3DSで定番パズルゲーム『ピクロス』を早期に出せたワケを訊く ― ジュピター訪問記(4)
『ピクロス』シリーズで知られ、数多くの『ピンボール』ゲームを開発。ポケットピカチュウやポケモンミニソフトなども制作し、近年は『すばらしきこのせかい』など大型タイトルも手掛けたゲーム制作会社ジュピター。最近では3DS向けに『ピクロスe』を自社で販売しています。
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今回インサイドでは京都にあるジュピターにお伺いし、中山社長や開発スタッフにお話を伺いました。
第4回は、ジュピターの最新作となるニンテンドー3DSダウンロードソフト『ピクロスe』について訊きます。
―――3DSで『ピクロスe』のリリースはかなり早かったですよね
中山:早い段階から3DSについて研究してまして、DSの画面では15×15マスがタッチペンで操作できるサイズに収まらないのですが、3DSの画面ではピッタリ入ってユーザーインターフェースが格段に良くなることがわかりました。何とか早い時期に『ピクロス』を出したいなと思っていた中、『ニンテンドーeショップ』が始まる話が出てきました。
どんなタイトルを作れるかアイディアを沢山考えましたが、あえて一番最初に手掛けた『ピクロス』をお手軽に遊べるものにしました。定番パズルゲームを早期に出すことで、『ニンテンドーeショップ』を盛り上げられると思ったからです。
―――500円で150問という問題数は、多くなく少なくなくて適切ですよね
目黒:ダウンロードソフトであること、マーケットが成熟しきってないのでユーザに手頃な値段で提供するには、短期間で効率よく開発する必要がありました。ニンテンドー3DSのネット接続率でユーザー数も変わってくるので、なおさらですね。
村上:実は主となる開発スタッフは3人で行っていまして、製作期間は1ヶ月半です。『ピクロスDS』に関わったスタッフを再集結させたので、かなり短期間で作ることができました。
(※目黒 徳親:ジュピター開発部マネージャー。『ピクロス』シリーズを1作目から現在まで全て手掛けている。『ピクロス』の生みの親の1人。シリーズのグラフィックデザインは目黒氏によるもの。)
(※村上 宏文:ジュピター開発部長。最近はDSで『えいごで旅する リトル・チャロ』も手掛けている)
中山:裏話ですが、ピクロスに関しては様々なアイデアのストックがあったので、さらに開発期間を短縮することが出来ました。3DSの研究も終わっていたこともあって、本当に早かったですね。
目黒:余談なのですが、前作『ピクロスDS』の時は、自分が作ったソフト(『マリオのピクロス』など)を子どもの頃から遊んでくれていた人たちが弊社に入ってきて一緒に制作したんですよ。これは嬉しかった出来事ですね。
―――『ピクロスe』は配信以来、安定した売れ行きですね。
中山:実は3DS市場を盛り上げる為に、最初は『ピクロス』だけでなく『ピンボール』も用意したんですよ。でも圧倒的に『ピクロス』の方がいいという意見が多かったので、『ピクロス』だけに的を絞って今回『ピクロスe』だけに決めました。
―――『ピクロス』は海外でも人気ですよね。今後ワールドワイドでも展開するのですか?
中山:ピクロスは、特に欧州でとても人気があるんですよ。ですので、まず欧州、次に北米への展開を検討しています。
―――とても貴重なお話をありがとうございました。
(もう少しだけ続きます)
『ピクロスe』は、『ニンテンドーeショップ』にて500円(税込)で好評配信中です。
次回は遂に最終回。ジュピターの目黒氏&村上氏のお二人に話を伺います。
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