【E3 2009】取材を振り返って Vol.1 小野憲史 「華やかさの影に・・・」
今年のインサイドのE3特集はいかがだったでしょうか? 現地レポートは一段落しましたが、ここからは現地に足を運んだ人たちがどのような眼で今年のE3を見たのか取材後記風に振り返ってもらいました。第1回は今年も活躍していただいたフリーライターの小野憲史氏です。
ゲームビジネス
その他
E3の帰り、ロサンゼルス空港のバーでのことです。偶然にもアジア地域で日本のテレビゲーム機の輸出を手がける貿易商と知り合いになりました。彼の担当エリアはシンガポールからタイ、インドネシア、インド、そしてドバイからサウジアラビアまで。中でもドバイではニンテンドーDSがホットだと語っていました。
一方、2年ぶりに復活した「E3」ですが、一見華やかな会場の舞台裏で、パブリッシャー間の激しい生き残り競争が感じられました。エキスポに巨大ブースを構えた企業のうち、来年何社が生き残るかといった声も聞かれたほど。今後も大規模な再編劇が続くと見て、間違いなさそうです。
会場では主催団体のESAから最新の市場情報も発表されましたが、アメリカのゲームソフト販売ランキングでWiiがトップ4位を占め、大作RPG『フェイブル2』よりも、カジュアルガンシューティングの『リンクのボウガントレーニング』が販売本数で勝ったのを知り、驚かされました。利益率は桁違いで、投資家としての判断は自明の理です。
マイクロソフトとSCEAが共にモーショントラッキング技術を用いた新デバイスを発表し、任天堂も脈拍センサーを発表するなど、インターフェース競争が目立ったハードメーカーのメディアブリーフィングでしたが、任天堂、マイクロソフトが共にfacebook対応を打ち出すなど、新しい流れも見受けられました。さらに会場を一歩出ると、iPhoneユーザーが街中でそこらかしこで闊歩しています。
不況に強いと言われるゲーム業界。E3会場の華やかさだけを見ていると、未来は安泰と感じがちですが、ここだけが特別な「温室」なのでしょう。今後景気が回復したとしても、かつてのようなハードメーカー三国志といった事態は、もはや過去のものになりそうです。個々のゲームの良さを見きわめる「蟻の目」と、広く業界全体を俯瞰する「鳥の目」の両方が必要だと、改めて感じさせられた今年のE3でした。
小野憲史
フリーライター/ゲームジャーナリスト。「ゲーム批評」編集長を経て、現在はフリー。共著に「ニンテンドーDSが売れる理由―ゲームニクスでインターフェースが変わる」など。
※インサイドでは7月1日よりゲームビジネス専門メディア「GameBusiness.jp」を立ち上げます。ゲーム開発、市場、人材、流通の明日を切り開くオンラインメディアをお楽しみに。
《小野憲史》
「フリーランス・業務委託」ゲームVFX/エフェクトデザイナー
株式会社トリサン
- 東京都
- 月給40万円~75万円
- 業務委託
ゲームセンター/賞与あり/社員登用あり/社割あり/社会保険完備
埼玉レジャーランド大宮ラクーン店
- 埼玉県
- 時給1,200円~1,500円
- 契約社員
「アニメ&IP事業本部」アニメ事業 国内ライセンスビジネス担当
株式会社サイバーエージェント
- 東京都
eスポーツ 教室のインストラクター/初心者歓迎!ゲーム×教育の新時代を一緒に作りませんか
株式会社eSP
- 神奈川県
- 月給26万222円~
- 正社員
2D背景デザイナー「正社員・フルリモート」/ゲーム・エンタメ/業界未経験歓迎
株式会社サーチフィールド
- 東京都
- 年収400万円~500万円
- 正社員
「経験必須」「Unity/C言語/C++」「SE」ゲーム機能の設計、実装、テストの案件
株式会社コプロテクノロジー
- 東京都
- 月給45万円~55万円
- 契約社員 / 業務委託 / 派遣社員
コメント欄を非表示
※コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください