『ブルードラゴン プラス』発売記念イベントで植松伸夫氏が音楽を語った

4日、ニンテンドーDS向けリアルタイムシミュレーションRPG『ブルードラゴン プラス』が発売。これに合わせてビックカメラ有楽町店本店では、音楽を手がけた植松伸夫氏のトークイベントが行われました。

任天堂 DS
ブルードラゴン プラス
ブルードラゴン プラス 全 13 枚 拡大写真
4日、ニンテンドーDS向けリアルタイムシミュレーションRPG『ブルードラゴン プラス』が発売。これに合わせてビックカメラ有楽町店本店では、音楽を手がけた植松伸夫氏のトークイベントが行われました。

ブルードラゴン プラスは、Xbox360向けにリリースした『ブルードラゴン』の1年後の世界を描くタイトル。タッチペンを多用したアクション様子が強いのが特徴となっていて、ニンテンドーDSならではの操作方法として、タッチペンで複数のキャラクターを丸で囲んで同時に命令が出せるというものがあります。

そのブルードラゴン プラスの音楽を手がけたのが植松伸夫氏。同氏はファミコン時代から「ファイナル・ファンタジー」シリーズなどの音楽を手がけてきました。トークイベントでは、ゲーム専門の音楽家ならではの発言が聞かれました。

「最近のゲーム機は進化をして、生録音が流せるようになりました。しかし、ブルードラゴン プラスでは久しぶりに内蔵音源を使いました。

ゲーム音楽に関する取材で『ファミコンの時と最新の機材と比べてどうですか』との質問をよく受けます。“ファミコンの時代はPSG音源が3つで作りにくかったです。でも、いまは生録音をしたものがそのまま流せていいですよね”という答えを期待しているようです。

しかし、そんなことはありません。制限があった方がいいんですよ。その制限の中で、それぞれの音楽家がそれぞれの工夫をした方がゲームのおもしろさが出てくると思います。なので、スタジオ録音をした音楽をそのまま流すよりも、制限がある内蔵音源の方が“ゲーム音楽専門家”としてやりがいがありますね」

生録音をそのまま流す方が、内蔵音源よりもクリアな音やオーケストラを使った壮大な音楽が実現できます。しかし、植松氏はなぜ楽器の生の音よりもゲームの内蔵音源の方がやりがいがあるというのでしょうか。そこには、内蔵音源でもすばらしい音楽が作れるという植松氏なりの考えがあります。

「音楽のおもしろさには、かっこいいリズムやきれいな音色という魅力もあると思います。しかし、何が人間の心に印象深く残るかというと和声の動きとメロディーだと思います。それさえしっかりしていれば、制限のある携帯ゲーム機でも生録音がそのまま流せる最新のゲーム機でも音楽を作る姿勢に変わりはありません」



ブルードラゴンシリーズを販売するAQインタラクティブは、アクションRPG『AWAY シャッフルダンジョン』を10月にリリースします。このアウェイでは、植松氏はテーマ曲とともに、ゲーム中に登場する新しい楽器を考案したそうです。

「“世の中にない楽器をゲームの中に登場させることはできないか”ということで、グラフィックの方と一緒に『レインボーストリームス』という楽器を考案しました。3メートルくらいのホラ貝に鯨のひげで作った弦が張ってあるというものです」

「最後に、なにかメッセージはありませんか」との司会者に対し「これからアウェイも発売になります。ぜひ期待して待っていてください。あっ、このあと飲みに行ってもいいですか」と言い残してトークイベントは終了しました。

《安達崇徳》

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]

関連ニュース