任天堂が体重計を作るとこうなる―『Wii Fit』体験記

「任天堂がクルマを作ったらどうなるか考えろ」―トヨタ幹部は開発現場にこう言ったと伝えられます。発想を転換、エンターテイメントでなかったものをエンターテイメントへ。任天堂は体重計を、健康をエンターテイメントに変えました。家族で取り組める様々なエクササイズを収録し、楽しみながら健康なからだを作る『Wii Fit』が12月1日に発売になります。

任天堂 Wii


40種類以上のトレーニングで楽しくみんなで

『Wii Fit』には日々こなして鍛える為のトレーニングが40種類以上が収録されています。今回は10種類の中から選んでプレイすることができました。「バランスゲーム」「有酸素運動」「ヨガ」「筋トレ」4つのジャンルがあり、その人の好み合った幅広いトレーニングが出来ます。今回は「ヘッディング」「コロコロたまいれ」「バランススキー」といった種目をプレイしてみました。

「ヘッディング」ではサッカーのキーパーとなって、次々に蹴り込まれてくるボールを体で防いでいきます。ボール以外にヤカンやパンダを蹴ってくる輩も居るので的確に、防ぐものと避けるものを判別しなくてはなりません。「コロコロたまいれ」では『コロリンパ』のようなステージで、玉を穴に落としていきます。自分の重心をコントロールしてステージを傾けます。「バランススキー」ではスキーの競技のように重心を左右しながら旗の間をくぐって下っていきます。

どれも非常にシンプルです。行列に並んでいる時に他人のプレイを見ると「なんてヘタなんだ」(失礼)と思ってしまうようなゲームです。でも実際にやってみると大変なんです。よく考えてみると、自分の重心を上手く移動させるという動き(?)をすることって実は余りないんです。スポーツをやる人だとその重要さは身に染みているかもしれませんが、日常生活で要求されることは滅多にありません。だからこそ鍛えられそうです。

「ヨガ」や「筋トレ」は結構真面目なトレーニングが収録されていますが、「バランスゲーム」や「有酸素運動」には任天堂流の遊んで楽しいゲームが多数あります。「ヘッディング」や「バランススキー」も他人が遊んでいるのを見て笑みがこぼれる、そして体が動いてしまう、そんなゲームでした。余り良い結果は出ませんでしたが、点数も表示されるので、何度もチャレンジしたくなります。辛いトレーニングではないので、継続できそうです。

人と競えるのも大きなポイントです。『Wii Fit』では最大8人までのデータを登録することができ、家族や友達と一緒に頑張れそうです。今回体験したとき、バランス年齢はそこそこ良い数字でしたが、周りの観客や後ろの友達を前に、「ヘタな数字を出すわけにはいかない!」(笑)というプライドがその秘訣だったように思います。

姿勢をピンとしていると健康に良いそうです。心も引き締まって仕事や生活にも良い影響があります。笑顔も良い生活を送るためには大切です。コミュニケーションも大事です。ゲームを遊ぶような気持ちで楽に、そして周りの人と一緒にぜひ『Wii Fit』を試してみてください。体重計は体重を測る為のものでした。「任天堂が体重計を作ったらどうなるか?」その答えは、乗る人を笑顔にし、体重計に乗るのが楽しみになり、みんなで喜びと挑戦を共有しながらバランスと健康を作っていける、そんな『Wii Fit』でした。
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《土本学》

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