今どきゲーム事情■中村彰憲:『The Sims』シリーズに長年たずさわってきたティム・レトウノー氏を直撃!〜誕生秘話から開発現場まで徹底追及!〜

今年開催されたエレクトロニック・アーツ(以下、EA)の記者発表会は、EAの主要開発拠点からはじまり、EA傘下にあるBioware、そしてEAと連携のあるValve Software、id Softwareなどのトップが一堂に会し、同社のソフトパワーを改めて示したミーティングとなりました。

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今どきゲーム事情■中村彰憲:『The Sims』シリーズに長年たずさわってきたティム・レトウノー氏を直撃!〜誕生秘話から開発現場まで徹底追及!〜
今どきゲーム事情■中村彰憲:『The Sims』シリーズに長年たずさわってきたティム・レトウノー氏を直撃!〜誕生秘話から開発現場まで徹底追及!〜 全 5 枚 拡大写真

■拡張パックでは何が人気?

中村:これまで数多くの拡張版が販売されましたが一番人気だったのはどれですか?

ティム:すべてのデータがあるわけじゃないので細かいことは言えませんが、最初の『The Sims』では、『ペット&ガーデニング!データセット』(英語名『Unleashed』)ですね。この他に『ラブラブデート!データセット』(英語名『Hot Date』)もかなり人気がありました。この2つはともに以前からプレイヤーが望んでいたゲーム体験だったんです。『ラブラブデート』ではじめて『The Sims』のキャラクターが外に飛び出すという体験をしました。ダウンタウンに行ったり、ショッピングに行ったり、レストランに行ったり…、自分のキャラクターを実際に外の世界に連れていくことができたのです。『ペット』では、自分たちにとってなじみ深く、日常の生活にあるものがシムワールドで実現できました。


『The Sims』らしく、ペットに関するパラメータも豊富


このように『The Sims』はみんなの生活の一部をキャプチャーし、プレイヤーをシムワールドに巻き込んでいくことができます。単なる人形劇ではなく、戦略もゲームプレイも存在し、ゲーム内で成功を収めるにはそれぞれを考慮しなければなりません。拡張版の中で人気が出たタイトルの特徴は、それをインストールすることで自分の別面を見ることができるということです。

中村:『The Sims』シリーズはユーザコミュニティを巻き込んでいくことで非常に成功を収めましたが、この手法はどう生まれたのでしょうか?

ティム:これはすでに『SimCity』の時代からはじまっていましたね。『SimCity』のコミュニティも独自のコンテンツを作った人たちが、それをアップロードして発表したりしていました。私たちも、エディットツールを提供するなどしてコミュニティをサポートしてきたんです。これまですべての作品が、コミュニティの存在を念頭にデザインされてきました。つまり、プレイヤーが独自にコンテンツを開発することを許容し、より多くのコンテンツがシムワールドで展開できるようにゲームをデザインしたわけです。

コミュニティは『The Sims』を成功させるうえでもっとも重要な存在の1つでした。Web 2.0へと進んでいったのは、まさに自然な流れだったとも言えます。コミュニティは『The Sims』シリーズの中で重大な役割を果たしてきているのです。成功の裏には存在感あるコミュニティと、そのコミュニティのサポート、自分で作ったコンテンツを手軽に交換できる仕組みが存在することが、成功における土台になっていると言えます。

中村:コンソール機ではどのようなことをしてコミュニティを維持したのでしょう?

ティム:実はコンソール機向けの『The Sims』シリーズはコミュニティをサポートすることがつい最近まで出来ませんでした。コンソール機ではコンテンツを手軽にダウンロードするということが不可能でしたからね。でもこれからは、ネットワーク接続やHDDなどが整い、コンソール機でもしっかりしたサービスができるようになるのではないでしょうか。

■最新作『ぼくとシムのまち』『キングダム』、そして未来のシリーズは?

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《中村彰憲》

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