Epic GamesのCEOであるティム・スウィーニー氏は2025年12月19日、Appleが日本の「モバイルソフトウェア競争法(MSCA)」への対応として発表した変更に対し、自身の公式Xで声明を発表しました。今年5月には復活が期待されていた『フォートナイト』の日本におけるiOSへの年内復帰が見送られることを明かし、Appleの対応を厳しく批判しています。
Appleの新方針は「法令違反による茶番」
今年5月、Epic GamesとApple間の裁判の進展を受け、スウィーニー氏はiOS版『フォートナイト』の復活に意欲を見せていました。
しかし今回、同氏は声明の中で「残念ながら、『フォートナイト』は約束されていた2025年に日本のiOSへは戻りません」と報告。その理由として、Appleが日本の法規制に対応して発表した新方針が、誠実な対応ではなく「妨害と法令違反によるさらなる茶番」であり、「日本の政府と国民に対する甚だしい冒涜」であると非難しました。
Appleが新たに発表した方針では、開発者は日本国内のApp Storeにおいて、Appleのアプリ内課金以外の決済手段(代替決済)や、代替アプリマーケットプレイスを提供できるようになります。しかし、スウィーニー氏はこの方針に含まれる複数の条件を問題視しています。
同氏が特に批判しているのは、代替決済を利用した場合でも、Appleがアプリ内での代替決済に21%、アプリ外のウェブサイトでの決済に15%の手数料を課す点です。これらは「競争を阻害する無意味な手数料」であり、米国の裁判所でもすでに違法と判断された行為だと指摘しています。

さらに、Appleの方針では、代替決済や代替マーケットプレイスへ誘導する際に「Appleではなく開発者と取引することになる」といった警告画面を表示することが義務付けられています。スウィーニー氏はこれを、ユーザーの安全性が脅かされると誤解させるための反競争的な警告画面であると批判しています。

スウィーニー氏は、Appleの対応が変わらない限り真の競争は起こらないとし、この件について日本の公正取引委員会に苦情を申し立てる予定であると述べています。





