【インプレッション】Wii Sports ゴルフ(Wii)

Wii Sports ゴルフ

任天堂 Wii
Wii Sports ゴルフ

Wiiの同時発売タイトルの中でも、もっともWiiの特長を体現している『WiiSports』。Nintendo World 2006では、収録されている各モードがいずれも大量の体験台が用意されていました。その中の1モード「ゴルフ」もその例に漏れず、10台近くWiiで展示されていました。

まず、画面端に表示される全体マップを見ながら、打つ方向やその程度を読んでいきます。打つ方向はデフォルトでは直接グリーンの方向を向くようですが、風の影響などを鑑みて十字キー左右で方向を変えることもできます。マップには目盛りが表示され、どの程度のスイングでどの程度まで飛ぶのかを読むことが出来ます。この目盛りは、スイングのゲージの目盛りと対応しています。というわけで、マップを読んで打つべきショットがどういうものかわかったら、スイングの練習です。何もボタンを押さずにリモコンをスイングすれば、どの程度の振りだったかがゲージになって表示されます。当然、短く打つためには弱く振らなければなりません。一方、フルゲージで振ればいい場合は力任せに振ればオッケー、というわけにはいきません。ある一定の強さ以上でスイングしてしまうと、距離としてはフルゲージですが、ショットの方向がぶれてしまいます。何度か練習してスイングの強さを調整したら、実際のショットです。リモコンのAボタンをしっかりと押し、スイングします。・・・多分初めて触ったときには、練習の甲斐なくミスショットというオチになるでしょう。

この「ゴルフ」は、とにかく表現がシンプルです。シンプルであることにこだわっているようにもみえます。基本的にゴルフゲームは派手になりようがないものですが、それに輪をかけて地味です。地味にマップを読み、地味に練習をして、地味にショットをすることになります。グリーンの傾斜も、傾きが矢印が表示されるわけでなく、グリーンの模様を頼りに自力で傾きを読んでいくことが要求されます。地味です。

「地味」を連発してますが、私としては褒め言葉のつもりで言っています。私が初めて買ってもらったゲーム機はゲームボーイであり、それと一緒に買ってもらった2本のゲームのうち1本が『ゴルフ』でした(もう1本は『テトリス』)。私のゲーム経験においては、ゴルフゲームの原点はGB版ゴルフであり、そして完成形もまたGBゴルフあると思っています(FC『ゴルフ』も中々ですが、個人的にはGB版です)。今から見るととにかく地味なゲームですが、逆に、地味でシンプルでユーザーフレンドリーではなかったからこそ、ゴルフゲームの本質的面白さがあふれんばかりに詰まっていたように思います。特に、(打つべきショットをゲーム側で教えてくれるわけではなかったため)「微妙にミスった」ということがよく発生し、それをカバーして進んでいかなければならない、という部分が大好きです。

今回『WiiSports』の「ゴルフ」を触って、その画面構成のシンプルさに「ああ地味だわ・・・昔の『ゴルフ』もこんな感じだったわ・・・」と感じ、また、手触りは心地よくプレイしやすいゲームでありながらも、正確なショットを決めるのがなかなか難しいため「微妙なミス」が良く起こり、「そうそう、これがあってこそのゴルフでしょ!」と感じました。ぶっちゃけてしまえば、体験した際の殆どすべてのショットが意図したのと違うショットになっていたような気がします。他人のショットを見ているだけでも、うまく行くのかどうかハラハラしてしまい、なかなか楽しめてしまいました。慣れればきちんと打てるようになるのでしょうかね。

面白さとしては、「テニス」等のようにガツンと「おもしれぇぇぇ!!」となる種類のものでなく、じわじわ来るタイプのものだと思います。正直、10分間程度の体験ではこの「ゴルフ」の本当のデキを把握することは出来ませんでした。対戦を2ホールほど体験しただけなので、何ホールあるかもさっぱりわからないですし。また、想像で補完しすぎてしまい、過剰な期待を持ってしまっているかもしれません。ですが、GB版『ゴルフ』で私が感じた面白さ、ゴルフゲームらしい面白さを、この『WiiSports:ゴルフ』でまた体験できるかもしれないと希望を持つことが出来たのは確かですし、それだけのポテンシャルを持っているゲームになっているのではないかと思います。

初めて買ってもらったゲームであるあの『ゴルフ』の面白さを、今遊んでもやっぱり面白いと断言できるあの面白さを、もう一度新しい形で楽しめれば、私にとってこれほどうれしいことはないです。期待して待ちたいと思います。

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