Wii用ゲームの売れ行きはレビューの点数とは無関係?−海外の業界人が激論

「Wii用ゲームの売れ行きはゲームレビューの点数とは無関係」という説に、海外の業界人から様々な意見が寄せられています。

任天堂 Wii
「Wii用ゲームの売れ行きはゲームレビューの点数とは無関係」という説に、海外の業界人から様々な意見が寄せられています。

EA SPORTSの最高責任者であるPeter Moore氏は、Metacriticで70点以下を付けられたゲームが数百万本売れていることなどから、「Wiiにおけるレビュー点数の重要性は、Xbox360やプレイステーション3におけるそれよりも低い」と主張。

海外では複数のゲームサイトのレビューを点数に換算したMetacriticの「メタスコア」がゲーム評価における一つの権威となっているのですが、Wii用ゲームにはこの公式が通用しないというのです。

『グーの惑星』で知られる2D BoyのKyle Gabler氏や、Wedbush Morgan証券のアナリストであるMichael Pachter氏がこの説についてコメントしています。

Pachter氏は「ハードコアゲーマーであるWiiオーナーの多くがメタスコアを心配するが、カジュアルな人々はMetacriticを知らない」が「確かに『Carnival Games』『Jillian Michaels Fitness Ultimatum』といったゲームが売れている」(註:『Carnival Games』は56点、『Jillian Michaels Fitness Ultimatum』はレビュー数が不足のため測定不能だが2つのレビューが50点を付けている)「興味深いコンセプトを持つゲームは点数がどうあれWiiでは売れており、Peterはそのことを言っていると思う」と賛意を表明。

Gabler氏は「レビューがAAAクラスの超大作や、スポーツものにとって重要でないとするのは妥当だ。お客は何が得られるかを既に知っている」とMoore氏の意見を前提付きで支持。「しかし我々のようなインディーズにとってMetacriticとレビューの点数には大きな意味がある。事実我々は、自分のサイトから直接レビューへリンクしているし、Steamもそうしている。潜在的なプレイヤーは、レビュアーたちの激励が集まっているのを見なければ、未知のインディーズゲームにお金を出そうとは思わないだろう」とゲームのジャンルによってはゲームレビューが重要であるとする考えを明らかにしています。

Wiiユーザーはゲームレビューを重視していないとする意見は米調査会社のOTXからも出されていましたが、Moore氏の主張はこれと同様のもの。何があるとWiiのゲームは売れるのか。本当にWiiのゲームにおいてレビューには意味がないのか。この疑問への答えは、これまでとは異なっているとされるWiiのユーザー層を理解するための鍵なのかも知れません。

《水口真》

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