『Apex Legends』の愛くるしいマスコット「ネッシー」は偶然から生まれた―開発者が語る誕生秘話

愛くるしいネッシー、なぜ生まれた?

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『Apex Legends』の愛くるしいマスコット「ネッシー」は偶然から生まれた―開発者が語る誕生秘話
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Respawn Entertainmentの定番バトロワFPS『Apex Legends』。そのゲーム初期から注目されている隠し要素として、「Nessie(ネッシー)」があります。愛くるしいフォルムは多くの人の心をつかみ、ゲーム内レジェンド「ワットソン」もNessieが大好きというキャラ付けがなされるほどでした。

本記事では、Respawn EntertainmentのリードライターであるAshley Reed氏にインタビューを実施。Nessieとはどういった存在なのか?なぜ最初入れようと思ったのか?その奥深くに迫ります。

「Nessie」は偶然から生まれた

――Apex LegendsにおけるNessieは、最初から象徴的な存在として構想されていたのでしょうか。それとも、開発の過程で自然に生まれたアイデアだったのでしょうか。

Reed:Nessieはまさに“うれしい偶然”でした。初期の頃、デザイナーたちが遊び心でマップの中にこっそり仕込んでいた、内輪ネタのような存在だったんです。

Nessieは、キングスキャニオンにチームが忍ばせた数ある小ネタのひとつでした。たとえば、建物に押された「R5」のスタンプ(Apex Legendsの開発コードネームへの言及)や、Jason McCordの飼い犬の写真などと同じ感覚ですね。

僕たち自身と、一部の気づいたプレイヤーがクスッと笑える、ちょっとした“お遊び”のつもりでした。ここまで大きな存在になるとは、当時はまったく想像していませんでした。

――なぜネッシー(首長竜)をモチーフにしたキャラクターだったのでしょうか。

Reed:ある意味では、“向こうから勝手に選ばれた”ようなものですね。『Titanfall』の発売前、チームがティーザー画像を公開したことがあったのですが、それを見たあるファンが「これはロッホ・ネスの怪物だ」と本気で勘違いしたことがあったんです。

それがあまりにも面白くて、チーム全体でそのネタに乗っかりました。そして『Apex』は、そうした“くだらないくらいバカバカしい”要素を、自然な形で盛り込める最初期の大きなチャンスでもあったんです。

――Nessieはゲームプレイに直接影響しない存在ですが、あえて意味を持たないオブジェクトとして残し続けている理由を教えてください。

Reed:もしゲームプレイ上の目的を持つものだけで世界を構成したら、『Apex』――というか、ゲーム全般は、灰色の平面に灰色の箱が並んでいるだけになってしまうでしょう。せいぜい、見分けがつくように色が付くくらいで。

アート、サウンドデザイン、ボイス、環境表現。これらはすべて、ゲームの中に「場所」としての実在感を生み出すためにあります。単にゲームプレイのループを楽しくするだけではなく、「しばらくここに住んでいたい」と思える世界を作ることが目的なんです。

『Apex』では、長い戦争の時代を経て“平常”に戻りつつある、時に過酷な世界の中にも、どこか軽やかさを感じられる空気を作りたかった。Nessieは、その感覚をプレイヤーの中に定着させる大きな要素なんです。

――『Apex』の世界観において、Nessieはどのような役割を担っていると考えていますか。

Reed:『Apex』は過酷な歴史を持つ世界です。その中で、どこか肩の力が抜けるような、軽やかな感触を残したかった。Nessieは、その“余白”を象徴する存在ですね。

――ワットソンとNessieの結びつきは、どの段階で明確になったのでしょうか。

Reed:ワットソンの初期開発段階で、ナラティブチームは彼女をキングスキャニオンに強く結びつけたいと考えていました。彼女のキット、エンジニアとしての能力、そしてプレイ空間を縮めていく「リング」との結びつきが、とても自然だったからです。

担当ライターのTom CasielloはNessieの存在を知っていて、それをワットソンと結びつけることで、双方の存在感を無理なく自然に強められると考えました。

――ワットソンのキャラクター性を表現するうえで、Nessieはどのような存在として機能していると思いますか。

Reed:ワットソンはとても知的で優しい人物ですが、一方で孤独でもあります。キングスキャニオンで、同年代の子どもが周りにいない環境で育ったからです。

ワットソンとNessieのつながりは、その人生の片鱗をプレイヤーに示すと同時に、「人は複数の面を持っていい」ということも伝えています。かわいいものが好きな天才であってもいいし、それらは矛盾しないんです。

――Nessieに関連するファンアートやミームで、個人的に記憶に残っているものがあれば教えてください。

Reed:「Peace was Never an Option(平和という選択肢はない)」という文言とともに、ナイフを持ったNessieのファンアートをいくつか見たことがあります。あれは見るたびにやられます(笑)。最初に見たのは、@cryallen_art さんの作品でした。

Art by Cry Allen
byu/the-TinyAsian inapexlegends


――『Apex』には多くのイースターエッグがありますが、その中でもNessieが特別な存在になっている理由は何だと考えていますか。

Reed:Nessieは“ちょうどいい独自性”があって目立つ存在なんだと思います。ロッホ・ネスの怪物という題材自体は知られていますが、それを“抱きしめたくなるかわいい生き物”にしてしまうという発想は、全体として十分にユニークです。「かわいいマスコット」という概念はとても強く、一度ハマると本当に長く愛されます。

――イースターエッグの存在は、競技性の高いゲーム体験にどのような余白をもたらすと考えていますか。

Reed:Nessieは、まったく別タイプのプレイヤーのための存在です。競技志向のプレイヤーにとっては、Nessieのような要素は“いつものゲーム体験”にフィットしないかもしれません。それはそれで全然良いんです。

一方で、初めてNessieを見つけたときの発見の喜びがたまらない人もいますし、感情的なつながりが生まれて「この世界が居心地よく感じられる」人もいます。

――現在、Respawnの内部ではNessieはどのような存在として扱われていますか。

Reed:言葉にして整理したことはないと思いますが、私の中では「Nessie=幸福」ですね。必要だからではなく、自然とそうしたくなる気持ちで入れている存在です。

――Nessieに関して、開発チーム内で語り継がれているような小さなエピソードがあれば教えてください。

Reed:パンデミックの頃、誰かがビデオ通話の背景にNessieを置いていると、他の人たちも自分のNessieぬいぐるみを取り出して見せ合うようになったんです。気づけば通話が、延々とNessieだらけになるという(笑)。まさにNessieの洪水でした。

――最後に、Nessieを探し続け、愛してくれているプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。

Reed:ありがとう、Nessieハンターの皆さん!Nessieが皆さんを幸せにしてくれるほど、私たちもNessieをゲームに入れられることが幸せです。クリエイターとプレイヤーの間に生まれる、こうしたつながりは本当に特別だと感じています。

イベントで出現した巨大Nessie

《みお》

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