『ドラクエ』サマルトリアの王女は、HD-2D版より“30年以上も前”に冒険していた!?ー平成初期に描かれたもうひとつの物語、そしてゲーム版との意外な繋がりも

HD-2D版『ドラクエII』で初めてパーティに加わったサマルトリアの王女。しかし30年以上も前に、彼女が冒険に出かけた

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『ドラクエ』サマルトリアの王女は、HD-2D版より“30年以上も前”に冒険していた!?ー平成初期に描かれたもうひとつの物語、そしてゲーム版との意外な繋がりも
『ドラクエ』サマルトリアの王女は、HD-2D版より“30年以上も前”に冒険していた!?ー平成初期に描かれたもうひとつの物語、そしてゲーム版との意外な繋がりも 全 8 枚 拡大写真

10月30日に発売されたHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』は、名作と名高い『ドラゴンクエスト』と『ドラゴンクエストII』をフルリメイクし、現代に蘇らせました作品です。

このリメイク作は追加要素も数多く、HD-2D版『ドラクエII』ではサマルトリアの王女「マカロン」(デフォルトネーム)がパーティに加わり、これまでにない冒険譚が描かれます。

サマルトリアの王女がパーティに加わり、冒険に旅立つ『ドラクエII』は、本作が初めて。お城を飛び出したマカロンがどんな活躍を遂げるのか、その一部始終をプレイヤーが目撃している頃でしょう。

しかし、サマルトリアの王女が冒険に出かけるのは、実は本作が初めてではありません。ゲームではHD-2D版『ドラクエII』が初ですが、30年以上も前に城を飛び出す彼女の物語が紡がれていたのです。

■もうひとりのサマルトリア王女「ティア」の冒険

その物語は、1992年に出版された書籍「ドラゴンクエスト 知られざる伝説 ロト2」に収録されています。この本は、ゲームの内容をモチーフに広げたエピソードをまとめあげた短編集で、デルコンダル王のお忍び視察や、ムーンブルク城で子犬と出会う少女の話など、『ドラクエII』プレイヤーの心をくすぐる内容となっています。

その収録作のひとつが、サマルトリアの王女が短い冒険に出かける「わがまま姫様の捕物騒動」です。この物語は「ティア」という名前の王女が、兄に負けじと自分も冒険に出ると“おねだり”する場面から始まります。

タイトルからも分かる通り、ティアは我が強く、今回の冒険もわがままを押し通して勝ち取ります。父親であるサマルトリアの王は、必ず夕刻に帰ること、腕利きの戦士を連れていくことなど条件を課しますが、後者はともかく前者は守ることなく、ローレシアの城を目指して旅立ちました。

■主人公よりも……!? ティアの初期装備が恵まれすぎ

冒険に出かけるとなれば、気になるのは身に着けている装備です。『ドラクエ』シリーズは、勇者の末裔であっても初期装備が心もとないことが多く、たびたびネタになりました。

ちなみにHD-2D版『ドラクエI&II』では、『II』だけでなく『I』の初期武器も「どうのつるぎ」です。かつての時代と比べると、恵まれた状態になっています。

HD-2D版『ドラクエII』のマカロンは、呪文も使いこなします。一方ティアは、武闘派のようです。

しかし“わがまま姫”なティアの装備品は、「くさりがま」に「くさりかたびら」。どちらも、一般的な初期装備よりも1~2ランクほど上回っており、出立時としては考えられないほどの豪華さです。

王様からすれば、可愛い王女に万が一がないよう、(装備できる範囲で)出来るだけいいものを揃えた結果なのかもしれません。しかし、それならサマルトリアの王子にも、もうちょっといい装備を……とも思ってしまいますが、ディアがそれだけ甘え上手なのでしょう。

ちなみにティアは、かすり傷とはいえ、ドラキーに一撃を食らわせています。長く冒険を続けていれば、マカロンのように活躍する王女になれた……かも?



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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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