『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』がリマスターの概念を覆す!今だからこそ沁みる物語、刷新バトルシステムは新作並の衝撃だった

『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』リマスター、『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』先行プレイレポートをお届けします!

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『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』がリマスターの概念を覆す!今だからこそ沁みる物語、刷新バトルシステムは新作並の衝撃だった
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グラフィックはHDリマスター化、ストーリーのキャラクターボイスはフルボイス化、バトルシステムの刷新、仲魔の大幅追加……。改善点や新要素が多い、多すぎる。これはリマスターじゃない、リメイクだ!

2025年6月19日、19年以上の時を経て『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』がニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Steam向けゲームとして生まれ変わりました。

RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』と名を冠する本作は、アトラスの看板タイトル『真・女神転生』の派生で生まれた『デビルサマナー』シリーズ人気作のリマスター版です。しかし、本作では「デビルサマナー」の表記はタイトルになく、むしろ “ライドウ”の名が前に出ていることから、より主人公の名が強調されているような印象を抱きます。

さらにはタイトルでもリマスター版と称しつつも、その中身は記事冒頭で述べたようにリメイクの側面を強く感じる『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』。幸いにもそんなリマスターの概念を覆すかのような本作を先行プレイする機会をいただけたため、本稿ではレポートをお届けしていきます。

十四代目葛葉ライドウ、ただただクールでカッコいい……。実在しない“大正二十年”を探偵見習いとして駆け抜ける

本作の舞台は大正二十年。主人公(CV.杉田智和)は悪魔たちを使役する悪魔召喚師の名門、葛葉一族に伝わる名跡、「葛葉ライドウ」を襲名。十四代目 葛葉ライドウとして、帝都を人知れず護る日々に身を投じていきます。表の姿は銭湯であっても学帽を着用したまま入り、上着をはためかせながら颯爽と帝都を駆け抜ける書生です。

そして相棒は、渋い中田譲治さんの声で「ゆけライドウ!」「にゃーすてきー!」などを喋って親身に(ときには過保護と言われることも)サポートしてくれる黒猫「業斗童子(CV.中田譲治)」です。

リマスター版ではグラフィック向上およびバトルシステム改善により、ライドウの表情やスタイリッシュな動きがさらによくうかがえるようになっていました。筆者も改めてライドウに惚れ直しているところです。

さて、ここまで読んで「大正20年!?大正って15年までじゃなかった?」とか、「黒猫が喋るってどういうこと?」と疑問を抱いた方は探偵の素質が十分にあります。ライドウは「鳴海探偵社」を営む、「鳴海(CV.子安武人)」の下で働く探偵見習いでもあるのです。

物語は、そんな探偵社に帝都有数の名家『大道寺家』の令嬢「大道寺伽耶(CV.鬼頭明里)」から「自分を殺して」という依頼が舞い込むところから動き出します。ライドウたちはなんとも奇妙な内容を受け駆けつけたものの、伽耶は人ならざる力を持った謎の憲兵にさらわれてしまい、彼女の行方を追っていくことに。

1人の少女からの依頼解決(?)に励んでいたはずが次第に謎が謎を呼び、やがて「超力兵団計画」なる何やら怪しげな計画の名も飛び出していく……というような流れで、どんどん先が気になるストーリー構成はプレイを捗らせてくれること間違いなし。物語を進めていて抱いた疑問や伏線回収が綺麗にされていくので、読んでいて気持ち良くなることでしょう。

現代社会にこそ通ずる?事件解決を経て出会う人々の悩み

またストーリー中のキャラクターボイスは全編フルボイスへと進化。豪華声優陣が新たにキャラクターへ命を吹き込んでいるので、よりストーリーに深みが増しています。

現実では何かと経済的な問題が多く見られる現代日本ですが、なぜか昭和へと至らなかった大正20年でも人の悩みは耐えません。物語では、2025年の今だからこそ身につまされるような出来事も展開されていきます。

少しピックアップして紹介しておきたいのが、人力車引きの車夫「飯田伝八」です。彼は西洋文化が流入し急速に発展する時代に自動車が台頭し始め、仕事を失うかもしれないと強く不安を抱いて生きています。

飯田と同じように、日々を生きていて「仕事がなくなるかも」と不安に思った方も読者の中にいるのではないでしょうか。筆者はGame*Sparkで編集したり今回のように執筆したりとしていますが、その内「AIに仕事が乗っ取られるのではないか」とたまに考えるので、他人事とは思えず……。

はるか昔の話であるのに、飯田の悩み以外にも現代社会に通ずる問題も多く飛び出すのが本作です。一個人の悩みと侮ることなかれ、本件も大きく物語に関わっていきます。どのように本筋と繋がるのかは……ぜひ探偵となったご自身でご確認ください。

『アバドン王』ベースの新バトルシステムは快適そのもの!何戦でも続けて遊びたい

また『RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』を語る上で欠かせないのは、やはりバトルシステムについてでしょう!

リマスターの域を超える変化がなされた部分はまさにここで、シリーズでもバトル面で高い評価を博すシリーズ2作目にあたる『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王』がベースになっています。多くのオリジナル版プレイヤーが抱いていた願望が実現したのです。

バトルはライドウと仲魔2体で挑みます。プレイヤーは主にライドウを操作するのですが、この攻撃方法やバトルテンポが快適そのもの!

攻撃ボタンを押すだけで、ライドウが自動的に敵に近付いてくれるのです。位置取りに苦戦しないため、アクション好きでありながらアクションが苦手という筆者も、おかげで全く苦労せずバトルを楽しむことができました。

またリマスターで追加された大技が、フィールド全体の敵へ大ダメージを与えられる「スピリット剣」です。発動には「スピリットゲージ」を溜める必要があるものの、かなりの高威力を誇る上にエフェクトも派手なので、戦闘中に繰り出せるとこれまた快感。雑魚敵を一撃で吹き飛ばしてしまいましょう!

さらに悪魔の種類やオリジナル版から50体以上が追加され、なんと2倍を越える合計120体以上に大幅増加。これにより、原作でどれだけやり込んでいたプレイヤーも悪魔合体や育成要素を新鮮な気持ちで楽しめます。

さらにそんな悪魔もとい仲魔を輝かせ、戦闘システムの目玉でもあるのが「MAGドレインバトル」です。

仲魔の「アギ」「ディア」など特技(スキル)を繰り出すためには「MAG(マグネタイト)」というエネルギーを集める必要があり、これが枯渇してしまうと仲魔は特技を発動できなくなってしまいます。

MAGはライドウの「弱刀攻撃」で敵からMAGを奪い、回復することが可能。弱点を突いて「弱点硬直」を引き起こした敵からは、より多くのMAGを奪うことができます。上手く立ち回りを組み合わせていくことで、一方的に連続で敵にダメージを与えていけるのです。

オリジナル版とは大きく異なり、アクションに戦略性も加わった何度遊んでも飽きないバトルシステムが魅力的ですね。

やっぱりただのリマスターではなくリメイクだった。ファンの望みを反映した刷新要素

さて、本稿では主に現代こそ読んでほしい考えさせられるストーリーとバトルシステムについてお届けしました。

そのほか目的地の明確化や幅広い難易度設定、オートセーブとクイックセーブなどなど……細かな部分まで丸ごと遊びやすいよう刷新されており、繰り返しになりますがとてもじゃないけれど“ただのリマスター”ではなく、立派なリメイク作と評したい出来栄えです。

オリジナル版を遊んだユーザーはもちろん、『デビルサマナー』シリーズどころか『真・女神転生』シリーズに触れたことがない方まで、この夏は本作で十四代目葛葉ライドウになって帝都を護るしかありません!


RAIDOU Remastered: 超力兵団奇譚』は、ニンテンドースイッチ2/ニンテンドースイッチ/PS5/PS4/Xbox Series X|S/ PC(Steam)向けに6月19日より発売中。価格は通常版が6,578円(税込)、特典付きのデジタルデラックス版が8,778円(税込)です。

※「葛」の字は異体字が正しい表記となります。

©ATLUS. ©SEGA


《八羽汰わちは》

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