先日の「COMICON Napoli 2025」以降、複数回にわたり海外で取り沙汰されている『クロノ・トリガー』リメイクの噂。ゲームデザイナー・堀井雄二氏が壇上で話した、とされる内容は誤訳であるとして決着がついていますが、その堀井氏の、同イベントでの別の取材の発言をめぐり、新たな騒動が起こっていました。
北欧のゲームサイト「Gamereactor」は前述の壇上のものとは異なる、堀井雄二氏への直接の取材映像とともに、氏が「『クロノ・トリガー』リメイクを考えている」とした旨を含んだ記事を5月8日に公開。これをもって、やはり発言は真実だったのではないかと、再び海外では情報が錯綜しています。
しかし、弊誌がスクウェア・エニックスに行った取材により改めて、堀井氏は「『クロノ・トリガー』リメイクの発言をしていない」ことが明らかになりました。
リメイクある→ない→ある→やっぱり“誤訳”
まず本件は、2025年5月3日にイタリアで開催されていたイベント「COMICON Napoli 2025」が発端です。その中でゲームデザイナー・堀井雄二氏が登壇し、トークショーでイタリア語の通訳を介して「『クロノ・トリガー』のリメイク版を進行中」と述べた、という情報が国内外で大きな話題となりました。現地メディア「IGN Italia」などが報じています。
しかし、これは通訳者による誤訳ということもすぐに判明し、一時期は混乱が生じたものの沈静化しました。一方で北欧のゲームサイト「Gamereactor」は現地で独自に堀井氏を取材したという記事を5月8日に公開。『クロノ・トリガー』リメイクについて尋ねたところ、堀井氏が「検討している」と答えたとしています。(編注:該当記事の映像では肝心な堀井氏の日本語発言はほぼ全て他言語のナレーションに置き換えられてしまっており、確認をすることが一切できません)
これを受け編集部ではスクウェア・エニックスへと、堀井氏が新たに海外メディアに語ったとされることは正しい内容であるか、と確認を取りましたが、担当者より「『クロノ・トリガー』のリメイク版については誤訳となります。堀井さんは、そういった発言を全くされておりません」との返答を得ることができました。
複数の国内外メディアで異なる内容が報道された本件ですが、結果的に現時点では“『クロノ・トリガー』リメイクは発表されておらず、少なくとも堀井氏は検討もしていない”ということのようです。
いずれにしても、イタリアでのイベントがきっかけで世界中のファンから大きな注目を集めた『クロノ・トリガー』。30周年を迎えた2025年も、まだまだ大人気タイトルであることを確認できたともいえるかも知れません。果たしていつの日か本当にリメイクされることはあるのでしょうか。