『あつ森』4,000時間プレイヤーも思わず没頭!HoYoverse新作『プチプラネット』は“星を育てる”スローライフ【先行プレイレポ】

HoYoverseの新作スローライフ『プチプラネット』の先行アクセスの様子を『あつまれ どうぶつの森』のプレイヤー視点でお伝えします。

ゲーム PCゲーム
シャッターチャンスを逃さず、ゲーム内蔵のカメラ機能で記念撮影。
シャッターチャンスを逃さず、ゲーム内蔵のカメラ機能で記念撮影。 全 20 枚 拡大写真

今回ご紹介する『プチプラネット』は、HoYoverseが開発中の新作スローライフゲームです。「キミの星をつくるスローライフゲーム」というキャッチフレーズの通り、プレイヤーは生き物もいない状態の小さな星を創意工夫で生命あふれる星へと育て上げ、やがて宇宙に散らばる星々との絆を結んでいきます。

本作では、本日4月21日より「星旅テスト」と銘打ったクローズドベータテストを実施中。それに先立ち、Game*Sparkではメディア向けの先行アクセスに参加する機会を得たので、その様子をあつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』を4,000時間以上プレイしたコアプレイヤーの視点でお伝えします。

登場する生き物は、デザインだけでなく動きにもこだわりが感じられる。

なお本稿では『あつ森』との類似点を並べ立てるのではなく、一人の『あつ森』プレイヤーとして感じた本作の優れている部分と惜しい部分をそれぞれご紹介します。ゲームの基本的な内容には触れないので、興味のある方は関連記事もご覧ください。





また本作はPC/iOS/Androidに対応予定で、今回プレイしたのはPC版です。ゲーム内容はベータテスト版に基づいており、最終リリース版とは異なる場合があるのでご注意ください。

『あつ森』の離島ツアーに相当する「星の海の旅」では、実際に車を運転して好きな星に行ける。

『あつ森』にも匹敵する『プチプラネット』のおすすめポイント

「星を育てる」という世界観

『プチプラネット』には、『あつ森』を彷彿とさせる場面が数え切れないほど登場します。両作品があまりにも似ているので、筆者は本作のプレイ中に思わず何度も苦笑してしまいました。

どこかで見たようなシーンに、どこかで見たようなセリフ。

しかし、その一方で『プチプラネット』だけのユニークな要素も数え切れないほど存在します。中でも最大の特徴は、星を育てるという本作の目的が「星の開発」ではなく、文字通り「星そのものの育成」を意味していることでしょう。

ゲーム開始時の星は非常に小さく、わずかな木と草が生えているだけの殺風景な世界に過ぎません。しかし、プレイヤーが採集、釣り、クラフトなどのアクティビティを楽しむにつれて星を育てるための「養分」がたまり、星の環境それ自体が変化していきます。まだ見ぬ生き物が登場したり、新たな地形が出現したりと、世界に新要素が次々に追加されていくのです。

プレイヤーが星の上で生活することで生活環境である星そのものが豊かになり、さらに多くの遊びができるようになっていく。このループこそが、「星を育てる」という謳い文句の真の意味なのです。

プレイヤーの活動を養分として星の環境は少しずつ成長していく。

本作には家の模様替えや他の星への旅行といった、遊びの要素がたくさん詰まっています。そうした要素を段階的にアンロックし、プレイヤーのモチベーションを維持していく上で、この「星を育てる」という世界観は非常に上手く機能していました。

星の成長を司る「ルカの樹」。最初は小さな苗木だが、養分を与えることで星と共に成長していく。

一方、『あつ森』でプレイを牽引しているのは「借金を返済しては次の借金を抱える」という世知辛いループです。これはこれで作品の持ち味なのですが、「星を育てる」という本作の世界観はゆったりした物語を求めてスローライフゲームに触れた初心者がそのまま世界に没入するのに適した設定と言えるでしょう。

『あつ森』を意識したブラックジョークに思わず苦笑い。

言葉なしでも楽しい交流

そして、本作のもう一つの特徴はソーシャル要素です。各プレイヤーは同じ宇宙を共有しており、互いの星を訪問したり、リアルタイムで一緒に遊んだりすることができます。

他のプレイヤーと繋がることに興味のないプレイヤーは、星のアクセス権限を設定してソーシャル要素を制限することも可能です。

ソーシャル要素に興味のないプレイヤーは星へのアクセスを制限することもできる。

筆者は当初、ゲーム側が交流を奨励することをあまり快く思っていませんでした。そんな形で他のプレイヤーと交流しても楽しくないだろう、と考えていたのです。

しかし、記事を書くためにはソーシャル要素を評価しないわけにはいきません。そこで、あえて鍵をかけずに星を公開していたところ、偶然近くを通りかかったプレイヤーが自分の星を訪れました。

交流は一輪の花を手渡されたことから始まった。

自分も相手もテキストチャットを使用しなかったため、初めての交流は身振り手振り(エモート)だけでのコミュニケーションになりました。文字による意思伝達は一切ありません。

ところが、見知らぬプレイヤーと過ごしたひとときは予想以上に楽しい時間となりました。本作のエモートは、『あつ森』の同等機能である「リアクション」のように感情表現が豊かだったのです。

コミュニケーションに熱中するあまり、記事に掲載するための画像を撮影し忘れていたことに気づいて、あとで冷や汗をかいたほどでした(上の画像は後日撮影したもの)。

シャッターチャンスを逃さず、ゲーム内蔵のカメラ機能で記念撮影。

それをきっかけに、誰とも知れないプレイヤーとの緩やかな交流が始まりました。一緒に遊んだ相手は一定期間保存され、いつでも互いの星を訪問できます。今度は、自分の方から相手の星に遊びに行く番です。

二度目の交流では、相手のプレイヤーが資源採集の許可を出してくれたため、自由に釣りや潮干狩りをして楽しみました。今回もテキストチャットは使わず、身振り手振りと絵文字だけのコミュニケーションです。

相手が指さした獲物を自分が捕まえ、相手がそれに拍手で応える。そんな阿吽の呼吸のやり取りでしたが、ぴったり息が合った時の心地よさは格別でした。

夕暮れの浅瀬で海辺の生き物を獲って遊ぶ二人。頭の上に表示される絵文字で意思疎通している。

結局一言も言葉を交わさなかったため、このプレイヤーがどこの国の人だったのかも分かりません。まるで幼い頃、公園で出会った見知らぬ子と意気投合して、日が暮れるまで遊び回った時のような体験でした。

遊び疲れて釣り竿を抱えたまま浜辺に寝そべる二人。

今回はあえて使用していませんが、本作ではテキストチャットによる会話も可能です。しかし、言葉を交わさなくても楽しい交流ができたことは、本作のコミュニケーション機能の優秀さを示していると言えるでしょう。

高品質で多彩なアイテム

また、登場するアイテムの種類は驚くほど豊富でした。

家具や衣服は特に多彩で、壁に掛ける家具や天井から吊るす家具、特定のテーマで統一された「シリーズ家具」の概念もあります。造形のクオリティも、決して低くありません。中華風アイテムの品揃えも多く、異文化を身近に感じられます。

しっかりした造形のアイテムが豊富に用意されているのは嬉しい。

クラフト可能なアイテムも相当数が用意されており、短い先行アクセスでは全貌を把握しきれないほどでした。『あつ森』に比べるとプレイヤーが操作(インタラクト)できる家具は少ないものの、椅子に座る際に、いったん椅子を後ろに引いてから座るといった細かい演出も確認できました。

クラフト可能なアイテムの種類も非常に多い。料理もできる。

誰にでも優しいキャラクター

『プチプラネット』に登場するキャラクター(NPC)は常にプレイヤーを尊重し、支えてくれます。時々軽いブラックジョークを口にすることはありますが、プレイヤーを騙したり、陥れたりすることはありません。誰もが仲良しの優しい世界です。

各キャラクターはプレイヤーだけでなく互いを尊重し合っている。

『あつ森』の登場キャラクターも概ね同様の傾向を持っていますが、事あるごとに借金を背負わせようとする「たぬきち」のようなキャラクターは本作には存在しません。純粋に誰にでも優しいキャラクターが揃っているのです。

『あつ森』プレイヤーはブラックなキャラクターが懐かしくなるかも。

『あつ森』には及ばない『プチプラネット』の惜しいポイント

報酬による交流の奨励

『プチプラネット』のキャラクター(NPC)には親密度の概念があり、何度も交流を重ねることで親密度が上がり、次第に仲良くなっていけます。

それ自体は決して珍しくないシステムですが、筆者が残念に感じたのは、親密度が上がるたびにゲーム内通貨などの報酬が受け取れる仕組みがあることでした。しかも、その報酬は当のキャラクターから手渡されるのではなく、ゲームから直接プレイヤーに支給されるのです。

このような仕組みを持つ作品は他にもありますが、本作のように世界観重視の作品では、キャラクターとの交流を報酬によって奨励するシステムはかえって世界観を損なうのではないかと感じました。

キャラクターに出会った直後から読めるプロフィール。最後まで読むと報酬が受け取れる。

口パクのない会話

そんなキャラクターたちは表情が豊かで、ストーリーに関連するセリフはすべてボイス付きで喋ってくれます。ところが、残念なことに口パクが一切ありません

些細なことに思われるかもしれませんが、せっかくボイス付きで喋っているのに口を閉じたまま、あるいは開けたままというのは違和感が大きく、これまた物語への没入感を削がれてしまいます。

多言語に対応した作品なので何らかの理由で口パクをさせるのが難しいのかもしれませんが、ぜひ対応を検討して欲しいところです。

新キャラクターのトリクシー。毎日その日に起きた出来事をレポートしてくれる。

テキスト量の調整不足

言語については、日本語訳は極めて自然で、改行の位置やインターフェースが若干気になった以外は、ストーリーの翻訳で没入感を削がれることはありませんでした。

それだけに惜しいと感じたのは、吹き出し内に表示されるテキスト量の調整不足です。セリフの配分が中国語を基準に行われているためか、セリフが小さな文字でぎっしり表示され、肝心のストーリーが頭に入ってこないことが少なくありませんでした。

さすがに吹き出しから文字があふれて表示されることはないものの、さらなる調整が必要だと感じました。

テキスト量が多いセリフでは、吹き出しの文字が小さくなり読みにくくなってしまう。

タスクや素材の追跡機能

また本作には、目標に設定したタスクの場所や、クラフトに必要な素材のある方角を画面上に示してくれる機能が備わっています。RPGによくある追跡機能で、一見すると便利そうです。

ところが、実際にゲームをプレイしていると、誘導が強すぎるためか作業の途中で他の遊びに目を向ける余裕がなくなり、かえって作業感が増しているように感じました。また、デフォルトでは目標のタスクが常時画面に表示されるせいで、作品世界への没入感も損なわれていました(設定で追跡の解除は可能)。

プレイヤーを迷子にさせないためのサポート機能としては優れていますが、スローライフゲームに効率を追求する機能は、果たして本当に必要なのだろうかと疑問を感じます。

デフォルトでは他のプレイヤーと交流している最中でも、画面の左上に次のタスクが表示される。

生成AIによるヘルプ機能

そして最後に、『プチプラネット』の特徴とも言える生成AIについて。本作では喫茶店のバリスタなど、メインストーリーに直接関係のない一部のキャラクターが、生成AIが創作したセリフをアドリブで喋ります。

そのほかにも生成AIを利用したヘルプ機能が搭載されているのですが、いずれも今回のメディア向けテストプレイでは日本語での回答に対応していませんでした。

ヘルプ機能に英語で何度か質問してみたところ、使用されている生成AIは複雑な質問にも答えられる優秀なものでした。ところが、日本語と英語のゲーム用語が必ずしも一致していないようで、英語で質問しても求めている答えが返ってこないことも。例えば、「星を育てる」方法を尋ねようとして「スター」と言っても通じず、「プラネット」と言い直すと正しい答えが返ってくるといった調子です。

生成AIによるヘルプ機能自体は便利だったので、正式サービスの開始までにはぜひ日本語での回答にも対応して欲しいところです。

使用されている生成AIは結構賢い。早期の日本語対応が望まれる。

プチプラネット』は、スローライフゲームとして既にかなり完成されています。しかし、先行プレイの段階では、肝心なところで没入感が削がれてしまう場面もありました。

細かい粗が気になるのは、基本部分がしっかりしていることの裏返しです。リリース時には完成度でも『あつ森』に引けを取らない作品になっていることを期待します。

《FUN》

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