『MADWORLD』開発秘話−リモコンを振るとゲームのテンポが悪くなる?
無事に発売され様々なサイトで高評価を得た『MADWORLD』ですが、Wiiリモコンを振っての操作を導入するには様々な苦労があったようです。
任天堂
Wii
プラチナゲームズの英語版公式Blogは「MADWORLD VS Wiiリモコン」と題した記事を公開しました。
『MADWORLD』ではWiiリモコンを回してジャイアントスイング、振り上げてアッパーカット、振り下ろしてチェーンソーの唐竹割り、横に振ってチェーンソーのなぎ払い……とリモコンの動作と連動したアクションを楽しめます。
こうした「ジェスチャーコントロール」は「開発中の最も大きな挑戦の内の一つ」であり、最終形に達するまでは長くハードな道のりであったと述懐します。
「ジェスチャーコントロール」を『MADWORLD』に導入する際の最も大きな問題はゲームのテンポが悪くなることであり、『マリオカートWii』のようにリモコンを横にターンさせるやり方も考慮されたが「これは早期に放棄された」とのこと。『BAYONETTA』を開発中の三上真司氏にも助言を求めたと言います。
こうした苦労の甲斐あって、プレイヤーの移動をヌンチャクに集約、Wiiリモコンにプレイヤーのアクションを担当させるという現在の操作形態が完成。更に敵にトドメを刺すための独自のジェスチャーが加えられたそうです。
操作の基本部分をボタンに割り振り、「ジェスチャーコントロール」をアクセントとして加えることによって『MADWORLD』は「良いバランスとなった」とのこと。
「操作はゲームの品質に影響を及ぼす。特にアクションゲームには重要であり、これはWii上のアクションゲームにも当てはまる」とWiiのアクションゲームでは操作性を重視すべきであるとの考えを明らかにしています。
「インサイダー情報」としてWiiリモコンを振るコツも解説されています。
全力でWiiリモコンを振ると腕が疲れるが、検知しているのはスイングされる角度なので、「フレイル(から竿)のように腕を振り回すまでやらなくていいから、ちょっと手首を弾いて行く手の敵をデストロイして欲しい。もちろん、Jack(主人公)的なキモチになってスイングするのは大歓迎!だけど部屋を破壊しないように気を付けてくれよな!」……とユーモア溢れるコメントで締めくくられています。
Wiiリモコンを振る動作と操作性を両立させ、ゲームをテンポ良く遊べるようにする。「ジェスチャーコントロール」の取り扱い、その難しさが分かる記事といえるでしょう。
《水口真》