせ」。格ゲーマーフレンドリーな機能を備えた、多彩なカラー展開のスト6コラボのデバイスが展示されています。

スト6コラボのエポスカードのブース。「グッズは置き場がなぁ……」というファンにとって、財布にコラボデザインのカードがあると嬉しいかもしれませんね!

◆試合前から戦いは始まっている!チーム戦ならではのチアボードで連帯

カプコンカップでもチアボードを描く人は多かったのですが、チーム戦であるSFLでは影響力が違います。出場しているのは日本、アメリカ、EUの代表の3チーム。応援の対象は個人だけでなくチームを含むので、「推し」が被って密集する可能性は非常に高く、チアボードの連帯感はひと味違います。応援する選手がSA3を決めるシーンでは、黄色い声援が発生することも……。

客層はカプコンカップと同じく幅広く、CRカップから『スト6』競技シーンのファンになったという若いファンの方もいらっしゃいました。

◆日本ならではのサプライズ。30年ぶりの恋(いと)しさと……

篠原涼子さんが両国国技館へ登場

配信開始前、篠原涼子さんが生出演!劇場版『ストリートファイターII MOVIE』の主題歌をリメイクした新バージョン「恋しさとせつなさと心強さと 2023」を歌唱!誰もがあの頃を思い出す名曲の『スト6』バージョンを堂々披露。

豪華なフルコーラス版の尺で、会場は大盛り上がりです。司会のライアン・ハートさんも、ステージ前で待機しながらノリノリで踊っていました。

また、篠原さんの開会宣言では「ワールド“チャンプン”シップ」と言い間違えるチャーミングな場面も。非常に和やかな雰囲気でSFL最終章が開幕しました。

◆画面の外は一人じゃない!戦略が勝敗を分けるチーム戦は、個人戦と違う盛り上がり

SFLのチーム戦は先鋒と次鋒の勝利が10ポイント、大将の勝利が20ポイントとなっており、70ポイント先取したチームが勝利となるルール。格闘ゲームは一対一のゲームですが、チーム戦ではどの選手をどの選手に割り当てるか、特定のキャラの対策を誰が担当するかと行った非常に戦術的な要素があり、プロのレベルでは個人技だけでは勝つことが難しい別次元のゲーム性があります。

それ故に、アウェイチームのオーダー(出場選手と使用キャラクターの宣言)だけでも会場に興奮が巻き起こりました。特に特徴的だったオーダーは、超強豪Punk選手擁するアメリカ代表チームFLYQUESTの、まさかの「クラシックキンバリー三連星」。

ただでさえ珍しいキンバリーを、しかもチーム全員がアウェイで出す異常事態に会場は驚愕しました。

◆逆転に次ぐ逆転。可能性を手繰り寄せたチームは

日本、アメリカ、EU代表の三つ巴リーグ予選も非常に良い内容でしたが、今年度SFL決勝は間違いなくドラマティックの記録を更新したと思います

是非配信アーカイブでご覧いただきたいのですが、展開をざっくりダイジェストで紹介します。

予選を怒涛の勢いで制しホームサイドのスタートとなった日本代表G8Sですが、Punk選手の徹底した地上戦の対応がついに追いつくような形で、アメリカ代表が大将戦を制します。日本代表10ポイントに対してアメリカ代表30ポイントとアメリカ代表がリードした状態で2巡目に入り、日本はアウェイ側へと切り替わりました。精神的にキツイ場面で投下される攻めキャラ、キンバリー。彼女を操るのはPSYCHO選手、激しいセットプレイに日本代表は次々ポイントを落としてアメリカ代表は50ポイントを獲得。

大将戦でマッチポイントの局面になり、日本は絶体絶命。しかも相手大将は"あの"Punk選手。大将カワノ選手を励まそうと、国技館がカワノコールで包まれます。どちらも地上戦に定評がある選手、そして世界王座の賭かったマッチポイント。間違いなくあの時、地球上で最も息苦しい瞬間がそこにありました。

息苦しさを生き延びたのはなんとカワノ選手。バーンアウト際のスーパーテクニックの応酬を制しました。ここから日本の快進撃が始まり、3巡目の中堅戦でポイントは50-50と並びます。そして再び大将戦で最終対決へ。SFLのルール変更はまさかこの時のためにあったのでしょうか、恐ろしい運命のいたずらです(開催2週間ほど前、大会時間の関係か決勝点が90ポイントから70ポイントに変更されました)。

泣いても笑っても最後の試合。あまりにも運命的な展開に、カワノコールの大音声の中、カワノ選手とPunk選手が試合前にガッチリとハグ。間違いなく、地球上で最も熱い瞬間が、あの時ありました。

そして最終局面、カワノ選手の豪鬼が仕掛けた起き攻めはまさかの4連続投げ。1回投げるごとに、国技館を揺らす「アイィィ!」の合いの手。次も投げるのか? Punk選手の無敵技を読んで様子を見るのか? あのドキドキが4回も連続で続いた現場は忘れらません。是非アーカイブで試合をご確認ください!

◆チームとオーディエンスの力を感じる――Good 8 Squadインタビュー

――みなさん本当に優勝おめでとうございます。最後の局面の4連続投げについて、カワノ選手にお聞きします。最終局面、誰が見ても4連続投げが匂ったシーンではありましたが、あそこで4連続投げに行けた理由と、行った時の気持ちをお聞かせください。

カワノ:直前のOD豪波動拳の起き攻めで無敵を潰したってのがデカくて、「もうこれは抜けられていいから最後まで行こう」と思って……(投げを連続で仕掛けることは)もうOD豪波動拳打った瞬間から決めてました。

――あそこでプレッシャーがかかったので、もう抜けれないだろう、というところで。

カワノ:そうですね。多分あの瞬間(投げが)1番ローリスクだったので。逆に立ち回りには自信があったので、無敵を喰らうことが(立ち回りに戻るので)逆にローリスクだなと思ったので「全然無敵技は喰らっていいや」という考えで、投げを重ねていきました

――今回の優勝でG8SはEWCの出場権と来年のカプコンカップ出場権を獲得しました。本来でしたら1年かけてそれを目指すものを一気に獲得できたことに対して、今後1年間の活動についてどういう気持ちですか。

ガチくん:明日からちょっと休みます(笑)。でも多分やることは変わらない。それこそリーグにすごい専念できるので。もちろんリーグでもまた来年度も勝てるように頑張るし、新しい大会に出られるのならやることは変わらないと思います。

ぷげら:変わりはしないんですが切符を持った状態で年度がスタートするって、そうそうないことだと思うので……大会に対して今までと違う取り組みを考える余地はあるなと思ってます。それが何かというのは、まだ分かんないんですけど。

カワノ:次のカプコンカップとEWC確定したことで、海外に行く機会がすごい減ったと思うんですけど、やっぱりダイエットとかしようと思った時、海外ってやっぱ食生活がすごくめんどくさいんです。だからこれを機に日本で痩せて、メディア受けも気にしておこうかなと思って……。(笑)

ぷげら:マジで間に受けない方がいい。(笑)

カワノ:いや、痩せようと思ったらいつでも痩せられます。

――YHC-餅さんにお聞きします。餅さんって体力的に遠出が苦手ってイメージあるのですが、サウジアラビアのEsports World Cup(以下、EWC)には参加されますか?

YHC-餅:私、ただのサラリーマンです(笑)「仕事終わった、今日も楽しくゲームしよう!」ってやってるだけなんで(笑)。

ですが、いい大会だっていうのはいろんな人から聞いているので、最近は体調も良いので頑張ってなんとか行ってみたいなという感じです。

――SFLを終えて、皆さんが感じた個人戦にはない団体戦の面白さ、魅力を一言ずつお願いします。

ガチくん:やっぱ総力戦っていう、例えば僕が負けても他の3人がちゃんと勝ってくれたりとか、誰かが負けても僕が勝ったりとか、それこそ最後にカワノがやってくれたような「(可能性を)繋いで勝つ」っていうところとかは個人戦だとなかなか無いような感覚を味わえますね。

今回のリーグでいうと(日本の)12チームやった上での代表として出たというのもあるので、そういうのを背負うのが個人戦とは全然違った感じで挑めて楽しかったです。

YHC-餅:昔の偉い人が言ってたんですけど、例えば4人チームでこういうことやると「楽しさも4倍で、嬉しさも4倍。悔しさも4倍」。あと団体戦のやり方とかですね。

今回自分は出番が無かったのですが、決勝ではChrisCCH選手には(自分が)出ようかって話で、結果的に(ChrisCCH選手を)出してこなかった。もしかしたらダルシムが嫌だったかもしれない。それは分からないですけど……結果として裏でちゃんとチームに勝つことに寄与できたんじゃないかと。そういうことにしておいてほしいと思ってます(笑)。

ぷげら:見てる人の応援とか熱量が、やっぱり個人戦より団体戦の時の方が「塊」になるからすごいなとは思いますね。自分の話で言うと、個人戦で勝って終わると大体「すごい嬉しい」だけで終わるんですが、団体戦だと「チームは勝ちだけど、自分としては悔しい部分もある」みたいな部分もあったりするので。その嬉しい100%じゃないこともあるのが、団体戦は違うっちゃ違うなと。

――今日は何%嬉しいですか?

ぷげら:今日は本来で言うと多分6割か7割くらい悔しいぐらいなんですが、あまりにも(来年の)カプコンカップ出場権が嬉しすぎて。まぁ、嬉しい。(笑)

カワノ:それこそ月並みな言い方ですけど、やっぱり協力できるってのはすごい良いことだと思っていて。最初の日本の10節をやってる中で、あの当時はエドが猛威を振るってたんですが、YHC-餅さんが倒してくれたりだとか、ぷげらさんが勝率ナンバーワンで通してくれたりだとか、ガチくんさんがめんどくさいところ行ってくれたりとか。

長期間なので、対策間に合ってないなら協力するみたいなことができるんです。それがすごいいいなというか、なんか(個人技ではなく)「強いチームが勝つ」な、と思いました。明確に。

SFL優勝者のリングを見せるG8S

――2年前もG8SはアメリカのSFL(ワールドチャンピオンシップ2022)で優勝しています。今回は日本開催ということで、ホームならではのメリットのようなものは感じましたか。

ガチくん:モロに会場の歓声があったおかげで、窮地になった20-50のスコアの局面で勝てたと思います。あの声援がなければ、あっちに流れが行ったんじゃないかなと思います。あの応援、声援があったので踏ん張れましたね、僕。

YHC-餅:やっぱり声援ですね。それは大きかったっていうか。「こんなに多くの人が応援してくれてるんだ」っていうのは力になりました。

ぷげら:前のSFLしかり、カプコンカップしかり。アメリカの方に行って参加したこともあるんですけど、声援とかそういったものは全然違っていて、今回自分はそれに助けられたな思っていて。日本開催にあやかれた部分はあると思います。

カワノ:対戦するとき相手がどんな感じかって、プレイ以外の面を結構見るんですよ。なんか緊張してそうかみたいな、どんな感じなのかみたいな。

で、そういうのを鑑みて攻めの選択肢、守りの選択肢をするんすけど、今回そういう声援もなんかメタ的に捉えて「こっちの行動の方が雰囲気的にいいだろうな」みたいなのを選べたんで、すごくありがたかったです。

――声援、食事面、体調面など色々あると思うのですが、ホームアドバンテージとして1番有利に働いたなと思うものを1つ教えてください。

ガチくん:本番直前まで日本ですごくいい練習ができたというのがホームアドバンテージになっている感じがしますね。

普段アメリカとか海外行った時って、もちろん海外選手と練習もできるんですけど、今回のキンバリーってなかなか出来るキャラじゃないんで。それを直前まで日本の環境で、すごい強いプレイヤーがたくさんおる中で対策できたのは今回この日本でやったメリットかなと思います。

YHC-餅:やっぱり近いのが1番だと思うんですけどね。島根(YHC-餅選手の地元)から来ても飛行機だとすぐなので、例えばそこから海外に行くってなると相当疲れます。

コンディションが悪くなっちゃうんじゃないかなっていうのもあるので。今日はコンディションもいいしって感じで、そこが1番大きいかなと思います。

ぷげら:普段と変わらない生活の中に大会があったっていうのは、すごくアドバンテージだったと感じますね。ギリギリまで家で寝起き出来るし、食事もあんまり普段と変わらないとかですね。やっぱり海外遠征とかって結構疲労とかあると思うので。

カワノ:ちょっと話が重なりますけど、やっぱり声援とかの面なのかなと思います。気の毒じゃないですけど、「向こうも大変やろうな」っていう気持ちはあって。僕も海外大会行くときあんな感じで「される側(応援が少ない側)」なので、そこが1番デカいのかなと思います。本当に力になりました。

――インタビューは以上となります。ありがとうございました!


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《KAMEX》

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