!注意!
本インタビュー記事は『魔法少女ノ魔女裁判』をクリア済みの方向けです。重大なネタバレを含むため、閲覧にはご注意ください。

Acaciaが手掛け、2025年7月18日にSteamで発売された魔法議論×ミステリーADV『魔法少女ノ魔女裁判(通称:まのさば)』。現時点で18,000件以上のレビューを集め、“圧倒的に好評”を記録する大成功を収めています。
今回、そんな本作の開発に携わった滝口流氏とぎがしー氏から、発売数か月が経過した今だから明かせる開発舞台裏のお話や、今後の展望について伺いました。
『まのさば』誕生の経緯とは
――はじめに、自己紹介をお願いします。
滝口流氏(以下、滝口氏):シナリオライターの滝口です。本作ではゲームディレクター並びに裁判パートのシナリオの執筆を担当しています。
ぎがしー氏:リードエンジニアとブランナーを担当したぎがしーです。
――本作の開発を立ち上げた経緯、あるいは本作の開発に加わることになった経緯を教えてください。
滝口氏:シナリオを制作する会社として活動していた中で、畑さん(『まのさば』プロデューサー・畑俊行氏)から自社制作コンテンツを出したいという話がありまして。昔から好きなジャンルだったのもあり、「議論ゲームはどうですか」と社内プレゼンをしました。
そして、メインシナリオを担当している喜多さん(『まのさば』ストーリーパートメインシナリオライター等・喜多南氏)から魔女裁判という題材を提案いただいて、形としてまとめてもらったという経緯ですね。
そしてディレクターをやらせてもらうことになりましたが、ゲーム制作は初めてだったので、ぎがしーさんにいろいろと教えてもらいながらでした(笑)。
ぎがしー氏:いえいえ。
ぼくは、喜多さんと滝口さんが既に作っていた企画、つまり『まのさば』の原作の原作のようなものをアドベンチャーゲームとして成立させるという役割を担って開発に参加しました。なので、エンジニアリングはもちろんなんですけど、ゲームの仕様書を書いたりもしました。
こういうゲームにしたいというビジョンは滝口さんの中にあったので、それを聞いて最適な仕様を提案していくというスタイルでしたね。
また、今回のお話をいただく前から畑さんのシナリオのファンでして。『アイドルコネクト -Asterisk Live- 2022』というゲームで、2021年頃に一緒になったことがあったんです。そのときにいずれは自社作品を作りたいという話を聞いていました。それで、2023年1月頃に「あの企画やるよ」と連絡を受けて、これは絶対に面白くなるぞと参加を決断しました。

――「『まのさば』の原作の原作」というのは、どういったものでしたか?
滝口氏:基本的に、今のものと大きく内容が違うということはありません。シナリオ会社としての強みを生かすために、シナリオをメインにした面白いゲームを作りたいという感じで進んでいたと思います。
ぎがしー氏:そうですね。ぼくが参加した当初は、シナリオを読ませる以外の要素は最小限でした。裁判についても、ADVの延長のような仕組みで、あくまでミニマムなノベルゲームとして出したいといった形でした。
先人をリスペクトしつつ『まのさば』の色も大切に
――閉鎖空間でのデスゲーム、議論や裁判といった要素は『ダンガンロンパ』を思わせます。『ダンガンロンパ』やそれ以外の作品から影響を受けた点があれば教えてください。
滝口氏:裁判パートを手掛けた立場から言うと、『ダンガンロンパ』シリーズはもちろんのこと、『逆転裁判』シリーズからも類似ジャンルの先輩として影響を受けています。
また、人狼・マーダーミステリーといったテーブルトークゲームや、宇宙人狼こと『Among Us』を結構遊んでいるので、議論部分に関してはこれらの作品からも強く影響を受けていると思います。
ぎがしー氏:ぼくは、開発に参加するまで『ダンガンロンパ』に触れたことがなかったんです。企画段階で参考にプレイしてみてと言われて初めて遊んだのですが、めちゃくちゃ面白くて、「議論・裁判はこうやるんだ」という勉強にもなりました。
ただ、必ずしも『ダンガンロンパ』っぽくしようとして企画が進んでいたわけでもないんですね。『ダンガンロンパ』には言弾やミニゲームといったアクション要素がありましたが、本作はアクション性というよりも読み物としてシナリオで魅せようという企画からスタートしていたので、そこはブレないようにして仕様を決めていきました。
ADVパートの演出面では、TYPE-MOONさんのビジュアルノベルからも影響を受けています。『Fate/stay night』や『魔法使いの夜』『月姫』など、Live2Dのように立ち絵そのものがアニメーションになっているわけではなく、配置やカメラで動きが付けられている演出が凄く好きなんですよ。
なので、キャラクターをシルエットにして後ろ姿を表現する、キャラクターを前後に表示して片方にフォーカスする、スチルをズームした状態で出してから全体像を見せるなど、動いているように見せる演出という面で凄く参考にしていました。
開発チームの下城さん(『まのさば』スクリプター・下城サユウ氏)も、『魔法使いの夜』の演出は凄くいいと話していたのもあって、演出作りの方針の決定はスムーズでした。

――様々な作品から影響を受けつつも、本作らしさも大切にしていたということですね。他にも差別化を意識した点はありますか?
滝口氏:差別化というほどではないのですが、シナリオ会社で手掛けるということもあって、リッチな演出で勝負しようとしても、やっぱり大手さんには太刀打ちできないのかなと思っていて。なので、議論の展開の面白さのような部分に力を入れようと意識していました。
ぎがしー氏:演出といえば、実は本作でもLive2Dにしたらどうかという意見が何度か出たことがあるんですね。キャラクターの可愛さやかっこよさを強調できる技術として好きではあるのですが、本作の雰囲気には合わないということで採用には至りませんでした。
Live2Dを使ったハンナやシェリーによるギャグシーンは可愛く仕上がるとは思いますが、本作のほとんどはそういうシーンではないんですよね。少女の1人が殺されて、疑心暗鬼になって話し合いをしている。そんな場面で毎回腕を動かして考えたり驚いたりしていると、画面が賑やかになりすぎてしまいます。
Live2Dを使えばカメラワークなどをそれほど意識せずに動きを作ることができ、ある意味で楽ではあるのですが、作品の雰囲気を重視して、レイアウトやカメラワークのみで表現する“静”の演出にこだわりました。
批判も身構えていたけれど……発売後の盛り上がりに安堵
――本作は、発売直後からネタバレに配慮していれば配信などが許可される、緩めのガイドラインが公開されていました。こちらの反響はいかがでしたか?
滝口氏:僕もぎがしーさんも配信をたくさん見ていますよ!たくさん配信・実況してもらえているのが何よりもありがたいです。
シナリオを知った上で、他の人がプレイしている反応を見るのがとても面白い作品になっていると思うので、そういうところを自分も見ることができて嬉しいです。
ぎがしー氏:そうですね。後は、SNSで皆さんの反応を見ています。気に入っていただけているようで嬉しかったし、とにかく安心しました。
というのも、キャリアの半分くらいはソーシャルゲームに関わっていたのですが、強い口調で手厳しい意見をいただくことも多かったんです。それが精神的に辛かったので、本作の発売前はかなり身構えていました。感想の中から暴言を消して意見だけを取り出すツールを勝手に作ったりして(笑)。でも、蓋を開けてみると温かい反応ばかりで、胸が温かくなりました。
もちろん、批判意見も頂戴しているのですが、「ここは面白かった」というような意見とセットであったり、皆さんの言葉遣いが優しいんですよ。「ゲームを作り続けてきて良かったな」という気持ちになることができました。
先ほど言った発売前に作ったそのツールも一度も使うことなく、そのまま感想を見ることができています。本当にファンの皆さんに感謝しています。
あと、裁判パートで反論を選んでいるときに立ち絵がアップで出てくると思うのですが、実はあれは配信を意識して、開発の中盤以降に盛り込んだ仕様なんですよ。反論選択画面は、色々と推理したり、自分の考えを話したりして、配信上でプレイしていても一番手が止まる場面だと思うんです。そういうところでは特に画面全体が楽しくなるような絵作りをした方がいいなと意識していました。

――開発中から配信・実況プレイも意識していたというわけですね。他にも開発中にこだわっていた部分はありますか?
滝口氏:キャラクターみんなを好きになってもらう作品にする、という点を意識していました。自分が書いた裁判パートを含め、全員に活躍の場を用意しつつ、嫌いになるような動きはさせないように気を付けて制作しています。
ぎがしー氏:ぼくはあくまでエンジニアとプランナーなので、滝口さんや喜多さんから出てくる色々なアイデアをゲームとして成立させるという部分を最優先していました。
例えば、処刑ボタンだったり、裁判後の人形劇だったり、クラウドファンディングで後から決まったフルボイス対応だったり。できるだけ実現させようと常に心がけていました。
中でも、処刑ボタンを実装できたのは発売当日の朝というギリギリにもほどがあるタイミングで(笑)。とにかく要望は全部入れるぞという感じでした。
――当日ですか!プレイしていても印象的な要素のひとつだったので驚きです。
ぎがしー氏:そうなんです。当日の朝に実装して、効果音もその日に近藤さん(『まのさば』BGM/音響・近藤佑輔氏)に作ってもらいました。
また、溜まりきった後の「ファン」という音についても人の声にすると怖くていい感じだと提案していただき、さらにみんながアイデアを出しまくってそれを入れるという大変だけど楽しい開発でした。

ギリギリまで追加・調整に取り組んだ
――今のお話からも、開発のフットワークの軽さが伝わってきます。ほかにも、開発途中で大きく変化した要素はありますか?
滝口氏:システム的なところで言うと、裁判中のライフシステムですね。最後の1、2週間前くらいの段階でナシにしようという話をした記憶があります。ミス選択肢がフルボイスでしっかり用意されているという状態になっていたので、そこを聞きやすくするという意図もありました。
ぎがしー氏:そうですね。当初は、ノベル・推理ゲームが好きな層をターゲットにしていたので、議論の緊張感を高めるためにライフシステムは必要だよね、という感じで特に検討せずに実装する前提で動いていました。なので、ライフシステムは内部的にはUI含め完成間際な状態だったんです。
ただ、クラウドファンディングで支援してくださった方のデータやプロモーションに対する反応などを見ていると、ユーザーには10代の若い方やPCゲームを遊ぶ習慣がない方が多くて。プレイヤー層も考えて、ライフ自体を消しました。
ゲーム完成終盤の段階から新しい救済システムを完成させるのも難しかったのでこうしたのですが、プレイヤーの皆さんからは好意的に受け取ってもらえることが多くて、驚き半分嬉しさ半分という感じです。
――ギリギリまでシステム面の調整を行っていたのですね。
ぎがしー氏:ほかにも、裁判パートのシステム自体も何度も作り直していて、当初から別物になっています。そもそも最初はノベルゲームの延長という感じだったので、キャラクターやセリフ、選択肢の出方も普段のADVパートとほぼ同じでした。
ただ、これで作っていると色々と不都合が出てきたんですよね。例えば、円形の裁判所に等間隔で並んでいる様子を2Dで作っていると、演出中に不自然な箇所が目立つようになりまして。選択肢に関しても、議論中はセリフがオートで進行するので、ADVパートと同じように選択肢を表示するとすぐに次のセリフに行ってしまい、あまりにも考える時間が短くなってしまうといった問題がありました。
そのため、裁判パートは3Dで作り直し、選択肢は怪しいセリフをクリックしてからじっくり選べるという仕様に作り替えました。
こうやって問題をひとつひとつ解決して面白くしようとしていると、結果として『ダンガンロンパ』に近づいていったんです。『ダンガンロンパ』って、議論ゲームとして考え抜かれた作品だったんだなというのを改めて感じました。
滝口氏:そうですね。偉大な先人です。

――続いて、開発中に苦労した部分について教えてください。
滝口氏:やっぱり事件を考えるのは難しかったですね。ほとんどは僕が考えたのですが、ミステリーや推理は全然書いたことがないジャンルだったので、悩みながら手探りで進めていました。
世に出すまでは本当にこれが受け入れられるのかとずっと不安でしたが、感想などを見ると概ね受け入れてもらえたようで安心しています。
ぎがしー氏:フルボイス対応が特に大変でした。クラウドファンディング前は、シナリオを読ませることが最優先だったので、ボイスに関する話はほとんど出ていない状態だったんです。
喜多さんもその認識だったので、とにかくたくさんシナリオを書いて下さったのですが、ありがたいことにクラウドファンディングが大成功して、フルボイス対応が後から決まりました。そして15キャラクター分を収録・編集して、最終的にぼくの手元にすべて揃ったのが2025年5月下旬ごろだったと思います。
その頃、体験版開発と国外向けのローカライズ対応とボイス実装を同時に進めていたのもあって、一番大変な時期でした。もちろん、データ到着前から再生周りのシステムを準備してボイスを入れるだけでいいようにしていたのですが、ボイスファイルが2万くらいあって……普通にやると、開発で使っているサーバーが重すぎて固まってしまうような状況でした(笑)。ほかにもロードのタイミングに気を使わないといけないとか、フルボイスって大変なんだと実感しました。
また、物量に関しては、立ち絵の差分もすごいことになっています。腕も動くし、首の角度も変わるし、目の差分だけで10パターン以上あるしで、演出を作るコストがとても高いんですよね。
「発売延期するしかない」「1章だけ前半として出しちゃおう」みたいな案まで飛び出すくらいには切羽詰まった状況だったのですが、滝口さんがUnityをインストールして裁判パートのスクリプトに参加してくれたり、社内のスタッフの方やヘルプの方が立ち絵の差分指定やデバッグを手伝ってくれたりして……本当に良い現場だなと。
このチームが作るものは絶対に面白いものになると思うので、また同じメンバーでゲーム開発を続けていきたいなと思っています。
死体の美しさにこだわって事件を考えた
――滝口さんはミステリー初挑戦ということでしたが、裁判パートの執筆はどのような方向性で進めていきましたか?
滝口氏:一番最初に考えたのは、本作のテーマでもある死体の様子をどうやって美しく表現するかという部分です。ここは開発メンバーで話し合って、一番大事な要素だよねと確認をしていたので、どの事件も最初に死体の状況を決めてからトリックを考えていきました。
魔法に関しては、このキャラクターはこういう魔法を持っているという概要を喜多さんに用意してもらっていたので、それをベースにトリックを考えつつ、必要に応じて微調整していくという形で進めました。

――最後の裁判でクライマックスだからこそこだわった点などあれば教えてください。
滝口氏:最後のひとつ前、みんなを魔女化させていく裁判での話なんですが、ここではヒロを除いた12人分の魔女化をする必要があるし、誰かを省略するわけにもいかないので、とにかく長くなることは書く前から分かっているという場面だったんです。
なので、選択肢の中に魔法を使うものを用意する、精神的に追い詰めるだけではなくて説得を交えるなど、キャラクターごとに飽きさせないような工夫を盛り込みました。
あとは、最終盤では全員が仲間としてまとまっている描写になるよう気を配っています。最後の最後は間違えても、みんながかばってくれるようにしたりなどですね。
ぎがしー氏:同じくみんなを魔女化させていく場面で、滝口さんから魔法の演出を入れたいという提案があったので、そこは頑張って作りました。アリサの魔法で裁判所が炎上したり、ハンナの魔法で裁判所が揺れたりとかです。
あと、滝口さんから魔法を使う選択肢の話が出ましたが、あれは選択肢に賛成、偽証、魔法みたいなカテゴリを用意してほしいと滝口さんから要望を受けて作ったものなんです。当時はこんなに細分化する必要があるのだろうかと疑問に思いながら作っていました(笑)。
でも、滝口さんご自身でスクリプティングされた裁判パートを見てみると、完璧にカテゴリを使いこなされていて驚きました。細かく設定できるようにしていた反論カットインや画面分割演出は、開発時に想定していなかった形で登場したりもしていました。

――本作の重要なギミックのひとつとして、“2周目”の存在があります。話の流れ自体は変化しているとはいえ、同じメンバーで再び裁判を繰り返すことになるわけですが、マンネリ化を防ぐために意識していたことはありますか?
滝口氏:1周目、2周目の大きな違いというと、やはり捜査パートをカットしたところかなと思います。1周目でたくさんやったから大丈夫でしょうという気持ちもあり、スムーズに議論に移って楽しんでもらうということを意識しました。
あとは、やっていることは選択肢を選ぶだけで同じではあるんですが、「偽証」のように物語内での意味合いが異なってくる要素で、変化をつけたりもしています。
また大きな枠組みとして、1周目は「探偵・推理・議論ゲーム」という建付けだったのですが、2周目はそれこそ『Among Us』や人狼ゲームのような、「議論ゲーム」の面を強くしようと考えていました。
――すべてのキャラクターを活躍させるという熱意をもって開発されていたということなので、難しい質問になってしまうかもしれませんが、特に印象に残っているキャラクターを教えてください。
滝口氏:もちろん全員好きなキャラクターだということは前提にありつつ、特に数名を挙げるとしたらシェリー、ハンナ、ミリアでしょうか。
というのも、本作では複数人のシナリオライターで数キャラクターずつ案を出し合い、13人を決めるという流れで登場人物が決まったんですね。そして、その13人のうち僕の案が元になっているのが、シェリー、ハンナ、ミリアだったというわけです。
13人が決まった後は喜多さんが制作を担当していたのですが、その中でも特にシェリーは凄くいいキャラクターにしていただいたなと思っていて。僕自身も裁判パートの中で十二分に魅力を描き切れたと感じていて、思い入れがひと際強いキャラクターになっています。

ぎがしー氏:ぼくもどのキャラクターも大好きなので、1人を選ぶとなると難しいですね……。開発中に印象が凄く変わったという点では、レイアを挙げるかもしれません。
なぜかというと、イベントでの体験版展示のため、1章の第1話を作り込んでいる期間がかなり長かったんです。それこそ、2024年末まではずっと1話の完成度を高めるぞといった感じで。
それで、その第1話の犯人はレイアなわけですが、チュートリアルを兼ねているということもあって犯人だと分かりやすいし、怪しまれた後も無理やりな言い訳をして往生際が悪いじゃないですか。動機自体も割と短絡的なもので、ちょっと言い方は悪いのですが、レイアに対してあまりいい印象を持っていなかったんですよね。
でも開発の後半になって、手元に届いた2章のシナリオを読んでみたら、1章とは打って変わって、リーダーシップがあるのに意識が高すぎて面白いことも言う、めちゃくちゃ良いキャラクターになっていて驚きました(笑)。
多分、1章では自分がリーダーになるぞって気負っちゃっていたところがあると思うんですけど、2章ではリーダーをヒロに任せつつ、みんなが前向きになれるよう支える役回りになっていて、本来の持ち味を活かせているんでしょうね。
1章のレイアしか知らない期間が長かったので、こんなに魅力的なキャラクターだったのか!と衝撃を受けました。

『まのさば』の今後&「炙りビン」誕生経緯
――続いて、『まのさば』の今後についてお尋ねします。11月にはカットインボイスや章表示の追加などを行うアップデートが配信されましたが、今後もアップデートは継続されていくのでしょうか?
滝口氏:スイッチ版の移植開発が最優先ではあるものの、引き続き遊びやすくなるようなアップデートも進めていく予定です。
今回のアップデートは修正がメインでしたが、発売前に手が回っていなかった部分をできるだけ多く修正しようと詰め込んでいて、配信までお待たせしてしまったというところがあります。
ぎがしー氏:そうですね。例えば、今回追加した各話の冒頭で「第○話」と表示される演出も、開発終盤にUIが完成して実装直前まで行っていたのですが、どうしても間に合わなくてカットした要素でした。
また、カットインボイスに関しては、汎用的なボイスを用意しておこうということで、事前に収録していた音声なんです。それをカットインのボイスに使おうと、滝口氏さんにスクリプトを書いていただいて今回実装できた形です。
あと、もうひとつ今回調整したのはエンドクレジットですね。実は、エンドクレジットを作ったのは処刑ボタンを作った後の発売日の午後だったんですよ(笑)。
急いで支援者の皆さんの名前をUnityに書き込もうとしたら、あまりにも多すぎてフリーズしてしまって。画像化してから埋め込んで事なきを得たのですが、発売時間が30分遅れてしまうことになりました。
慌てて作っていたので修正が必要な場所もチラホラ残っていて、支援してくださった方へのお礼としてきちんとしないといけないなということで、重点的にアップデートしました。
今後の予定については、滝口さんが仰ったようにアップデートを続けていきたいと考えていて、要望が多いオートセーブ機能の実装に着手しています。
また、ニンテンドースイッチ版に向けてコントローラー対応やパフォーマンス改善も進めています。これはPCユーザーにとっても嬉しい要素だと思うので、準備が整い次第Steam版にも展開していきたいなと考えています。
今はニンテンドースイッチ版を最優先で進めているので少しゆっくり目になってしまうかなと思いますが、引き続きアップデートも楽しみにしていただければと思います。
――ニンテンドースイッチと言えば、ニンテンドースイッチ2版の発売予定があったりは...?
ぎがしー氏:ぼく個人の気持ちとしては、機会さえあれば出したいと考えています!
――ちなみに、「これだけは話しておきたい」という内容があればぜひお願いします。
ぎがしー氏:ニンテンドースイッチ版には追加要素があります!……とだけ言っておきます。
――楽しみです。となると気になるプレイヤーも多いと思いますが、Steam版では追加要素はどういった扱いになるのでしょうか?
ぎがしー氏:ニンテンドースイッチ版発売と同時にできるかは分からないのですが、Steam版でも同じ体験を楽しめるようにアップデートしていきたいと思っているので、ご安心いただければと思います。

――滝口さんの方からはいかがでしょうか。
滝口氏:僕の方からは、コメディ要素に関してのお話を。裁判パートの中にはコメディ要素の強い選択肢も結構あったと思うんですが、最初と最後の裁判以外でのミス選択肢は、深浦さん(『まのさば』裁判パートシナリオライター・深浦佑太氏)と我孫子さん(同・我孫子ユウジ氏)にお願いしていたんですね。
基本的に選択肢と方向性を伝えてセリフを書いてもらっていたのですけれど、例外があって。それが今ネットミーム化しているといっても過言ではないであろう、「炙りビン」なんです(笑)。
炙りビンは深浦さんから「思いついたので入れませんか」というアピールがあり、ゲーム内に登場しました。深浦さんと我孫子さんが居なければ、今の裁判パートはできていなかったというところをお伝えしておきます。

――最後にファンに向けてのメッセージをお願いします。
滝口氏:まずは、ありがとうございます!
感想、二次創作、配信、実況などたくさん見させていただいています。その中でも、リアルタイムの反応を文章で起こしているタイプの感想がすごく好きで、だいぶ読み込んでいます。
感想や二次創作など全てに目を通せているわけではないですが、目の届く範囲でできる限り見させてもらって非常にありがたく思っています。また別の作品でもお会い出来たらとても嬉しいです!
もちろん、本作についても引き続きスイッチ版やアップデートを頑張っていきます。今後もよろしくお願いします!
ぎがしー氏:本作の共犯になってくださった皆様、本当にありがとうございます!発売前から応援してくださっていた方からはもちろん、発売後に興味を持ったり配信を見たりした方からの反響も届いており、大変うれしく思っています。まだまだアップデートを続けられているのは、皆様の応援や支援があってのことです。
発売前の数か月は特に大変で、ニンテンドースイッチ版は少しお休みをいただいてから……と思ったりもしたのですが、スイッチ版を心待ちにされている方からの声が多数届いていて。これは悠長なことは言っていられないなと、アップデートと並行してニンテンドースイッチ版にも着手しています。
もう少しお待たせしてしまうことになりますが、ニンテンドースイッチ版はなるべく早く出すようにしますし、Steam版のアップデートもどんどん行っていければと思いますので、ぜひ期待してお待ちください!

今後の展開にも期待が高まる『魔法少女ノ魔女裁判』はSteamにて配信中。ニンテンドースイッチ版も発売予定です。




