『遊戯王』コンボデッキの祭典!800人以上のデュエリストが集結した「第8回AAオフSP」現地レポ

日本最大規模のカジュアル『遊戯王』オフ会を取材!

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『遊戯王』コンボデッキの祭典!800人以上のデュエリストが集結した「第8回AAオフSP」現地レポ
『遊戯王』コンボデッキの祭典!800人以上のデュエリストが集結した「第8回AAオフSP」現地レポ 全 11 枚 拡大写真

4月26日に行われ、約800人が参加した日本最大規模のカジュアル『遊戯王』オフ会こと、「第8回AAオフSP」に潜入取材!会場で見つけた「個性的なコンボデッキ」をピックアップしました。

最後に、運営「オムナオト」さんのインタビュー付きです!


◆懐かしのカードも登場!個性的なコンボデッキ

オフ会の会場で見つけた、個性的なコンボデッキを紹介します。

・《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイトー》

「無限コンボ」はロマンです。オフ会場で、《流星輝巧群》+《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイトー》を使った無限コンボデッキを見つけました。

《機械仕掛けの夜-クロック・ワーク・ナイトー》で、機械族になった《サイバー・エンジェル-韋駄天-》をリリース素材として、《流星輝巧群》で墓地の(もう1枚の)《サイバー・エンジェル-韋駄天-》を儀式召喚することで、無限の攻撃力&無限の回復コンボが成立します。

あらゆる経路から、コンボパーツを集めるギミックが搭載されており、安定感があるのは勿論のこと、コンボの準備段階でも、強力な盤面を作れるように調整がされています。

派手な「必殺技」を狙いつつも、対戦相手との対話を試みることも忘れていない、オフ会におけるお手本のようなデッキです。

・《No.7 ラッキー・ストライプ》

カジュアルなオフ会だからこその“夢のある”デッキを発見しました。3体の《スロットマシーンAM-7》で《No.7 ラッキー・ストライプ》をエクシーズ召喚するデッキです。

《オルフェゴール・トロイメア》などで《スロットマシーンAM-7》3体を墓地に落とし、《スクラップ・ガレージ》で一気にフィールドに素材を揃えます。

話を聞いてみると、デッキの安定性が高く、かなりの勝率があるとのことでしたが、取材時のタイミングでは、まだ《No.7 ラッキー・ストライプ》は活躍ができていないとのことでした。

《トラップトラック》を採用することで「モンスターの破壊時」の発動条件を満たしつつ、4枚目以降の《スクラップ・ガレージ》として運用できるので(ヘンな表現ですが)「安定したギャンブル」を楽しめるデッキです。

・《The suppression PLUTO》

『遊戯王OCG』には、「イラストはかっこいいけど、これどうやって使うの?」というカードがあります。《The suppression PLUTO》はまさにそのカードでしょう。

自身を特殊召喚する効果を持たず、現代の遊戯王のカードパワーについていけていない感じがしますが、だからこそ、デッキ制作者としては、腕がなるカードです。

《魔サイの戦士》を始めとした、墓地に落とす手段と《デーモンの呼び声》で《The suppression PLUTO》をフィールドに維持します。

「手札を言い当てる」ための相方は《ドン・サウザンドの契約》。

こういったデッキにありがちなのは、「やりたいコンボ」のコンボパーツの用途がニッチ過ぎて、コンボ以外が汎用的な動きで固められて、コンボ部分が浮いてしまうことですが、このデッキでは《ドン・サウザンドの契約》を単体でもうまく使えるように調整がされています。

「相手の手札を見る」カードが追加されるたびに、強化されていくので、今後の展望が楽しみなデッキです。

・《大紅蓮魔闘士》

リンク召喚の利便性に押されて、見かけることが少なくなったランク8のエクシーズ召喚モンスターたちですが、このデッキでは活躍します。

使いやすいようで使いづらいカード《大紅蓮魔闘士》を主軸にしたデッキです。

カジュアル界隈のコンボデッキにおいて、《マジシャンズ・ソウルズ》からの《青き眼の精霊》(《光の霊堂》サーチ)の流れは、様々な形が試されていますが、このデッキでは《マジシャンズ・ソウルズ》の特殊召喚コストを《コスモクイーン》することで、《大紅蓮魔闘士》の星8である点を最大限に利用しています。

《光の霊堂》が恒久的に《大紅蓮魔闘士》の特殊召喚コストを供給する点も芸が細かく、「対戦相手の動き」を伺いながら、各ターンの状況に合わせて、最適なエクシーズモンスターで戦うという、制作者の意思も感じます。

珍しいカードを使うことで、さらに珍しいカードに光が当たった好例といえるでしょう。

◆会場の様子もお届け

AAオフとは、ニコニコ動画時代からカジュアル遊戯王を盛り上げてきた、動画クリエイターたちによる最大規模の遊戯王オフ会です。

配信台では、動画クリエイターと対戦でき、その様子はYouTubeで生放送されます。

本日、初対面という参加者のお二人。 遊戯王を通じて、親密になれるのもオフ会の醍醐味でしょう。
こちらもオフ会の会場で出会ったというお二人。 「目が合った」で対戦が始まったとのこと。
会場内の出店で購入したオリパを、休憩スペースで開封していたお三方。 オフ会の会場では、今年も「カードラボ」「BIG MAGIC」が協賛として出店していました。


◆運営の「オムナオト」さんインタビュー

本イベントの運営には、スマブラコミュニティ出身のゲームキャスター、オムナオトさんも関わっています。オムナオトさんに「オフ会の感想」や「カジュアルな遊戯王」について、話を訊きました。

【遊戯王コミュニティとスマブラコミュニティの共通点】

オムナオト:このAAオフの素晴らしいところは、その出自が「みんなで作ろう」であるという点です。

ニコニコ動画の時代から「こんなデッキを組んだら面白いんじゃないか」という考えで動画投稿をしてきた、カジュアル遊戯王の配信者たちによって運営されています。

僕も含めて、当時から彼らの動画を見て育ってきた人たちが集まって、「自分のやりたい」をやっている空間です。そのルーツは、自分の育ってきたスマブラコミュニティと近いので、シンパシーを感じています。

【あなたにとってカジュアル遊戯王とは】

オムナオト:カジュアル遊戯王における「やりこみ要素」というのは「勝ち負けの先」をどれだけ見ているかにあると思います。

“闘争”(対戦)に、本質的な終わりはなく、Aという戦法が流行ったら、Bという戦法が流行り、それに対するCという戦法が流行ったら、またAが有効になったりと、月と太陽のようにぐるぐると回ります。

その時(再来した)Aの戦法は、以前と同じ姿ではなく「新たな姿」に変質しているはずです。

遊戯王に限らず、対戦ゲームを「やりこむ」というのは、ただ単に「勝利」を追い求めることだけでなく「ゲームの新たな姿」を見に行くことなのかもしれません。

それが対戦ゲームにおける、究極的な「攻略」なのだと考えています。

【AAオフには「遊戯王の新たな姿を見たい」プレイヤーが集まっている】

オムナオト:「対戦」していると同時に、「共同作業」しているともいえるでしょう。対戦相手との、共同作業でどんどん高みに向かっている。

カジュアル遊戯王やAAオフに翻って考えてみると、コンボに「やりこみ」が出ます。

参加している皆さんは、無数にあるカードの組み合わせから、誰も思いつかなかったオリジナルコンボを編み出して、カード1枚の秘めた可能性を引き出すことに挑戦しています。

そのやりこみの部分が僕にとっては、ゲームに対する“愛”として映っています。その“愛”が強いプレイヤーが「AAオフに集まってきている」と感じます。

【カジュアルと競技的な遊びの明確な違いとは】

オムナオト:カードゲームを競技的に遊んでると、デッキは徐々にシェイプアップしていく傾向にあります。

デッキリストやデッキの動きが固定化されて、引き締まれば引き締まるほど美しいとされています。それは良くも悪くも可能性を限定していく行為といえるでしょう。

一方、カジュアルな遊び方は、逆の方向性で突き詰めることになります。

安易に3枚積みするのではなく、そもそもの比率を検討することや、1枚刺しを試してみること。ただ単にイラストが好きなだけのカードを、活躍するように考えてたり、1枚のカードに秘められた可能性を探求すること。

その1つの極地が「このAAオフである」と感じます。

【さりあさんの【黒蠍】デッキが好き】

オムナオト:城下町デュエルのさりあさんのデッキは、いつでも奇想天外で好きです。

【黒蠍】など、昔のカードを現代でも活躍させようとしていて、そのデッキはまるで芸術品を見ているようです。彼に憧れてデッキを組んでいる方も多いと思います。

また、前回のAAオフの会場で、対戦させていただいた参加者さんのデッキも個性的でした。

デッキ40枚がすべて罠カードで構成されていて、罠モンスターを《魔砲戦機ダルマ・カルマ》 で再利用する動きが強くて、僕のデッキはボコボコにされました(笑)。

「罠カードだけでどこまでやれるのか」を突き詰めていくのも、立派な攻略なので、強い感銘を受けました。


【イベント概要】

日付 :2025年4月26日(土)

場所 :東京都立産業貿易センター浜松町館 5階

定員:846名

エントリー料:3,000円

運営アカウント:AAオフ運営委員会(https://x.com/AA21734015


《小川翔太 / Ogawa Shota》

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