Perrin Kaplan副社長インタビュー

任天堂オブアメリカ上級副社長マーケティング&コーポレートアフェアーズの Perrin Kaplan氏のインタビューがNextGenerationに掲載されています。その一部を抜粋して紹介したいと思います。これといって新情報はないですが、任天堂の考え方、アプローチを知るという意味で大変興味深い内容となっています。

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任天堂オブアメリカ上級副社長マーケティング&コーポレートアフェアーズの Perrin Kaplan氏のインタビューがNextGenerationに掲載されています。その一部を抜粋して紹介したいと思います。これといって新情報はないですが、任天堂の考え方、アプローチを知るという意味で大変興味深い内容となっています。




―――最近のゲーム売上不振によって任天堂の主張は証明されたと感じますか?

「証明された」とは言いません。任天堂は常に最高のリスクテイカーでした。私達は常に誰も知らない、どうなるか分からないような分野に挑戦してきました。私達にとってそれは常にイノベーションでした。ですから最近、誰も完全には「ゲーム」と呼べないような多くの商品を発売できていることにとても喜びを感じています。プレイヤーがそういう商品に文字通り列を成したというのは非常に満足です。

―――E3でのレボリューションについて何か話せることはありますか

私達はユーザーの皆様が発売日まで興味を持って貰えるような、十分な数のゲームを展示するでしょう。発売は「今年」と言ってきました。ある時点でもっと詳しい日付を明らかにできるはずです。

このショーやその先で、全ては実際にレボリューションに触って体験してもらうことです。我々の伝えたいメッセージが何であると私がいくら話すよりも、実際に自身でレボリューションを触りゲームをプレイして貰う方が遥かに重要です。ジェットコースターに乗るのと同じようなもので、それをどう感じるかは人によって異なります。

できるだけ多くの人に自身で体験してもらいたいと思っています。

―――レボリューションはコアなゲームプレスも魅了すると思いますか?

そうなることを期待しています。東京ゲームショウでは非常にポジティブな反応が得られました。私達の希望は"今までに遊んできたようなゲームと同じ文脈でレボリューションを考えないで欲しい"ということです。これらは非常に異なります―例えば他のハードをリンゴだとすればレボリューションはオレンジです。

イノベーションの精神でアプローチしなくてはなりません。プレイした誰もがそれは全く異なる体験であると確信するでしょう。どのようにコントローラーを使い、どのように動くのか、ちょっとした学習体験を導くことでしょう。

私はこれを何度も繰り返してきました。是非目を広く見開いていて欲しいと思います。

―――市場でのゲームキューブのポジションを考えた上で、レボリューションは家庭用ゲーム機メーカーとして最後のチャンスになるのでしょうか?

ゲームキューブへの評価は、実際のゲームの売上よりも、悪いものです。市場のリーダーではありませんが、ゲームキューブは発売時期のXbox360やホリデーシーズンを通してXboxを上回る売上を記録しているのです。

私達は非常に価値あるバンドルプロモーションを行ってきました。まだ"死んでいる状態"には程遠いものです。評判は実際の売上からかけ離れていて、まだまだ生きています。レボリューションは大きく異なる方向性を取るハードで、違うものを提供することで競争力を持つことができればと願っています。

―――何がレボリューションのキャンペーン活動の主なマーケティングの推進力となるでしょうか?

触れてみる、経験してみる、試してみるということすべてのポイントが、われわれの最大の難関であり、最大のチャンスでもあります。小売店に並ぶようになり、キャンペーンの重要な要素がしっかり固まったら、私達は消費者の方々にレボリューションをためしに触ってみるようにさせていきます。レボリューションは通常と同じように小売店にて売られるのでしょうが、こういったキャンペーンも非常に重要なものです。

これはDSにとっても同じようにキーとなった事柄であり、これは本領を発揮してきています。

―――何がレボリューションの「キラーソフト」になるのでしょうか?

私達は、1つだけ抜きん出たものがあるより、たくさんの「キラーソフト」を用意したいと思っています。いくつかのサードパーティーのパートナーさんは、コントローラーに本当に感激し、その可能性にとても興奮しています。EAやアクティビジョン、UbiソフトやTHQは、これを掴み取りたいと思っていますし、まったく新しくこれまで異なる経験をもたらすものを作り上げたいと思っています。

私達は、彼らに私たちが進んでいく方向を説明し、彼らは理解したのです。彼らは、いつものラインから離れた仕事をすることが出来るチャンスに興奮し、それを完全に手に入れたのです。

―――マーケットのうちどれだけをレボリューションは得ることが出来るでしょう。

現時点でパーセンテージを予測することはしていません。ですが言えるのは、自分たちのテリトリーを図に記すことが出来るに十分なほど、私達は異質で革新的である、という風に信じているということです。競争という点では、突出的なポジションにたてればという高い望みを私達は持っています。

―――好評な任天堂のテーマである「ゲームの客層を広げる」ということについて話しましょう。 どういう人についてのことでしょうか。

例えば、若い十代の女性です。彼女たちを『Nintendogs』によって引きつけることができ、大成功をおさめました。世の中には私のような、休止状態のプレイヤーと表現できるような人がいるでしょう。私はかつてたくさんプレイしたのですが、すべてのゲームが同じものに見え始めてきてしまったのです。なにも私の興味をそそりませんでした。でも、私は『Nintendogs』が大好きですし、『脳トレーニング』も大好きです。人々は刺激を求めています、そしてこれらの製品は彼らを呼び戻すでしょう。

『Nintendogs』といったゲームには、おびえさせるような要素はなく、手ごろで、異質です。それは、育てるという、感情的に人に備わっているものにのっとってプレイします。 ゲームというより、経験という感じです。


―――これらの製品を表現するのに、ゲーム以外の新しい呼び名をつけたいですか?

新しい呼び名が必要かはわかりませんね。私達はエンターテイメントを売り、「喜び」を売っています。人々は私達をゲーム会社だと考えていますし、そこから逃れることは出来ませんけれども、どんな形であれ、私達はエンターテインメントを売っているのです。それが『Nintendogs』であろうと、『どうぶつの森』であろうと、『マリオカート』であろうとも。

―――任天堂は次世代になるにあたって、そのイメージやメッセージを濃く浮かび上がらせてきているように見えます。どれだけの仕事量が費やされたのでしょうか。

自然に立ち上がってきたのですよ。部屋に座ってキャンペーンを仕掛けようとしたわけではないんです。私達は話し合うことに時間を費やしたんです。家を探すときに、最終的にぴったりだと思える家が見つかる、というのに似ていますね。

私達が発売しているいくつかの製品を、私達はとても良いものだと感じていて、それには消費者も良いものだなと感じてくれます。私達はファンタスティックなコアなゲームを抱えていて、その道も続けますが、同時にユニークなアプローチも私達は抱えているのです。

―――どんな任天堂の性質が、『脳トレーニング』やレボリューション、『Nintendogs』といった異質な商品を任天堂が作ること可能にしているのだとあなたは思いますか?

任天堂は非常に収益の高い会社です。私達はリスクを犯すだけの資金的余裕を持っているのです。私達はゲームというものをを生き返らせるのを助けた会社です。たくさんの人々が、私達のゲームをすることに慣れ親しんできました。私達は、忠義というものをもっています。 任天堂は、たくさんの物ををたくさんの人に提供してきましたが、私達はいつも品質と面白さと価値が重要だと考えており、これこそがリスクを犯すたくさん余地を私達に与えてくれたものなのです。

《土本学》

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