任天堂、米国通商代表部に中韓などに違法製品の撲滅を働きかけるよう要請

任天堂オブアメリカは、任天堂のゲーム機やソフトの海賊版を製造・流通させている世界の国々に対して、スペシャル301条を適用し積極的に対処するよう米国通商代表部に申し入れをしたと発表しました。スペシャル301条は知的財産権について不公正な取扱いを行っている貿易相手国に対して行う協議や制裁を定めたものです。

任天堂 Wii
任天堂オブアメリカは、任天堂のゲーム機やソフトの海賊版を製造・流通させている世界の国々に対して、スペシャル301条を適用し積極的に対処するよう米国通商代表部に申し入れをしたと発表しました。スペシャル301条は知的財産権について不公正な取扱いを行っている貿易相手国に対して行う協議や制裁を定めたものです。

発表文によれば、中国はニンテンドーDSやWiiのゲームの海賊版の主な生産拠点となっていて、韓国ではインターネットを通じてそれらのソフトが違法で流通されているということです。また、ブラジルやメキシコでも違法製品に対する取り組みを続けているにも関わらず、海賊版が多く流通しています。また、パラグアイや香港はそれらの違法ソフトの流通拠点となっているということです。

以下は任天堂が提出したもののサマリー。

任天堂は世界中の各国に対してハードウェアのセキュリティ技術を突破することに対して厳格な法律を制定することを望みます。

中国: 中国政府は大規模な海賊版活動に対する刑事訴追を実施すべきです。任天堂は中国当局と共に昨年だけで100万を超える違法製品を摘発しましたが、1人も起訴されていません。

韓国: 任天堂は韓国との自由貿易協定(FTA)を支持しますが、違法製品のアップロード/ダウンロードで利益を受けている人々をただちに追及すべきです。韓国は任天堂にとって重要な市場ですが、インターネットでの海賊版はゲーム業界の成長を著しく阻害しています。

中央・南アメリカ: ラテンアメリカは依然として海賊版のたまり場となっています。メキシコでは海賊版の摘発に対して暴力が振るわれ、ブラジルでは正規品に対して高い税金がかけられ、パラグアイでは腐敗が広がっています。任天堂はこれらの国々で昨年だけで65件の取り締まりを現地当局と協力して行い、23万の違法製品を押収しましたが、違法製品の比率は年々上昇しています。任天堂はこれらの国々に対して法律やその運用に関して抜本的な変更がなされることを要求します。

「ニンテンドーDSとWiiは先例のない成功を続けており、海賊版の主要なターゲットとされています。私たちはゲーム業界全体で海賊版によって約10億ドルの損害があったと推測します。任天堂は世界中の政府と協力し、この非合法活動に対処していきます」と任天堂オブアメリカの海賊版対策担当のJodi Daugherty氏は述べています。

《土本学》

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