韓国政府がオンラインゲームをバックアップ−GNGWC2007日本予選を開催

■2年目で魅力倍増の国際大会予選

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韓国政府がオンラインゲームをバックアップ−GNGWC2007日本予選を開催
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MMORPGは対戦競技に成り得るか。Eスポーツを語る上ではそんな疑問がよく提示されますが『ルニア戦記』と『SiLKROAD Online』については競技が成立しているように見えました。

『ルニア戦記』の戦闘システムはアクションゲームです。従来のMMORPGにあるような"敵をクリックすれば自動戦闘"ではありません。したがって、アクションゲームとしての対戦が楽しめるゲームでした。『ルニア戦記』を知らない人々もこのシステムには感心していました。操作テクニックが秀でていれば、レベル20のキャラクターがレベル40のキャラクターを倒すことも不可能ではありません。試合はプレイヤー同士が戦うPvPモードで行われました。決勝戦のカードは魔法使いキャラのフォル選手と騎士キャラのユーキ選手です。戦いを通じてフォル選手の放つ炎がユーキ選手を包みます。ユーキ選手は足の速さを上手く使って炎から逃げますが、防戦一方でフォル選手へダメージを与えられません。フォル選手は炎を広げ、少しずつユーキ選手の体力を削ります。ユーキ選手は意を決してフォル選手の懐に飛び込み、接近戦で剣のダメージを与えます。しかしチャンスは圧倒的に少なかったようです。フォル選手が優勝しました。

『SiLKROAD Online』はタイトル通り、ユーラシア大陸を横断するシルクロードが舞台です。こちらは対戦と言うよりもスコアランキングバトルといった趣でした。決勝戦はA組、B組に別れ、それぞれ4名の選手が参加。各組の1位が日本代表となります。舞台は大会用に用意されたダンジョンで、各選手ともレベル81のキャラクターが与えられます。試合開始前にステータスポイントをHPとMPに振り分け、装備を選択するなどの準備を行います。このための制限時間が短く、戦略性と判断力が試されました。試合開始後は制限時間30分で巨大モンスターたちと戦い、スコアを稼ぎつつアイテムを収集します。しかし、実は20分が経過するまではほんの序盤戦。真剣勝負はラスト10分間でした。選手全員がPvPエリアに強制的に転送されて、さらに強いモンスターと闘います。しかもここでは選手同士の闘いもOK。倒された選手は復活までスコアを稼げず、倒した選手にはスコアが入るというルール。ポイント上位の選手がモンスターを倒してスコアを伸ばす一方で、下位の選手は上位の選手を倒し逆転を狙います。熾烈な戦いの結果、A組はH.T選手、B組はナル選手が優勝しました。

(左)ルニア戦記(中)SiLKROAD Online(右)日本代表へのメッセージフラッグが設置されていた


■2年目の成功。ベリーダンス、韓国伝統楽器の演奏も

今年のGNGWC2007日本予選は昨年に比べると飛躍的な成功を遂げたという印象です。昨年のGNGWC2006についてはiNSIDEの前身、SlashGamesでレポートしていますが、このレポートは少々歯切れの悪い仕上がりでした。2種目だけの競技のうち、1種目は日本での知名度が浅く、参加選手は日本人以外の留学生でした。彼らは試合前後のステージでもマイクを向けても何も語らず、帽子を深く被って顔すら見せません。彼らはまるで何かやましいことでもしているかのようでした。実はGNGWCの予選には国籍規定がありません。したがって、日本予選に台湾や中国から、そして韓国人留学生が参加しても問題ないのです。しかし、やはり日本人ではないことに後ろめたい気持ちがあったのかもしれません。そんな雰囲気があったため、GNGWCの記事では代表選手の名前を掲載しませんでした。

今回、GNGWC2007日本が大盛況となった理由は、日本で運営されて実績のあるゲームが種目として選ばれたこと、それぞれのゲームを運営するポータルサイトがプレイヤーに十分な告知をして参加選手を募ったことが大きいと思われます。GNGWC2006の記事でも触れましたが、全種目同時進行、選手エリアでの観戦可、というスタイルを継承したことも、ゲーム大会を盛り上げています。昨年同様にベリーダンスや韓国伝統楽器の演奏という催しも行われました。ゲームのみに凝り固まらず、ゲームを含む文化を幅広く楽しむというスタイルは、今後もぜひ継承してほしいと思います。今後は国籍規定がないことをもうすこしアピールして、日本に在住の外国人や留学生、あるいは、海外でも日本人選手が予選に参加できるように配慮してはいかがでしょうか。GNGWCは韓国製ゲームを海外でプロモーションするための催しとのことですが、新しい国際交流の提案という役目も担えるイベントだと思います。

(左)東京外国語大学ベリーダンス部のステージ(中)早稲田大学のクラブSHINAWHIがサムルノリを演奏(右)Lievoイメージガールも会場に訪れた
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《杉山淳一》

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