
カバーは5月13日、2025年3月期の決算を発表しました。売上高が434億100万円と前年同期比で43.9%増加したほか、営業利益は80億100万円(前年同期比44.5%増)、経常利益は79億6200万円(同41.6%増)、当期純利益は55億5,900万円(同34.4%増)としています。
◆『ホロカ』販売が好調、メディア露出やグローバル化も推進
同社は、エンターテインメント需要の回復を背景に、所属タレントのメディア露出やイベント出演のグローバル化を推進しました。特に、配信/コンテンツ分野では、所属タレントによる大型配信企画の成功や新たなタレントの人気獲得が進み、売上高は93億2,300万円(前年同期比21.9%増)に。
ライブ/イベント分野では、北米でのライブコンサートやワールドツアーの実施により、海外市場での実績を積み上げました。国内外の人気タレントによる大型会場でのソロライブも成功し、売上高は77億9,300万円(前年同期比39.1%増)となりました。
マーチャンダイジング分野では、トレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME(ホロカ)』の販売が好調で、売上高は205億3,900万円(前年同期比64.6%増)を記録しました。ライセンス/タイアップ分野でも、営業体制の強化により取引が拡大し、売上高は57億4,400万円(前年同期比29.4%増)となりました。
今後の見通しとしてカバーは、2026年3月期に売上高525億円を見込んでおり、引き続きグローバル展開や新規事業領域の拡大を図る方針です。中期的には、2030年3月期までに売上高1,000億円を目指し、戦略的な成長投資を進めるとしています。
◆タレントの卒業について谷郷氏がコメント
また、同日にはカバーが決算説明会を実施。ホロライブ所属タレントの卒業が相次いでいることについて谷郷氏がコメントしました。
以下、決算説明会より一部抜粋。
――タレントさんが卒業されていくことが結構あったと思いますが、会社としてどのように捉えていますか?
谷郷:プロダクションの運営が、始まってからもう期間がだいぶ経っているっていうことですね。2017年に始まり、2018年にホロライブ1期生が始まって6年ぐらい経ってきているという中で、タレントさん各人によるキャリアプランや人生設計みたいなものが発生するようなタイミングではあるのかなと思っています。それぞれタレントさんに個別の事情があることもあり、同じ理由で卒業されるみたいなことではないという理解です。
これまで事業の成長に我々自体が注力しなければいけなかった。まあそれはタレントさんをサポートするために、例えばマーチャンダイズだったりライセンスだったり営業だったり、いろんな体制を整えなきゃいけないっていうところに我々としても、私としてもリソースを割かなきゃいけなかったという状況が、この4月以降の経営の体制の変更によって、私はかなりフリーで動ける状況になります。
クリエイターさん一人一人が今どういう状況なのか、どういうことがやりたいのかっていうところに、より向き合えるような体制になってきていると思います。いろいろ個別の事情はあっても、可能であれば一緒にパートナーとしてやっていけるといいのかなと考えています。コミュニケーションのすれ違いによって辞められるみたいなことが発生しないように。やはりタレントさんのニーズによって会社もどんどん成長していくと思っていますので、コミュニケーションを強化しながらタレントさんの成長に応えられるような会社に進化させられるよう改変を進めている状況です。
――谷郷さん自らコミュニケーションを今後取ってくることもあるということでしょうか?
谷郷:そうですね。もう外に出ている情報で、タレントさんも配信で話されていますけど、私が直接話しているっていうような状況です。我々基本的にはB to B to Cという業態だと思っていますので、タレントさんが事業パートナーでクライアントファーストである性質上、(他社も)主力なクライアントとトップが直接コミュニケーションされているかと思いますので、我々もそういった形で、私が直接コミュニケーションを行っています。