トヨタにとっては慣れない地、秋葉原で記者会見に臨んだトヨタマーケティングジャパンの高田坦史社長は「デジタルカルチャーに親しんだ若者に向けてクルマの楽しさを知ってもらう、中長期的な取り組みをスタートしたい」と宣言。
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トヨタマーケティングジャパン高田社長 |
高田社長は「自動車離れという言葉が使われるようになって早10年、各社は若者をターゲットにした商品を導入してきましたが、販売台数や市場調査による関心の度合いは明るい結果を導いていません」と危機感を隠しません。そして「クルマと対照的に、人々からの関心を高めてきたデジタルカルチャーに注目し、対立ではなく歩み寄って、世界に冠たる日本のクリエイターの力を借りて、一緒にクルマの魅力を再発見したい」と話しました。
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クルマへ関心は低下を続ける | デジタルは関心度が高まる | 閉塞感を打破するチャレンジをしたいと語る |
続いて登壇したトヨタマーケティングジャパンの喜馬克治氏はB to Cではない、C with Cの重要性を語りました。アワードという形を取ったのは、トヨタが何かを与える、というものではなく、生活者と共に新しい時代を考えていきたいという思いの表れであるようです。
「TOYOTA SOCIAL APP AWARD」の第1フェーズでは"クルマ関心向上"につながるアプリの企画を広く公募します。PC部門、スマートフォン部門、ケータイ部門の各部門で最優秀企画賞に各100万円が贈られます。また、その他の優秀作品もゴールド認定企画として表彰すると共に、第2フェーズである開発段階に進むかの選考が行われます。選考委員会はディー・エヌ・エー、グリー、ミクシィ、NHN Japan、ヤフーなどのプラットフォームホルダーや有識者で構成されます。
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様々な有力企業が参加 | 審査会のメンバー |
応募は個人/法人を問いません。3日から応募はスタートしていて、4月28日が締め切り。結果は5月25日に発表されます。また、第2フェーズでは企画の実現性の検証を経て、開発に3~5ヵ月、その後のサービス開始を計画します。プラットフォームホルダーが多数参加しますが、そこに縛られるものではない、ということでした。
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救世主を探す |
配布資料には「クルマの新しい魅力を広げてくれる救世主、探しています。」という文字が踊り、王者トヨタの危機感も感じることのできる発表でした。ソーシャルアプリとトヨタという一見遠そうな2つの存在がどのように融合し、面白いアプリが実現されるのか楽しみにしたいと思います。