『スト6』Year 4はなぜ新キャラ中心に?ティファ参戦の理由、ボシュの“ストーリーの整合性”、ステゴロヨガ、フィリピンキャラの理由まで開発陣に訊く【インタビュー】

イングリッドで盛り上がった3年目からYear 4へ。

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『スト6』Year 4はなぜ新キャラ中心に?ティファ参戦の理由、ボシュの“ストーリーの整合性”、ステゴロヨガ、フィリピンキャラの理由まで開発陣に訊く【インタビュー】
『スト6』Year 4はなぜ新キャラ中心に?ティファ参戦の理由、ボシュの“ストーリーの整合性”、ステゴロヨガ、フィリピンキャラの理由まで開発陣に訊く【インタビュー】 全 7 枚 拡大写真

Summer Game Fest 2026にて『ストリートファイター6』Year 4の新キャラクター「ヤスミン」「アルジュン」「ボシュ」「ティファ」が発表されました。

この発表に際し『ストリートファイター6』のプロデューサーである松本脩平氏とディレクターの中山貴之氏にインタビューさせていただくことができました。

新キャラクターに選んだ理由、コラボの経緯、ファイティングスタイルなどなど、細かく訊いてきたので、ぜひともチェックしてみてください。

左:中山貴之 右:松本脩平

――「Year 4」の発表を終えた率直なお気持ちをお聞かせください。発表時の反響も含めて、どのように受け止めていますか。

中山:率直に言うと、まずは「よかった」という気持ちが大きいです。発表前はめちゃくちゃ緊張していたので、本当にホッとしました。サウナから解放されたような気分です(笑)。多くの方に受け止めていただけて、ありがたいなと感じています。

松本:SNSや動画での反響も大きく、注目してくださっている方が多いことを改めて感じました。楽しみに待っていただけたらうれしいですし、今後の展開についても、より一層いろいろなものをお届けしていきたいと思っています。

――最近では、イングリッドの参戦をきっかけにSteam版の同時接続者数が過去最高を更新しました。リリースから3年目でこうした盛り上がりを見せるのは、格闘ゲームとしてもかなり珍しいことだと思います。この反響をどのように受け止めていますか。

中山:嬉しいですね。イングリッド自体は20年以上前に登場したキャラクターですし、そのキャラクターを復活させたことで、ここまで良いリアクションをいただけたのは、作っている側としてもすごく嬉しいです。

松本:本当に珍しいことだと思います。新しく遊んでくださる方も増えていますし、異例のことではありますが、今後も右肩上がりで続けていけるようにしていきたいと、改めて感じました。

――続いてボシュについて伺います。ワールドツアーでは気になる展開も描かれていましたが、今回のプレイアブル化は、ストーリーとして整合性のある形で登場するのでしょうか。

中山:今は言えません。本当につい最近発表したばかりですし(笑)。イングリッドのアップデートのタイミングで、ワールドツアーにもいろいろな展開があったかと思います。

もともと他のインタビューでもお答えしているのですが、ボシュ自体は、いつかプレイアブルにするつもりでいました。ストーリー上の整合性がどうなるのかについては、「リリースされるまでお待ちください」としか言えないのですが、最初から考えていたことではあります。

また、自分が『ストリートファイター』シリーズで好きな部分のひとつに、いろいろな結末が用意されているところがあります。たとえば『ストリートファイターII』では、リュウがベガを倒した場合の結末、春麗がベガを倒した場合の結末というように、キャラクターごとにエンディングがありましたよね。誰が勝ったかによって、世界のストーリーが変わっていくところが好きなんです。

どのキャラクターも主人公であり、そのキャラクターが選んだ道の先に、どのような歴史があるのか。そうしたバリエーションや可能性があることが、自分は好きなんですよね。

それを納得できる形にしたものが、たとえばイングリッドの並行世界の設定だったり、『ストリートファイターV』に登場したギルの存在だったりします。ギルは、各キャラクターが望んでいる結末へ向かって話を進めていくような役割を担っていました。そうした、さまざまな結末があることを許容するようなもの作りをしているんです。

――アルジュンは「ステゴロヨガ」というワードが印象的でした。どのような経緯で出来上がっていったキャラなのか教えてください。

中山:まずアルジュンを作りたかった理由として、もともとプロデューサーとも話していたのですが、インドのユーザーさんが増えてきているという背景がありました。また、『ストリートファイター』シリーズは来年で40周年を迎えますが、これまで登場してきたインド出身のキャラクターは、実はそれほど多くありませんでした。そこで、新たなインド人ファイターを作りたいという思いから誕生したキャラクターです。

ただ、やはりダルシムの印象は非常に強いんですよね。我々自身もダルシムで育ってきた世代ということもあり、「インド=ヨガ」のような刷り込みがありました。

松本:ヨガをやると手が伸びる、みたいな……(笑)。

中山:そこで、ダルシムのカウンターとして最初に考えたのが「ダークヨガ」だったんです。ただ、いろいろ作っていくうちに、「ダークって意味がわからないよね」となって……(笑)。

そこから、パンチとキックで戦う“ステゴロ”という要素とヨガがくっついて、「ステゴロヨガ」になりました。すごく話題にしていただいて、こちらもびっくりしましたね。「ヨガって全部ステゴロなんじゃないの?」みたいなツッコミもありましたし(笑)。

ただ、アルジュンは独自のセンスを持った、かっこいいキャラクターにしたいと思っていました。ストーリーにも少し出ていますが、警官で正義感の強いキャラクターでもあるので、そうした部分も含めて、かっこよく見えていたら嬉しいです。

――ヤスミンについても伺います。フィリピンにルーツを持つキャラクターとして生まれた経緯や、制作時にこだわったポイントを教えてください。主人公のような凛々しい風格を持っていますよね。

松本:まず、なぜフィリピンなのかという点ですが、格闘ゲームコミュニティ、いわゆるFGCには、特に『ストリートファイター』に関わっているプレイヤーや運営、実況者の方々の中に、フィリピンにルーツを持つ方がかなり多いんです。そうした方々にもアプローチしたいという思いがありました。

加えて、東南アジア全般で『ストリートファイター6』のプレイヤーがものすごく増えているので、そこに向けてもアプローチしていきたい。そうした理由から、フィリピンを選びました。

中山:長い年月『ストリートファイター』を作る中で、いろいろな国の格闘技を題材にしてきました。それこそ、トルコのヤールギュレシ、いわゆるオイルレスリングまでやっているくらいなので。

そんな中で、ちょうど「フィリピンの格闘技を取り入れたい」と思っていたところに、フィリピンにルーツを持つキャラクターの話があったので、それなら合わせるのがいいんじゃないかと考えました。象徴的なカラーや、カランビットナイフを使って戦うスタイルなども含めて、自然と形になっていったキャラクターです。

おっしゃっていただいた通り、主人公らしい王道のキャラクターという部分は、もちろん少しは狙っています。

――ワールドツアーについては、イングリッドの追加でひと区切りとなりました。今後、ワールドツアーに代わるようなストーリー要素や、キャラクターを掘り下げるコンテンツを展開する予定はあるのでしょうか。

中山:やりたいです。これは希望として、ですが……(笑)。

開発スタッフもワールドツアーが好きだったので、作りたいという気持ちはあります。ただ、いろいろな事情もあって、少し難しくなってしまった部分もあります。一方で、格闘ゲームへの入り口として、チュートリアル的な役割を持たせるという点では、ワールドツアーで一定の役割を果たせたのかなと思っています。

――ティファコラボについて、きっかけやどのような経緯で実現したのか教えてください。

中山:きっかけとしては、スクウェア・エニックスさんに知り合いがいて、3年ほど前に「何かコラボしたいよね」という話をしたことが始まりでした。

その後、東京ゲームショウで『ファイナルファンタジーVII リメイク』シリーズのディレクターである浜口直樹さんと一緒に登壇する機会があり、そうしたところから話が広がっていきました。

『ファイナルファンタジーVII』シリーズの中で、格闘技を使うキャラクターとしてティファは非常に印象的ですし、ものすごく人気のあるキャラクターでもあります。コラボするならぜひティファが良いよね、という話になりました。

――数ある『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターの中から、ティファが選ばれた理由も、今のお話と重なる部分があるのでしょうか。

中山:そうですね。『ファイナルファンタジーVII リメイク』シリーズがちょうど今アクティブに展開されていますし、スクウェア・エニックスさんも力を入れていらっしゃるタイミングだったので、チャンスだなと思っていました。

個人的には、『ファイナルファンタジーIV』のヤンや、『ファイナルファンタジーVI』のマッシュも好きなんです。ただ、「今じゃないだろ」と言われそうというか(笑)。やはり今コラボするなら、絶対にティファですよね、という思いもありました。

――Year 4で登場する各キャラクターについて、それぞれどのようなファイティングスタイルになるのか教えてください。

中山:ヤスミンは、ナイフを使った近接格闘が特徴です。エスクリマなどをベースにした、おじいさんから習った格闘術を使います。

アルジュンについては、「ステゴロヨガ」という言葉が一人歩きしていますが、実際には呼吸法を用いるキャラクターです。トレーラーでも、口から息を吸って吐くような描写があったと思うのですが、あれがキーになるスタイルです。

ティファに関しては、原作の格闘術をベースにした体術を使います。まだ先の話なので見えていない部分もありますが、『ファイナルファンタジー』らしい技も使うキャラクターになっています。

ボシュについても、ワールドツアーに登場したときの動きとは少し違うものになっています。ナイシャールの格闘術をしっかり使いますし、ちょっと面白い遊びも入っているキャラクターです。

――Year 4は、『ストリートファイター』シリーズ過去作からの復帰キャラクターではなく、新規キャラクターを中心としたラインナップになっています。このような方針になった理由を教えてください。

松本:まず、『ストリートファイター6』自体、新規のお客さんや若いプレイヤーがめちゃめちゃ増えています。これまでは35歳から40歳くらいの方が一番のボリュームゾーンだったのですが、『スト6』では15歳から25歳の方が本当に多く、7割以上を占めているんです。

そうした中で、『スト6』は完全新規キャラクターが多いというところが、すごく受け入れられているという感覚があります。

もうひとつ、完全新規キャラクターとしては「A.K.I.」が最後で、その後2年間出ていませんでした。タイミング的にも、Year 4では新規キャラクターを入れたいという思いがありました。

ブランドとしても、新規キャラクターを増やすこと自体が、今後の『ストリートファイター』の歴史にとって良いことだと考えています。そういった観点から、今回は新キャラクターをメインにしたラインナップになっています。

――ありがとうございました!


若年層の新規プレイヤーが爆発的に増えている『スト6』において、今回の新キャラ祭りはブランドの未来を切り拓く必然の挑戦と言えるでしょう。

呼吸法を駆使するアルジュンの「ステゴロヨガ」や、固有システム「マテリア」を引っ提げて参戦するティファなど、格ゲーブームをさらに加速させるYear 4の続報から今後も目が離せません。

『ストリートファイター6』はPS5/PS4/Xbox SeriesX|S/PC(Steam)/ニンテンドースイッチ2向けに販売中です。


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