今回は第三章、ポイソフトの企画会議編でございます。
ポイソフトは普段こんな雰囲気でミーティングしてるんだな、なんて思ってもらえればいいかな~なんて思いつつ、本当はもっとふざけたミーティングをしているのは内緒です。(一応はしょって書いてますからね!)
というわけで、この記事は前に投稿した記事との連作ですので、ここから読み始めると、話がよくわからないと思います。
そんな方は是非、ページ下部の関連記事から古い記事を御覧くださいませ。
さて、生八ツ橋がとても美味しかった・・・じゃなくて企画どうしよう?の続き、第三章を御覧ください!
■第三章 ポイソフトの企画会議
前回の3DSレポートミーティングの数日後。みんなが企画を持ち寄っての企画会議が開催されました。
ここでまたポイソフトらしさがでたと言いましょうか、ほとんどの企画は立体視無視の企画ばかりでした。
なんせ、Wiiでゲームを作っているのに、Wiiリモコンを振ったり、カーソルを使ったりしなかったことで定評のあるポイソフト。「あるからって使う必要はねえ!」の思想です。
エスパー同士の能力アクション!(社長
学園にひきこもり系コミュニケーションゲーム!(デザイナー北郷
などなど。
私もその頃は、ポイソフトっつったらシミュレーションかなあ、という思い込みもあって、「学校の購買を運営して人気のある購買を目指すシミュレーション!」なんてアイデアも出していました。
いろんなアイディアを検証しながら、大いにふざけてゲラゲラ笑って企画を練り上げる、というのがポイソフトのスタイル。社長のエスパー企画が何故か、カンフーエスパーという謎企画に化学変化したりしていました。
(カンフーで相手をぶちのめした後に、テレパシーで相手の心を読む、という訳の分からないことをする人の物語)
そんな中で、立体視があったほうが絶対面白い、という企画を私の方から2つほど提出しました。ひとつが、『浮世絵紙人形劇』という、紙人形劇のような絵を立体視で見せたら面白いかも?という企画。
そしてもう一つが、『古井戸の石』、すなわち、のちに『ひゅ~ストン』となる企画です。
『古井戸の石』は、社長の「3DSは奥行きの立体視に向いている」という話を聞いて生まれました。社長の話を踏まえ、何らかの穴を奥に進むようなものが一番効果的かなと思ったところから、「井戸に落ちる」というシチュエーションを用意した企画でした。
これらの企画が出たあたりで、場の雰囲気に変化が出ました。折角の3DSだし、どうせなら立体視が生きていたほうがいいよねえ、といった流れに。
なかでも『古井戸の石』は、井戸に石が落ちていくというリアリティ。また、3DSの立体視は奥に凹ませるほうに向いている、という点が認めてもらえ、この企画いいんじゃない!という結論に至りました。
そして私はその場でディレクターに任命されました。基本的にポイソフトは『企画を出した人がディレクターをやる』というスタイルなので。
そんなこんなで『古井戸の石』プロジェクト、つまり『ひゅ~ストン』プロジェクトが動き出したのです。
【続く】
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【著者プロフィール】
中川晃宏(なかがわあきひろ)株式会社ポイソフト/プログラマー
笑福亭鶴瓶に似ている、と事あるごとにデザイナーに突っ込まれる男。
生真面目で精神潔癖症なくせに、一番頭のネジが緩んでいるともっぱらの評判。
TwitterやFacebookを始めるべきか悩んでいる時代の波に乗り切れない33歳。