
エミュレーターや改造されたスイッチを使い、ゲームの海賊版のプレイ動画を配信していたストリーマー「EveryGameGuru」ことジェシー・キーギン氏に対し、任天堂は2024年11月からコロラド州地方裁判所に起訴を行っていましたが、キーギン氏がこの訴状に対し無視を決め込んだ結果、2025年4月18日にこの裁判は「欠席裁判」となり、任天堂の主張が全面的に認められる見通しとなりました。
プロテクトを外してのエミュレーターの使用や発売前ソフトの配信に歯止めがかかるか
任天堂の訴状によると、キーギン氏へ行った起訴の争点は主に以下の通りです。
エミュレーターを使用した配信を行っている。スイッチのエミュレーターには元ソフトのプロテクトを回避する仕組みが備わっており、このプロテクト回避は違法である。
エミュレーターだけでなく、ハッキングされたスイッチも使用している。任天堂はスイッチのハッキングを認めていない。
動画配信において、各種エミュレーターへのリンクを掲載している。これは視聴者に対しエミュレーターの使用を推奨する行為である。
発売前のゲームの海賊版の配信を行っている。これはユーザーに対し、発売されたゲームの驚きを奪うだけでなく、任天堂のマーケティングを妨害する行為である。
これらの違法行為に対して、任天堂は17,500ドル(2025年4月22日現在、約245万円)の賠償請求を行う。
今後ジェシー・キーギン氏によるすべての情報発信の禁止を求める。
2024年11月に始まった任天堂からの起訴に対し、キーギン氏は「無視を決め込む」という手段に出たため、任天堂は「欠席裁判」の申し立てを行い、2025年4月18日にこの申し立てが認められました。これにより今後裁判がキーギン氏の出席なしに行われ、任天堂の申し立ておよび任天堂の求める「17,500ドルの賠償請求」「キーギン氏によるすべての情報発信の禁止」がすべて認められる見通しです。
海賊版や違法配信には常に厳しい態度で臨んできた任天堂。今回の対違法配信者の裁判の勝利がほぼ確実となったことで、違法配信への見せしめとなるのかもしれません。一方で、訴訟はハードウェアそのもののハッキングにも言及されていることから、通常では外部映像出力ができないニンテンドー3DS世代のタイトルやその配信者らのスタイルについてゲーマー間での激しい議論の呼び水となる可能性も秘めています。