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最大の特徴は、Intuilabが開発したテーブルトップ型ディスプレイ「Intuiface」に対応している点です。このディスプレイは、それ全体がマルチのタッチスクリーンになっており、いわば巨大なiPhoneといったところ。この上で両手を使って、画面を拡大・縮小したり、メニューを表示して選択したり、部隊に指示を出したりしてプレーできるのです。いわばアーケードの『三國志大戦』などのカードゲーム筐体が、そのままタッチスクリーンになったイメージでしょうか。
よく戦争映画などで、将軍たちが戦場を模した地形図の上で、部隊の駒を動かしながら軍略を練るなどの光景が出てきますが、この世界がデジタル上で展開されるといったところ。男の子なら誰もが夢見た、というのは言い過ぎですが、一昔前なら夢の世界でしかなかった光景が、目の前に広がっていました。残念ながら現状では、このディスプレイは約200万円するということでしたが、数年後には家庭にも普及するかもしれない・・・そんな夢を見させてくれます。
肝心のゲーム内容も一般的なRTSとは異なり、アナログのウォーゲームの世界が、そのままデジタルになった感じ。70年代にジオラマを作って(日本の狭い家屋では畳、時には公園の砂場!)、その上に1/87〜1/72の模型の戦車を配置し、物差しなどで距離を測りながら部隊を移動させ、ダイスで攻撃判定を行うといった「アクチュアル・ウォー・ゲーム」が流行したことがありますが(その遺伝子は、今も『ウォーハンマー』などのボードゲームに流れています)、まさにその正統進化系が体験できます。しかもこちらはテレビゲームなので、いちいちジオラマや模型の戦車を用意する必要はないのです。
部隊は地図上でコインのようなチップで表され、大きさで戦力、駒の枚数で部隊数が示されます。画面を拡大していくと具体的な兵科が表示されていき、個々のユニットのクローズアップにまで至るというように、同社が開発したIRISZOOMゲームエンジンによって、スムーズな描写がなされます。ゲームはこれらのチップを選択して移動させることで進んでいき、通常のRTSのように多数のキャラクターがワラワラと表示されることはないので、コントローラーでの操作でも、比較的スムーズにプレーできそうです。空軍による支援や、スパイを用いた情報収集などは、メニューウィンドウを開いて指示する形で、この時に内容に応じて軍資金を消費します。戦場の上空での制空権争いや、電撃戦による急降下爆撃といった様子が、非常にわかりやすく描写されます。
デモプレイをしてくれた開発スタッフによると、コンセプトはやはり「往年のアナログ・ウォーSLGをデジタルで再生させること」で、コントローラーによらない汎用的でシンプルなUIをめざしたそうです。これによりマウスとキーボードや、コントローラーだけでなく、「Intuiface」のようなタッチディスプレイにも対応できたとのことでした。
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アバロンヒルやGDW、SSシリーズといった単語に心惹かれてしまうゲーマーなら、一見の価値ありではないでしょうか。プラットフォームはPS3、Xbox360、PC。開発はフランスのEugen Systemsで、海外では2010年第1四半期の発売が予定されています。