1枚の写真から顔のアニメーションを作成、シリコンスタジオが最新バージョンを公開
シリコンスタジオは、ゲーム開発現場で利用する、1枚の顔写真から3次元動画モデルを生成するツール「MPEditor」(モーションポートレート・エディター)の最新バージョンを公開したと発表しました。ゲームがリアルになるにつれて、フェイシャルアニメーション(表情の動き)が重要視されるようになりましたが、開発には非常に多くの手間が必要です。本製品は直感的なインターフェイスで簡単にフェイシャルアニメーションを実現するためのものです。
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「MPEditor」はモーションポートレート株式会社の技術を利用したもので、直感的な操作と、リアルタイムに編集結果が反映される編集パネルによって、インタラクティブにかつ容易に作業ができるようになります。編集パネルには顔の基本動作である笑う・話す・視線を向けるなど16種類のプリ設定が用意されていて、顔のパーツの位置に特徴点を設定するだけで、ビデオ映像のように自然なアニメーションを生成することができます。
また、製品に同梱される「MP Animator」を利用すれば、音楽に合わせて、顔のパーツの動きを設定し、多彩なアニメーションを簡単に作成することもできます。
「MPEditor」はセル画調アニメにも最適で、バンダイナムコゲームスの『涼宮ハルヒの約束』(PSP)でも採用されているほか、既にWii、DS、PSP、遊技機向けなど10数タイトルで採用があるということです。また、PS3やXbox360の開発環境でも利用が可能です。
実際に採用したバンダイナムコのプロデューサーである金山健太氏は次のようにコメントしています。
「大ヒットアニメーションである 『涼宮ハルヒの憂鬱』 をテーマに、各キャラクターの魅力、そしてファンの世界観を壊さずゲーム化するのは非常に難しいものでした。独特のファン層を持つ作品ですし、ゲーム化するには今までの作品にはないアイデアを取り入れたいという思いがありました。モーションポートレート技術は、こういった我々の懸念を打破してくれるツールだと思い、採用を決めました」
「MPEditorを使ってキャラクターを動かすことは容易ですが、ただ1枚のイラストがクリック1つで勝手に動くわけではありません。ファンの抱いている2D キャラクターイメージを壊さずに3Dに生まれ変わらせるには、かなりの演出と工程を要しました。各キャラクター独自の表情を実現するために原画と3Dの間でかなりの試行錯誤があったことは事実です。しかし本プロジェクト用にモーションポートレート側でエディターをカスタマイズしてもらうことによって、2Dと3D相互間のパスを簡易化、リクエスト毎にフレキシブルに対応できるようになりました。また、最新作 『とらドラ・ポータブル!』でもMPEditorを採用しており、このゲームではうるんだ瞳など、さらに磨きのかかった表現が楽しめるかと思います」
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