『はらぺこミーム』は“愛らしいミーム”と“コロニー運営の楽しさ”が同居したライトゲーマーからハードコアゲーマーまで楽しめるタイトルだ!絵本のような世界で「自分のミーム史」を紡いでいこう

コロニーシミュレーション『はらぺこミーム』プレイレポをお届け!

ゲーム Nintendo Switch
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『はらぺこミーム』は“愛らしいミーム”と“コロニー運営の楽しさ”が同居したライトゲーマーからハードコアゲーマーまで楽しめるタイトルだ!絵本のような世界で「自分のミーム史」を紡いでいこう
『はらぺこミーム』は“愛らしいミーム”と“コロニー運営の楽しさ”が同居したライトゲーマーからハードコアゲーマーまで楽しめるタイトルだ!絵本のような世界で「自分のミーム史」を紡いでいこう 全 30 枚 拡大写真

クラウディッドレパードエンタテインメントより6月19日にニンテンドースイッチ向けコロニーシミュレーション『はらぺこミーム』がリリースされます(Steam版はドリコムより発売予定)。本作はその名前からも想像できるように、穏やかなビジュアルの世界をもとに広げられるコロニーシムとなります。

不思議な生き物「ミーム」たちをプレイヤーが手助けして、世界樹を再生していくというのが本作の物語です。おだやかで時に賑やかな、まるで絵本のようなテイストですが、実は同時にしっかりとミームを導かなければならない戦略性の高い一面もあります。

“自分のミームたち”を大事に守ってコロニーを発展させていくことが、『はらぺこミーム』においては大事な要素となります。プレイヤーが導いたミームたちがしっかり育っていくことで芽生える愛着や、そこからくる「守ってあげたい」という気持ちが生まれるコロニーシムが『はらぺこミーム』なのです。本稿では、そんな絵本のような優しいゲーム『はらぺこミーム』がいったいどのようなゲームなのか、そしてどのように進めて行くゲームなのか、その魅力をお伝えします。

『はらぺこミーム』 公式サイトはコチラ!

AIで動くミームを導いて絵本の世界の“バッドエンド”を覆そう!シンプルそうで奥深いそのゲームシステム

『はらぺこミーム』は、『がんばれ森川くん2号』『アストロノーカ』『ジャンピング・フラッシュ』で知られる森川幸人氏がゲームに登場する全てのアートやAIの設計を担当し、原案は『moon』『ちびロボ!』『L.O.L.:Lack Of Love』といった根強いファンを持つゲームを手掛けてきた西健一氏が手掛けています。ゲームディレクターはドリコム ゲームカンパニー所属の人見楽氏と、実績のある多くのクリエイターが参加しています。

タイトルの『はらぺこミーム』の「ミーム」とは、本作の中心となる生物たちの名前です。ミームたちは「たべて、ねて、あそぶことが大好きないきもの」……冒頭の説明で「だれかさんにそっくりなこのいきものは「ミーム」というなまえでした!」と続くのは、なかなかセンスの効いた言い回し。

恵みをくれる世界樹を枯らしてしまうほどミームたちが暴食をしてしまったので、賢者ミームが立ち上がり、「キセキのなべ」を作ってミームたちが暴食ではなく「食事」を楽しめるようにしました。しかしそこでも本能に忠実で温かい食事にテンションがあがったミームが、うっかり「キセキのなべ」を壊してしまって......というのが導入部分となります。

この行動からわかる通り、「考えていない」のではなく、ある程度知性があるからこそ失敗してしまうのがミームたち。なのでプレイヤーが導かなくてはならないのです。ミームたちはAIによって自律して動くので「食べられないものを口に含んでしまう」など、失敗から学習していきます。

そして、『はらぺこミーム』は“絵本の中で繰り広げられる物語”となっています。演出のみならず実際にプレイヤーは「読み手」なのです。この絵本の中でゆたかなミームの世界を作り、ミームを守って幸せにし“最高のごちそう”を食べさせてあげることが本作の目標なのです。「キセキのなべ」を直して村を発展させ、今度こそ幸せなミームの世界を築きましょう。

さて、肝心のゲームに目を向けていきます。本作では主に「ミームの暮らしているコロニー」と「世界樹の中にある探索フィールド」の二か所を中心にプレイしていくことになります。

探索フィールドはミームたちを率いて、食材や建造物の素材を集めに行く場所。この時プレイヤーが操作できるのは集めた物資を入れる「袋」だけ! 基本的に探索はミーム任せで、彼らの動きを見守ることになります。

ミームはAIで動きさまざまなことを学習していくため、初めは食べられないものを口に含んでしまうなど思う通りに動いてくれませんが、様々な経験を積んでいくことでスキルのレベルアップを含め、頼りになる存在へと成長していきます。

ミームたちの住処となるコロニーはプレイヤーが環境を整えてあげなければいけません。ここでは新たなミームを生み出すためのブリーディングであったり、メンタルやヘルス、まんぷく値といったステータスを管理するために必要な「ごちそう」を作ることができる「キセキのなべ」もここで操作します。

ゲームを進めていくと採掘所や農園などの様々な施設も解放されて、メンタルを回復するためのトランポリンや「枯れ木」「黒石」「コメムギ」といった必要素材の生産も可能に! さらにはコロニーを飾り立てるオブジェクトも配置できます。

素材を集めるための探索フィールドでは、物資を盗む「オバケちゃん」を始めとして、お邪魔キャラなモンスター、普通のミームでは飛び乗れない高所や溺れてしまう水場など、障害物だらけになっています。ミームは探索で得た経験を通じて成長してくれますが、1世代では限りがあります。そこで必要となるのはコロニーでスキルを継承した新たなミームを誕生させ、世代を経てスキルを強めていくことです。

ストーリーとしての最終目的は“最高のごちそう”を作ることですが、世界樹を成長(復活)させるために必要なのは「ミームたちの喜びの光」です。はらぺこな彼らに特別なごちそうを使って「宴」を催し、喜ばせましょう! 彼らの喜びで世界樹の内部も広がり、そこで得られる古代の遺物を修復することでコロニーの領域も広がっていきます。

探索を通じて希少な食材を集めてコロニーを充実させ、新たなスキルを獲得したミームで道を切り開く。そして増えた彼らと宴を行い世界樹を成長させていく……このサイクルを繰り返していくと、ミームたちが唯一無二の仲間だと感じてきているはず。“最高のごちそう”、ハッピーエンドをめざして、自分だけのミームの歴史を紡いでいきましょう!

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実際に「ミームの歴史」を紡いでみた!世代を経るごとに深まる“ミームへの愛”と、ハマる“コロニー運営計画”の奥深さ

ここからは実際のプレイフィールを交え、『はらぺこミーム』を紹介していきます。先に書いておくと、本作は不思議なビジュアルのミームたちに愛着が湧く一方で、コロニーシムらしいゲームとしての楽しさ、歯ごたえも十二分に存在しているので、ライトゲーマーだけでなく、ハードコアなゲーマーも楽しめる(というよりそれが『はらぺこミーム』の楽しさなのだろう)タイトルという印象です。

はじめに仲間になるのは「きいすけ」と「ちゃっぴー」のふたり。チュートリアルが終わるあたりで「ココ」も仲間となりました。きいすけ、ちゃっぴーは固定ですが、他のミームはランダムで名前が振り当てられます。名前がつくことで「ミーム」ではなく「きいすけ」と呼べるのは嬉しいですね。初めての仲間なので愛着が湧きます。

ミームたちを導く上で注意したいのが「寿命」の存在で、はじめのうちは大体15日くらいで命尽きてしまいます……(後々建設できる施設で寿命は伸ばせますが)。そんな中で「宴」、そして「最高のごちそう」を目指していくために、まずは生活の基盤を固める必要があります。食材の確保や住居の建設を確保し、「愛の巣」で次なる世代を生み出していくため、世界樹の中を探索しなければなりません。

前述したように、ミームたちにはメンタル、ヘルス、まんぷく値というステータスが存在していて、まんぷく値は時間が進むだけで徐々に目減りしていきます。一日のおわりに「ごちそう」を食べられなかったらまんぷく値が減るのはもちろん、メンタルもがっつり減ってしまいます。

メンタルが低くなると目がバッキバキの「ヤバヤバミーム」になって、コロニーに作った建物をけっとばすなどあばれることで耐久値を減らしてしまいます。「ごちそう」を用意し損なった次の朝などは、メンタルが低くなったミームに手を焼かされます。 そうならないよう「おやつ」をあげたり、トランポリンで遊んでもらいメンタルを管理しましょう。

理性がなくなったミームは気の向くままに行動してしまう!

最大3人までミームを連れて向かう「探索」では、プレイヤーはアナログスティックとボタン操作で袋を移動させるのみです。 あとは袋に追従してくれるミームたちに任せることになるのですが、序盤は「ミームたちがなにをすべきかあまりわかっていない」状況でヤキモキさせられます。まるでミームたちに意思があるかのような物言いですが、彼らはAIによって挙動が変化してくるので“実際に学習している”のです。

「オバケちゃん」はミームたちが集めた物資を取っていきますし、序盤でも先に行けばメンタルを削ってくるチンアナゴみたいな敵もいます。袋での誘導をコントロールして避けたり……あるいは「オバケちゃんは1個盗めば満足するし、今採取した素材だったらリカバリーが効くな」などと計算しつつ行動していくわけです。重要なのは「いま最も必要な素材は何か」と優先順位を作ること!

探索で得た経験、たとえば「木を揺らす」「小さな崖をジャンプする」などでミームたちは経験を通じて、スキルを獲得します。スキルは2種類あって「基本スキル」「進化スキル」が存在しています。ふたつずつ、計4個のスキルがひとりのミームが持てる最大数。4個といわず推しのミームにたくさん持たせたいところですが、えこひいきは出来ません。

進化スキルは基本スキルから派生して、世代交代を経て育てていく要素。多くのスキルがマップ攻略に役立つので、まんべんなく育てるのが重要です。(ちなみに、基本スキルは付け替え可能です!)

さらにはスキルを基にしたシンボルを建てることで新たな施設も解放されます。寿命が尽きていなくなっても、彼らが歩んできた痕跡は残ります……いつのまにやら、筆者はかなりミームたちに感情移入していますね。

中には敵を撃退できるスキルも!

生まれたての新米ミームでも、ある程度経験を積ませてスキルも育てたら、かなり頼りになるミームに育ちます。その様子を見ていると「初めは手を焼かせられたこの子も、すっかり大人になったなぁ……」としんみりしちゃいます。

そして、探索ではメンタル管理が最も大事。ミームたちは案外繊細で、小さなポイントでもストレスを感じてしまいメンタルを減らします。メンタルが低くなると目がバッキバキに充血したミームたちが、袋に入れるべきモノを投げたり、ケンカしたり暴れ始めてしまうので、プレイヤーとしては焦ってしまいます!

メンタルを回復できるおやつは三つまで持ち込み可で、探索に制限時間は設けられていませんが、基本的に「メンタルが低くなる」か「袋がいっぱいになったか」が1回の探索における限界だとプレイをしていて感じました。小さなテクニックですが、「1人足が速めのミームを連れて、目的の素材だけ手に入れてすぐ帰る」なんてことも可能ですよ!

●遊べば遊ぶほど増していく「スキル継承」の楽しさ

『はらぺこミーム』は1日が現実世界の10分と同期しているのでいつでも休憩できて、さくっとプレイが可能。10分といっても体感でこの時間は長め。1日でできる事は多く、やりごたえを感じます。しかしもたもたしてはいられません。ガイド役である「トーレン様」が1分ごとに時間経過を告知してくれるのですが、1日の終わりまで残り3分などになってくると次の一手に悩ませられるのです。

「今から探索に行っても短い時間しか動けないから、急いで行動する」あるいは「明日の朝一で、昨日こなせなかったタスクを処理する」。この判断には悩まされました。……なにせ1日分寿命が減るのはもちろん、「ごちそう」無しで日をまたぐと全員空腹だし、メンタルも減ってしまいます。また、定期的に訪れる災厄「まっくろ月の夜」にも気をつけましょう。家なしでこの夜を迎えるとメンタルが大きく削られてしまいます!

ただ、「まっくろ月の夜」を始めとしたカットインは幻想的でとても美しいもの。ゲーム的には危ない要素ですが、これを見られるとなるとちょっと嬉しく思います。さらにはよくよくゲーム画面を観ていると「ミームではない何か」もコロニーにいたりして、ディティールを眺めていても楽しいですね。

さて、ミームたちの生活がある程度軌道に乗ってくると、「宴」の開催が視野に入ってきます。参考までに筆者が1回目の宴までに要した時間は4時間ほど。

ここまでくるとだいたい何回か世代交代を経ている状況になります。きいすけは寿命を迎え“月に帰って”しまいましたが、コロニーには飾りとしてお墓を建てることも可能です。筆者は、きいすけたちができる限り「ごちそう」の近くにいてほしいとの想いから、「キセキのなべ」の近くに建てました。

寂しいことですが、世代交代はゲームを進める上で非常に重要です。なにせミームのスキルは1世代に一回しか成長しないので、そのスキルを次世代に継承し、またひとつ、探索を通じてスキルを成長させていくからです。これが途絶えると非常に困る!なにせ成長させたスキルを途絶えさせてしまうと、またいちからやり直さないといけない状況になりかねません。これを避けるためにも計画的にスキルを管理していかなければならないわけです。

宴を開催できる段階になると、伐採場やトランポリンなど数多くの施設が立てられるようになります。ミームの数も初めは2人だったのに大勢で食卓もとい「キセキのなべ」を囲むようになりました。ついでに言うと、一度に探索にいけるミームは3人までですが、村にいる残りのミームも遊んでいるわけではなく、役目を与えられます(役目としてトランポリン(メンタル回復効果)で遊んでいるミームもいますが!)。コロニーシムらしく、特定の物資を生産してくれたりしはじめて、探索がだいぶ楽になってきます。

一部のゲーマーなら、“自動で物資を生産してくれる”という要素に「コロニーシムらしくなってきたな!」と思うことでしょう。『はらぺこミーム』ではプランなくブリーディングを行ったり、資源管理を怠ると詰んでしまいかねない難しさがあり、これを計算していくという「コロニーシムの楽しさ」が存在しています。この「頭をひねって集団を導いている」という感覚が、そのままミームへの愛着へと繋がっていくのです。「寿命が来る前に世代交代しなくちゃ!」など焦るシーンもありますが、そうした困難を経て紡がれた命には特別な愛着がわきます。

ブリーディングによって両親の見た目を思わせる子も産まれますし、時には全く変わった見た目の種族として喜びを与えてくれたりもします。初めはゲームのストーリーとして目指していた“最高のごちそう”ですが、何度かの宴を越えると「自分のミームたち」との感覚が強くなり、「ぜひ彼らに最高のごちそうを振舞いたい」と思わせられます。

あらためて、ゲームは探索と建築によってミームを増やし、宴によって更なる探索エリアに赴いていく……このサイクルで行われます。これだけ書けば簡単そうに見えますが、道中には様々な困難が待ち受けていて、それを乗り越えていくことで“自分だけのミームの歴史”が紡がれていきます。

ちなみに筆者の推しミームは「ルカス」。甲羅族の特徴を持った子で、頭突きで敵と戦ってくれたりする頼もしいミームです。


バッドエンドの絵本を覆すコロニーシム『はらぺこミーム』。本作はその愛らしいビジュアルだけではなく、ゲームとしての面白さもしっかり持っています。世界観やミームの可愛さが気に入った方だけでなく、コロニーシム好きのゲーマーには強くお勧めです!

ニンテンドースイッチ向けソフト『はらぺこミーム』は6月19日に発売予定。パッケージ版は5,478円(税込)、ダウンロード版は4,708円(税込)です。初回購入特典、早期購入特典にはハロウィンの飾り付けが可能になるDLC「スイカハロウィンセット」が用意されています。また、ミーム柄の特製BOXに入った豪華限定版も6,908円(税込)で登場。こちらにはアートブックやミームステッカー、DLC「スイカハロウィンセット2」が付属します。(Steam版はドリコムより発売予定)

『はらぺこミーム』 公式サイトはコチラ!

《高村 響》

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