■株式会社セガ
・服部義明 氏 CS開発統括部 NEソフト研究開発部 プログラムセクション主任
・長坂峰詩 氏 CS開発統括部 NEソフト研究開発部 サウンドクリエイター
■インタビュアー
・土本学 インサイド編集長
・CRI・ミドルウェア
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まずは、『龍が如く』シリーズの総合プロデューサーの名越稔洋氏よりコメントをいただきましたので、ご紹介します。
■自己紹介
―――本日はよろしくお願いします。最初にこれまでに関わってこられたタイトルと、今回の『龍が如く 見参!』でそれぞれ担当された部分を聞かせてください
服部: NEソフト研究開発部の服部と申します。CRIとは入社してからずっとお付き合いさせていただいています。最初に関わったゲームはドリームキャストの『ハンドレッドソード』で、次にXboxの『パンツァードラグーンオルタ』、その後は色々なプロジェクトの手伝いなどをやって、Wiiのロンチタイトルだった『スーパーモンキーボール ウキウキパーティー大集合』を担当して、次に本作という流れです。今回は主にプログラムまわりを担当しました。
長坂: 同じくNEソフト研究開発部の長坂です。最初に関わったのは業務用の『バーチャストライカー4 バージョン2006』で、Wiiの『スーパーモンキーボール ウキウキパーティ大集合』、前作『龍が如く2』に途中から加わって、今回の『見参!』という流れです。主にバトルを中心としたSE(サウンドエフェクト)とシステムSEなどを担当しました。
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―――今回、非常にボリュームのある作品で、クオリティも高く、それでいて前作からそれほど待たずに発売されたという印象を受けますが、開発期間はどのくらいだったのでしょうか?
服部: 本格的に始めたのは2006年11月ごろなので、開発期間としては1年ちょっとですね。
―――それは短いですね
服部: はい、そうですね。今回は「CRI Audio」、「CRI ADX」、「CRI Sofdec」というCRIさんの3種類のミドルウェアを利用したのですが、そのお陰も大いにあります。セガとしてはPS3向けの開発ラインというのは比較的多くて、開発機材の数の面でも恵まれていた方だと思うんです。それでも、やっぱり開発機材が開発スタッフ全員に行き渡るとまではいきませんでした。実は「CRI Audio」「ADX」「Sofdec」ともWindows版もあるので、PS3とPCで全く同じデータを使うことができます。サウンドについては、台数を用意できるPCの方で開発を進めて、適時PS3で動かして調整するというやり方で開発していきました。『見参!』のPC版を発売するつもりはないのですが。これにより、開発機材の不足を補いながら、短い期間で開発をすることができました。
※開発機材・・・ゲームの開発をするために必要な機材や開発用のソフト一式。基本的にハードの発売時は提供される数が少ない。
―――なるほど。ミドルウェアのPC対応にはそうしたメリットもあるんですね
服部: はい。それにこれまでのシリーズでもCRIのミドルウェアを使い続けてきましたので、今回も使わせていただきました。
―――プログラマーの人数はどのくらいだったのですか?
服部: だいたい30人くらいですね。最後まで人数分の開発機材は揃いませんでしたね(笑)
―――それぞれのミドルウェアは、どのように活用されましたか?
服部: 特にトリッキーな使い方はしていません。SEを「CRI Audio」で、BGMを「ADX」で、ムービーを「Sofdec」で実現しています。