【ロエベ】LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025の大賞と特別賞の受賞者を発表



ロエベはLOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025の大賞を、青木邦眞氏(1963年生、日本)の《Realm of Living Things 19》(2024年)に授与することを発表しました。
青木氏は、パトリシア・ウルキオラ、オリヴィエ・ガベ、ワン・シュウ、マグダレン・オドゥンド、フリーダ・エスコベドら、デザイン、建築、ジャーナリズム、批評、 キュレーションなど各界の第一線で活躍する12名の審査員によって、30名のファイナリストの中から選出されました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-fc7f16231662b4b5549c3eed9c624408-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


青木氏の歪像的なテラコッタ彫刻は、粘土に力を加えたときの歪んだりひび割れたりする様子を探求しています。重力、時間、圧力を用いた革新的で新しい造形技術を施しており、粘土の層を幾重にも積み重ね、圧縮し、窯で焼成。最後に、土と鉛筆で表面に装飾を施して仕上げています。

審査員は、技術的完成度、技能、革新性、芸術的ビジョンにおいて最も優れた作品を選び出すべく選考をおこないました。青木氏の作品は、伝統的な紐作りの技法を率直な方法で用いている点と、素材が生のままの姿で表現されている点を評価して選出されています。テラコッタの紐が収縮することで生まれる表面の緻密なディテールは、小宇宙を形成しています。その焼成過程はリスクをはらむがゆえに、このような彫刻を制作するために必要な、作家の粘り強さと献身を見てとることができます。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-2eee73a907e200e0db48fa1eb76e93c3-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-55e432d23d0660b834383ec30ec0e1da-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
青木 邦眞(日本)《Realm of Living Things 19》 、テラコッタ、400 x 400 x 870 mm 2024年

審査員はさらに次の2名に対して特別賞を授与することを決定しました。

ニフェミ・マーカス=ベロ(1988年生、ナイジェリア)による《TM Bench with Bowl》。
自動車産業から回収されたアルミニウムを用いて制作されたこの彫刻作品は、グローバリゼーション、貿易、そして権力の力学といったテーマを探求しています。審査員は、素材そのもののシンプルさと幾何学的なフォルムが組み合わさることで、消費主義について静かでありながら力強いメッセージを生み出している点を高く評価しました。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-bf3fe223b5cff8154779cb45c76850a1-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-653a6115da4f25d58583158dce143da1-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ニフェミ・マーカス=ベロ(ナイジェリア)《TM Bench with Bowl》、リサイクルアルミニウム、510 x 1120 x 400 mm 2023年

スタジオ スマクシ・シン(1980年生、1972年生、1979年生、1983年生、インド)による《Monument》(2024年)。デリーにある12世紀の列柱を等身大で再構築したこの作品は、銅のザリ糸を水溶性の布に通し、その後布を溶かして糸だけを残すという手法で制作されています。審査員は、作品が持つ力強い存在感と繊細な構造との詩的なコントラストに注目しました。記念碑の類が物理的に劣化し、長い時間が過ぎたとしても、文化的な歴史というものは忘れ去られることなく、強靭さを保ち続けることができる。この作品はそのことを雄弁に物語っています。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-d52416c12a42e0f86e6dfad041ce819b-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-0427fe4551da5935a4ae18853b42d0d9-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
スタジオ スマクシ・シン(インド)《Monument》、銅、ナイロン、10 x 500 x 2640 mm 2024年

今年のLOEWE FOUNDATION Craft Prizeでは、伝統的なクラフト技法を従来の素材から新たな素材へ転用した革新的な作品が選ばれています。例えば、バスケット作りの技法を粘土に、機織りの技法を金属に用いるなど、伝統的なモチーフが新たな解釈や再構築を受けています。口承や儀式、世代を超えて受け継がれてきた知識が、それらの豊かな遺産に敬意を表した作品の中に表現されています。一方で、他の作品ではアーティスト自身が独自の道を切り開き、ユニークな彫刻的フォルムを生み出し、新たな方向性を示しています。これらの新しいフォルムの中には、幻想的で遊び心あふれるものもあれば、表面にジェスチャーを加えるような仕上げによって、手仕事の痕跡がより明確に現れているものもあります。
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-f05212787b9f3511f0075abbc9cae53d-3900x3121.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 Exhibition

[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-53442949219fd1f5b3d51dbf41702dcd-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 Exhibition

ファイナリストたちは、133の国と地域からなる4600点以上の応募の中から、2025年2月に選考員によって選出されました。18の国と地域を代表するかれらは、陶器、木工、テキスタイル、家具、紙、ガラス、金属、ジュエリー、漆など多岐にわたる分野と素材で作品を制作しています。
[画像10: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-de86591b0309a0d1be288202feae0279-3900x3121.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 Exhibition

[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-a57244b2df4ea0458e9dfece92bb6657-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 Exhibition

[画像12: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-cc7274bf90f845bd38fcc800bcdd9480-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 Exhibition

毎年開催している本賞は、2016年にLOEWE FOUNDATIONによって設立され、現代のクラフトマンシップの卓越性、芸術性、革新性を称えています。今日の文化におけるクラフトの重要性を認識し、その才能、ビジョン、革新への意志によって、未来の新しい基準を打ち立てるであろうアーティストを評価することを目的としています。同賞は、1846年に職人たちによるクラフトの工房として創始されたロエべの起源を示唆するものでもあります。
[画像13: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-f10fb61369233976fedaacd54b7dd8b7-3900x3121.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025 Exhibition


「第8回目となるこの賞を祝うにあたり、展示されている作品の驚くべき創意の幅広さ、美しさ、そして技術の高さに心を打たれています。毎年、クラフトが持つ驚きや革新、進化し続ける力を目の当たりにするたびに、魔法のようなものを感じます。クラフトを活性化しつづけるというこの賞の役割を、私は非常に誇りに思っています。」
- シーラ・ロエベ(LOEWE FOUNDATION プレジデント)

大賞受賞者について

青木 邦眞(日本/川口市在住)
1963年生まれ。テラコッタの彫刻を制作。東京の武蔵野美術大学彫刻科卒業、
同大学院造形研究科修士課程修了。全国的に知られる青木は、ギャラリーせいほう(東京)や東京芸術センター(東京)での個展のほか、川口市立アートギャラリー(川口)でのグループ展などにも参加しています。 作品は日本芸術会館(神戸)に収蔵され、2023年には第9回日本彫刻コンクール(神戸)で金賞を受賞しました。
[画像14: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-7770c3ef5cbe2fc242cdd250062a9f9a-1080x1350.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
青木 邦眞(日本)


特別賞受賞者について

ニフェミ・マーカス=ベロ(ナイジェリア/ラゴス在住)
1988年生まれ。自身の作品の中でグローバリゼーション、消費主義、生産といったテーマを探求するデザイナー。リーズ大学でプロダクトデザインの学士号と修士号を取得。デザイン分野で国際的に高い評価を得ており、Marta(ロサンゼルス)とデザイン・マイアミ(マイアミ)でそれぞれ2部構成の個展を開催しています。2023年にシャルジャで開催されたシャルジャ建築トリエンナーレに選出され、同じく2023年にロンドンで開催された『モノクル』誌のEmerging Designer of the Year Awardと
デザイン・マイアミのCurator’s Choice: Design for Goodを受賞しました。作品はシカゴ美術館(シカゴ)とニューヨーク近代美術館(ニューヨーク)のコレクションに収蔵されています。
[画像15: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-798be19f57a13d35226935004b6cb27f-1080x1350.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ニフェミ・マーカス=ベロ(ナイジェリア)


スタジオ スマクシ・シン(インド/グルグラムで活動)
スタジオ スマクシ・シンは、スマクシ・シン(1980年生)、
ビレンドラナート・サルカール(1972年生)、サマルジート・サマルジート(1979年生)、ビカス・バルマン(1983年生)により構成されています。スマクシ・シンが創立し、テキスタイル、糸細工、彫刻、絵画、インスタレーションなど、さまざまな媒体で作品を制作しています。シンは、芸術家で教育者でもあり、バローダのマハラジャ・サヤジラオ大学で美術学士号、シカゴのシカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号を取得しています。彼女は オックスフォード大学(オックスフォード)、国立近代美術館(デリー)、 ヴィクトリア&アルバート美術館(ロンドン)などで幅広く指導、講演を行っています。かれらの作品は、サーチ・ギャラリー(ロンドン)、 リヨン現代美術館、ランゲンタール市立美術館(ランゲンタール)などで国際的に展示されています。
[画像16: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-a19d98dfb1c0507740386a9a1e4de547-1080x1350.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
スマクシ・シン(インド)

[画像17: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-fa206e792993ca8d5fe142b97b056df3-1080x1350.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
スタジオ スマクシ・シン(インド)サマルジート・サマルジート、ビカス・バルマン、ビレンドラナート・サルカール


審査員
アンドレス・アンサ LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2024 大賞受賞者
ミンスク・チョ 建築家、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 金獅子賞受賞者(2014)
フリーダ・エスコベド 建築家、エッセイスト
深澤 直人 デザイナー、日本民藝館(東京)館長
オリヴィエ・ガベ ルーヴル美術館(パリ)装飾美術部門ディレクター
シーラ・ロエベ 審査委員長、LOEWE FOUNDATION プレジデント
マグダレン・オドゥンド 陶芸家
ワン・シュウ 建築家、プリツカー賞受賞者
ディヤン・スジック エッセイスト、デザインミュージアム(ロンドン)名誉理事
エーブラハム・トーマス メトロポリタン美術館(ニューヨーク)近代建築・デザイン・
装飾美術担当キュレーター
パトリシア・ウルキオラ 建築家、インダストリアルデザイナー
アナチュ・サバルベアスコア エル・パイス紙 建築・デザイン特派員

LOEWE FOUNDATION Craft Prizeについて

LOEWE FOUNDATIONは、現代のクラフトにおける革新性、卓越性、芸術的価値を紹介し、称えることを目的として、年に一度の国際賞であるLOEWE FOUNDATION Craft Prizeを2016年に創設しました。LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2025では、現代のクラフトの発展に重要な貢献をしたとして、陶芸、ジュエリー、テキスタイル、木工、ガラス、金細工、家具、ペーパークラフト、漆といった多岐にわたる分野のアーティストたちをファイナリストとして選出しました。本賞を通して、世代を超えて、今日における最も優れたクラフトの概要を知ることができるでしょう。

この賞は今日の文化におけるクラフトの重要性を認識すること、そしてその才能、ビジョン、革新への意志によって、未来の新しい基準を打ち立てるであろうアーティストを評価することを目的としています。

1846年にロエベがクラフトの協働的な工房としてスタートしたことに端を発するこの賞は、ファッションと文化の密接な関係と、高度で専門的な知識の重要性を反映したものです。アート、クラフト、デザインは現在もロエベの礎となっています。

18歳以上のプロのアーティストであれば、どなたでも応募することができます。
応募作品がクラフトの革新的な応用と、独創性のある芸術的コンセプトを兼ね備えていることが唯一の条件となります。

LOEWE FOUNDATIONについて

LOEWE FOUNDATIONは、1988年にロエベ創業家の4代目であるエンリケ・ロエベによって、民間の文化財団として設立されました。現在、娘のシーラ・ロエベの指揮のもと、財団はアート、クラフト、デザイン、写真、詩、ダンスの分野で、創造性の促進、教育プログラムの企画、文化遺産の保護活動を続けています。
同財団は2002年にスペイン政府より美術功労金メダルを授与されています。

ロエベとカルチャー

カルチャーはロエベのDNAの中核をなしています。そのことは、長年にわたって続けてきたあらゆる分野の創造性へのコミットメントが体現しています。ファッションと現代生活との深いつながりや、アート、デザイン、クラフトマンシップを重視することは、世界でも長い伝統を誇るラグジュアリーブランドであるロエベの礎でありつづけてきました。2013年より、ロエベはブランドの価値を再解釈・拡張する数々のアーティストや職人とコラボレーションをおこなってきました。これらの文化的なプロジェクトは、ロエベの多面的な魅力を示すだけでなく、1846年にレザー職人の集団として創業して以来変わらない、知識を共有する姿勢と協調的な精神が反映されています。

The Roomについて

The Roomは、LOEWE FOUNDATION Craft Prizeにノミネートされたアーティストの作品を紹介するデジタルプラットフォーム。The Roomはアーティストが世界中の人々と作品を共有し、現在活躍している世界で最も革新的なクラフト作家の作品を発見、研究、収集する機会を提供します。

詳しくはtheroom.loewe.com をご覧ください 。

ティッセン=ボルネミッサ国立美術館について

ティッセン=ボルネミッサ国立美術館は、世界で最も重要な絵画コレクションの一つを所蔵する美術館で、ティッセン=ボルネミッサ家が70年にわたって収集した約900点の作品を展示しています。元は私的なコレクションでしたが、美術館開館のわずか1年後の1993年に政府が買い取り、現在はスペインの公共のものとなっています。デューラー、ラファエル、ティツィアーノ、ルーベンス、レンブラント、カラヴァッジョ、マネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、カンディンスキー、ピカソ、ホッパー、ロスコといった巨匠たちの名を連ねるコレクションは、わずか2世代の間に集められたものです。13世紀から20世紀にかけての西洋美術の主要な流れが全て含まれており、ハインリヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵(1875-1947)とその息子ハンス・ハインリヒ・ティッセン=ボルネミッサ男爵(1921-2002)の優れた美的感覚が反映されています。2004年には、カルメン・ティッセン=ボルネミッサ・コレクションが加わり、200点以上の新たな作品が永久コレクションに加わりました。さらに、2018年からはティッセン=ボルネミッサ・アート・コンテンポラリー(TBA21)が現代アーティストと協働して展示をおこなっています。
[画像18: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/10711/137/10711-137-628588ededc23ac5fd99dcd4a5b913fe-2160x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
ティッセン=ボルネミッサ国立美術館


#LOEWE
#LOEWEFoundation
#LOEWEcraftprize


< お問合せ先 >
ロエベ ジャパン クライアントサービス
03-6215-6116
www.loewe.com

プレスリリース提供:PR TIMES