タイトルも正式発表もされていないが、どうやら『エースコンバット』の新作を作ってはいるらしい——。いつからか、X(旧Twitter)でシリーズブランドディレクターの河野一聡氏が定期的に制作状況をポストしており、「詳しくは言えないが作っている」ことだけは伝わっていました。
その内容から進捗を読み取っては、「そろそろ映像が出るのでは」「正式発表が来るのでは」とショーケースのたびに期待を寄せる。しかし、なかなか発表は来ない。30周年記念のエンブレムに不自然に空いた1つの穴を見ては「今年こそ来るはず……」と思い続けていました。
そして2025年12月12日、その沈黙は破られることになります。
リアル調のグラフィックに、空母やパイロット用ヘルメット、「PRODUCED BY Bandai Namco Entertainment Inc.」の文字に「おや?」と思ったのも束の間。戦闘機が映し出された瞬間、それは確信に変わります。
突如「The Game Awards 2025」にて発表された本作『エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ』。ついに正式発表された喜びと興奮、2026年発売という近さに胸が高鳴り、今年に入ってからは「早く遊びたい……!」という気持ちで日々を過ごしていました。
そんな思いを抱えていた筆者が、このたび本作初のメディア向け先行体験会に参加する機会をいただきました。実際にプレイして感じた変化や深化した点、そして一部ミッションの内容についてをお届けします!
インタビュー記事はコチラ!“深化”した『エースコンバット』の感触は?
『エースコンバット』は、戦闘機を操作して空を自由に飛び回りながら敵機を撃墜する「フライトシューティング」と、国家や戦争、人々のドラマが融合したゲームです。本作でもジャンル名が「ドラマティックフライトシューティング」と銘打たれているように、シューティングだけでなくドラマにも力を入れたタイトルといえます。
本作のプレイヤーは戦闘機パイロット「シーヴの翼」「レックス」として、架空の世界「ストレンジリアル」を舞台に、旧式空母「エンデュランス」の仲間たちとともに奪われた土地を取り戻すため、空を駆け巡ります。
では、そのドラマ部分は実際にどうだったのでしょうか。プレイを開始すると、オープニングの演出から早くも『ACE7』からの進化を感じました。戦闘機から見える水面や空と雲の美しさ、それらが反射するガラスの質感と光、風や近くを通り過ぎる戦闘機のエンジン音——。本作は、戦闘機に乗って感じる「空」の魅力が何であるかを、冒頭からしっかりと見せてくれます。
一人称視点でカメラ操作が可能なシネマティックシーンなど、システムだけでなくストーリー表現にも新たな試みがみられ、それらの要素がどのように活かされていくのか、続きが非常に気になる幕開けでした。

操作面でも、経験者だけでなく入門者への配慮がなされています。最初のミッション内にチュートリアルが含まれており(スキップも選択可能)、操作方法がわからない初心者も、久々のプレイで感覚を忘れている方も、基本操作をしっかり学べる作りになっています。本作にはトレーニングモードも用意されているので、まずはそちらで操作をしっかり学ぶのもよし、習うより慣れよでいきなりストーリーに飛び込むもよし。
冒頭のミッションは複雑なギミックも少なく、徐々に操作に慣れていけるような構成になっていたため、『ACE7』で多くの方が感じたように「序盤からやることが多くてつらい……!」とはなりませんでした。

敵機を追いかけ、捉えてミサイルで撃ち落とす基本の楽しさはもちろんですが、今回の「機関砲」は比較的当てやすくなった印象です。筆者は『ACE6』の機関砲なら戦闘機をたまに落とせるものの、それ以外のタイトルではなかなか当たらないため対地任務でしか使わない……という腕前なのですが、今回は数機を機関砲で撃墜できたため、「機銃キル」の楽しさも味わいやすくなっています。

また、筆者が特にテンションが上がったポイントとして音楽面も挙げられます。本作ではミッション中にボーカルつきのロックが流れる場面があり、演出としてもプレイを大いに盛り上げてくれました。元々『エースコンバット』はロックミュージックが主軸にあるシリーズなので、本作のかかげる“深化”には音楽も含まれているのだな、と感じられました。これらの深化は、後述する「ミッション11」からも少し見えるかと思います。
『ACE7』の頃にもこだわり抜いていた「インタラクティブミュージック」も序盤からしっかりと感じられ、『ACE7』最終局面のミッション「灯台」で絶望的な状況を打破した瞬間に響く「Daredevil」のような忘れられない感動と体験が、本作の後半でも待っているのではないかと今から楽しみでなりません。
序盤のミッションはシンプルながらも楽しい!懐かしの僚機システムに、“あの”演出も。
ここからは、ミッション4「序数艦隊壊滅戦」とミッション9「陸上戦艦絶対阻止戦」、ミッション11「マキシマム・ペイロード」の3つのゲーム内容と新要素、システムを筆者の体験ベースでお届けします。
ミッション4「序数艦隊壊滅戦」は、対艦・対空ミッションです。どちらかといえば対艦寄りではありますが、戦闘機にも対処できるようにとF-2Aを選択。本作では、特殊兵装を2種類搭載できるため、さっそくLASM(空対艦ミサイル)とUGB(無誘導投下型爆弾)を積み込みます。便利な新要素ですが、2種類選ぶとその分1種類あたりの弾数が減るため、状況に応じた使い分けが重要です。


そして、自機だけでなく僚機3人の機体も選択します。今回の体験では用意された機体から選ぶ形でしたが、こちらの機体は『ACE7』にもあった「機体ツリー」で増やしていくため、場合によっては1機だけでなく複数購入する必要があります。

『ACE5』などにも「僚機システム」はありましたが、作戦やキャラクターごとの得意な機体を考えながら選ぶというのは、愛着が湧くというもの。機体を自動選択してくれる機能も用意されているので、「何を選べばいいのかよく分からない……」という方でも安心です。

また、出撃前にミッションに必要な対空・対地を総合したゲージに今の編成が足りているかどうかの確認と「強化パーツ」を変更できます。強化パーツはプレイヤー機のみが対象で、加速やヨーなど操縦に関する「BODY」とミサイルの距離やリロード時間、兵装の威力を高める「ARMS」、ダメージ軽減や敵機のミサイルダメージなどを弱体化させる「MISC」の3種類に分かれています。


『ACE7』の時はこれら全て同じカテゴリでしたが、本作は機体ごとに載せられるパーツ数がカテゴリごとに違います。例えば、機体AはBODYが4枠だけど、Bは3枠、ただしARMSが6枠ある……と機体選びに新たな幅が生まれていると感じました。
機体選択を終えたところで、いざ出撃。敵からの通信に応じていると、『ACE ZERO』を思い出させる敵エース部隊の登場演出が。

本来の目的は艦隊の壊滅ですが、まずは周辺を飛ぶ敵戦闘機を狙います。撃破した敵機の近くを横切ると、爆発音とともに破片が散るような音が聞こえ、「敵機を撃墜した」という確かな手応えを音からも感じました。
周辺の戦闘機を片付けたところで、敵艦のもとへ向かいます。ここで僚機への攻撃指示で特殊兵装を解禁。そう、なんと今回は『ACE5』にもあった僚機指示が復活しています。

僚機指示は「前方攻撃」と「分散攻撃」、「援護」の3つの方針と「特殊兵装使用許可」の指示をプレイヤーが出すシステムです。前方攻撃は、プレイヤーが現在ターゲットしている敵を攻撃目標とし、もう一度同じ指示を入力するとターゲット周辺の敵を僚機が攻撃目標とします。基本はこれを選んでいればOKで、状況に合わせてプレイヤーとは別に動いてもらう分散攻撃、プレイヤーの後方についてチャフやフレアを展開し脅威から守ってくれることのある援護を使い分けます。特殊兵装使用許可は、許可したことを忘れてそのまま飛んでいたら大事な時に「僚機の残弾数ゼロ」……という事態に陥らないよう都度切り替えていくのが重要です。
僚機指示と持ち込んだ特殊兵装を駆使して艦隊を手早く沈め、次の目標へ。こちらには艦隊に加えてターゲットの戦闘機2機も飛んでいるため、空からの攻撃に気をつけつつまずは対艦に集中します。通信に耳を傾けていると、これまた懐かしの選択肢が。

特殊兵装で艦隊を無力化し、残るは空の目標のみ。後ろを取ってミサイルを撃ち込み、なんなく作戦完了です。ミッション終了後のAWACS(早期警戒管制機)と「バクスター」による洒落た会話には、思わず笑みがこぼれました。
ミッション4の全体的な印象として、周囲の攻撃が激しくないため、目標だけに集中して攻撃できる余裕のあるミッションになっていると感じました。目標以外にもAAガンや装甲車両が配置されているので、慣れたプレイヤーはそれらを狙ってポイントを稼げますし、初めての方は対艦攻撃を学べるチュートリアル的なミッションとしても機能しています。
かつてないスケールの地上を走る巨大兵器に、興奮と戦慄
ミッション9「陸上戦艦絶対阻止戦」は、近未来超兵器の「陸上戦艦」という、とてつもなく大きな陸上を走る戦艦を無力化する対地ミッションです。こちらは最終防衛ラインが決まっており、その地点を超えるとミッション失敗になってしまいます。

対地ミッションということでA-10にするか迷いましたが、もしかしたら空の対処が必要になるかもしれない……と思い、Su-33にRKT(ロケット弾)とHVAA(空対空ミサイル)を積むことにしました。僚機は自動選択で全員A-10に。自分も合わせたほうがよいのでは……と思いつつも、なんとかなる精神でいざ出撃です。

こちらの作戦では、前方にある主砲の攻撃に当たらないよう気をつけながら対地兵装を破壊し、無人自爆車両の接近を支援します。破壊目標の数自体は少ないのですが、主砲のラインを避けながら対地兵装による攻撃を避けて狙いをつけるのがなかなか難しく、ただただ周りを旋回しているだけの状態に。
なんとか兵装を破壊するとクアッドコプターが展開されるので、自爆車両を破壊されないよう迎撃に向かいます。動きはゆっくりなので、落ち着いて機関砲かミサイルを撃てば壊すのは難しくない……はずなのですが、鳴り続けるアラート音に焦らされ、なかなか素早く落とせません。
そうこうしているうちに自爆車両によって装甲が破壊されると、副履帯が暴露。激しい攻撃をかわしながらクアッドコプターを落として副履帯も破壊しなければならない、なかなか厳しいミッションです。


なんとか副履帯を破壊していきますが、最後の1つがビルに阻まれて上手く狙えず、最終防衛ラインのギリギリでの全目標破壊となりました。おそらく、早く破壊していれば違う展開になるのでは……という内容に作戦が変更され、クリアはしましたが「もっと上手くできたはず……!」と悔しさが残りました。
この後、試遊の残り時間を使い同じミッションをA-10に変更して挑んでみたのですが、一度プレイして内容を把握していたとはいえ、初回よりも早く目標を破壊でき、「ちゃんと最初から対地装備で行けばよかった」と機体と兵装の大事さを改めて痛感。
筆者は主に『ACE7』で「対地ミッションと聞いていたのに、後半で対空戦が発生した」という経験からブリーフィング内容を信じ切ることができず、初回であのような機体選択をしてしまいました。しかし、本作の試遊範囲では想定外の事態が起きつつもブリーフィングを聞いて選んだ機体がしっかり活躍できるようなミッションになっており、対地に特化した機体にもきちんと活躍の場が用意されています。
本作初のシステム「連鎖破壊」は、今までにない爽快感!
最後のミッション、「マキシマム・ペイロード」はこちらも近未来超兵器の「大陸間輸送機ポダルゲ」を撃墜するミッションです。プロペラとデザインに、どことなく『ACE7』の「アーセナルバード」を彷彿とさせます。

輸送機は複数存在し、それらを全て破壊しなければなりません。これだけ聞くと簡単そうですが、レーダーをジャミングされているのである程度近付かないと位置を特定できず、ミサイルの誘導性能も低下します。「レーダーだけに頼らず目視で目標を探し出すミッション」は、過去のシリーズにも登場していましたね。
完全な対空ミッションということからTyphoonを選択し、4AAM(マルチロックオン空対空ミサイル)のみを搭載。僚機の機体を自動選択すると全員Typhoonになっていたので、やはりこちらが推奨される機体だったようです。
作戦が開始されると、目の前には一面に広がる雲。開けていれば探しやすいものを、これでは敵にとって好都合です。積乱雲も発生しており、落雷と失速にも注意しなければなりません。
ですが、ポダルゲは大きい分航跡雲も見えやすいので、一度見つければ追いかけるだけ。雲を追ってポダルゲが見え始めると、それに合わせて視界が開けたかのような音楽に変わります。
積んできた4AAMと機関砲を使い、素早くプロペラを破壊。四角い的だけでなく羽全体にダメージ判定があるので、位置を合わせれば機関砲でも容易く壊すことができます。

1機破壊すると演奏に厚みが加わり、音楽でも"一歩前進した"感覚を味わえます。『ACE』シリーズが積み重ねてきたインタラクティブミュージックを、ここでも感じることができました。
次の目標地点へ向かいポダルゲを探すと、今度は2機が編隊を組んで飛行しているのを発見。こちらも破壊しようと狙いますが、敵機のミサイルや対空兵器に阻まれ、なかなか狙うタイミングが掴めません。ここは安定を取って「一撃離脱」戦法にし、確実に攻撃を当てていきます。
破壊したプロペラを注視すると、焦げた表面や崩壊する断面が見え、「破壊」の表現もさらに作り込まれていると感じました。


無事に2機を撃墜し、最後の目標地点へ……と近づいていくと、3機のポダルゲとともに敵部隊「ルクス・ルーナエ隊」が接近。音楽もそれまでのクラシック調から、低音のコーラスと重いギターが響くロック調に変わり、戦いの激しさを予感させます。最終局面以外のボーカル付き楽曲はこれまでのシリーズでも珍しかっただけに、今回の試遊でも特に印象に残った一曲です。サウンドトラックやコンサートで聞いたらどうなるのだろう……?と今からでも楽しみになりました。

4機の高脅威目標の撃墜とポダルゲが空域外に出る前の破壊を同時に行うこちらのフェーズでは、どちらを攻撃するかの“タイミング”が重要となります。ポダルゲを狙おうにも敵機に阻まれてなかなか攻撃できず、かといって敵部隊ばかり相手にしていてはいつの間にか遠くに……と間に合わなくなってしまう。優先順位をポダルゲに置きながら、相手の後ろを取れそうな時は切り替えて攻撃に転じる柔軟さが大事です。
ここでは状況に合わせて僚機の指示も変更していきます。ポダルゲを狙っている間、僚機を「援護」に設定していたところ、レーダーの表示や台詞から敵のミサイルを迎撃してくれているのが伝わってきました。僚機の存在とありがたみを感じられる、プレイヤーとしても嬉しい瞬間です。
ポダルゲを破壊しながらルクス・ルーナエ隊にも攻撃を仕掛け、なんとかポダルゲ残り1機と敵機を2機に。少し余裕ができたので、残り2機の方を優先して追いかけます。

積乱雲の中に逃げ込まれてしまい、そのまま追跡しますが、今度は自分がどこにいるのか分からなくなってしまいます。着氷を知らせるエラー音が鳴り、画面がどんどん凍りついていく中で雷も見え始め、「ちょっとマズイかも……」と焦りながら1分ほど出口を探していると、機体に雷が直撃。一瞬画面が歪みますが、ダメージはないのですぐさま立て直し、レーダーを頼りにポダルゲのもとへ戻ります。
すでにポダルゲは作戦空域外に近づいていたので、急いでポダルゲを破壊してから残りの2機を撃破します。ここまで来れば、追い詰めるのはそう難しくありません。
しかし、最後の1機を撃破して作戦終了――という所で自分が空域エリアのギリギリにいることに気付きます。が、時すでに遅し。積乱雲にペースを乱されたせいか、目標を全て撃墜した瞬間にミッション失敗、というなんとも悔しいミスをしてしまいました。

「最後のミッションがこれでは締まらない……!」とチェックポイントからやり直しを選択。今回もチェックポイントから再開するとミサイルや特殊兵装が全て補充されますが、試遊では途中でミサイルが尽きてしまうような状況にはならなかったので、チェックポイントへの逆戻りが必要にならないよう、破壊目標の数などはしっかり調整されていると感じました。
2回目ではちょうどポダルゲをゆっくり狙えそうなタイミングがあったので、一番上を飛行していたポダルゲを機関砲で攻撃。すると翼端が折れ、下のポダルゲに衝突。
「なるほど、こうやって連鎖させればいいのか!」と気付いた瞬間の楽しさと、今までになかった破壊の方法に爽快感と新しい遊びの可能性を感じ、確かにこれは新しい『エースコンバット』だ。と改めて感じます。落下する輸送機がちょうど他の輸送機を壊す瞬間なども見られ、結果的にはミッションをやり直して良かったと思えました。

『ACE7』から7年ぶりの新作『エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ』では、従来の『エースコンバット』にあったシステムを復活させながらも、遊びの幅を広げる新たな試みがいくつも見られました。
ミッションのバリエーションと、主人公「レックス」たちの行く末が気になる本作。初めて遊ぶ人へのフォローもされているため、経験者もシリーズ初体験の方も楽しめる『エースコンバット』になっているのではないかと期待が高まります。
『エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年10月2日発売予定です。
使用器材:GALLERIA XMC9A-R59-GD/提供:株式会社サードウェーブ
ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE & ©Bandai Namco Entertainment Inc.
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