Serifの開発したクリエイティブツール「Affinity」シリーズ製品が一つに統合され、新しい無料のアプリ「Affinity Studio」となってリリースされました。
画像編集やデザインがひとつのアプリに!無料化で注目の「Affinity Studio」
「Affinity」シリーズはSerifが開発したクリエイター向けのツールで、現在はCanvaに買収されています。これまでに「Affinity Designer」「Affinity Photo」「Affinity Publisher」といった画像の編集やデザイン用のソフトウェアをリリースしています。
新たな「Affinity Studio」は前述の「Affinity」シリーズ製品3つをひとつにまとめたアプリで、無料で利用可能。Adobeの展開する「Photoshop」や「Illustrator」といったデザインツールの代替アプリとして、あらゆる層のユーザーから注目を集めています。


ソフトは日本語にももちろん対応しており、アプリ内のタブを切り替えることでさまざまな機能に瞬時にアクセスできます。PSDファイルをはじめ、AIS、IDML、DWGなどといったあらゆる拡張子のインポートに対応しています。
なお、AIツールを用いた機能を使用する場合にのみCanvaのサブスクリプションが必要となりますが、画像編集やデザインなど「Affinity Studio」の基本的な機能は無料で制限なく利用することができます。

4日間で100万人以上が「Affinity」に登録―“無料化”の方針とは
これまでもAffinity製品は、買い切り形式であることや値段が手頃であることから、高額なAdobeの製品の代替手段として知られていました。今回の“無料化”の影響は大きく、Canvaの発表では4日間で100万人以上のユーザーがAffinityに登録したことを明かしています。
また、Canvaは「How is Affinity now free?」という動画や公式のニュースで、ツールの無料化に踏み切った経緯を説明しており、無料の裏には何か“落とし穴”があるのではないか?というユーザーの懸念に対応しています。

Affinityの無料化は以前から掲げられてきた、「居住地や予算に関係なく、誰もが優れたデザインツールにアクセスできるべきだ」という理念に基づいています。学生や新しいクリエイター、世界中の才能ある人々にとって、高額なプロ向けのクリエイティブツールは“最大の障壁”であったと指摘。
Canvaは2,800万人以上の有料会員と、年間35億ドルの収益という安定した収益の基盤をすでに構築しており、これによって今回の無料提供に踏み切れたといいます。
くわえて、Canvaはデータの利用についても言及。無料ということで自身のデータがAIのトレーニングに秘密裏に使用されるのでは、という不安の声に対して、「作品はローカルに保存され、AI機能のトレーニングや開発に使用しない」ことが明言されています。

余談ではありますが、Affinityの存在もあってかAdobeのカスタマーサポートには多くの問い合わせが集中しているようです。
Adobeの製品に関しては、近年はPhotoshopとLightroomの利用権をセットにした最安のフォトプランの値上げが行われているほか、生成AIを率先して取り込む姿勢に対する批判にもさらされています。クリエイティブツールといえばAdobeの製品が“一強”ともいえる現状ですが、「Affinity Studio」の存在はゲームチェンジャーとなるのでしょうか。
学生や個人などあらゆる層の「軽い作業をしたいけどプロ向けのツールやサブスクは高い……」というニーズに応える「Affinity Studio」は、PC(Windows/mac)向けに公式サイトよりダウンロード可能です。


